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い、いたくなんかないにゃ!
[笑うミリィに、顔を赤くして立ち上がる。茂みの影の薄茶猫の声も聞こえたようで]
次は、箒にも負けないにゃ!覚えておくがいいにゃ!
[そろそろと後ずさりながら、精一杯の捨て台詞を残して]
あららぁ、行ってしまいました。
……大丈夫なら、良いのですけど。
[軽く首を傾げつつ、駆けてゆく姿を見送る]
……さて、それではボクもそろそろ診療所に戻りましょうか。
ちゃんと、待機していないとですしねぇ。
[薄茶色の気配に気付いてか、落ち着かない肩の上の鳥を撫でつつ、呟いて。
ふわり、とスカートの裾を翻しつつ*村へと戻って行く*]
―自宅―
[明日の作業準備を終えて、長い木の勺でとろ火にかけた鍋をゆっくりとかき回す。窓の外まで漂うのは朝とはまた違う栗の甘い匂い]
焼き栗は美味いんじゃが日持ちせんからなァ。
よし、後は冷ませば出来上がりさね。
…それにしてもまだ返ってこないねェ。
ツィムトのヤツ、一体どこまでいったんだか。
[火を落として揺り椅子に腰掛け、甘い匂いの中で一息つく]
[その頃、ツィムトはティルが放置していった目を回したイモリを以下略し、満足気に舌なめずりして食後の散歩としゃれ込んでいた。
飼い主の心猫知らずである]
[そうこうしている内に訪問者が来て、婆は腰を上げた。扉の外には青い髪の青年と林檎の籠]
あらまァ、たくさん採ってきたねェ。上等上等。
明日腕によりをかけて焼くから楽しみにしときなァ。
坊にもそう言っといてくれさね。
[捨て台詞通りにアーベルが宿主の分を要らないと言ったかどうかは、さて*]
8人目、学生 リディ がやってきました。
学生 リディは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
ー村内の民家、二階の窓から少女が通りを眺めているー
つまんないな……。
[お祭りの次の日は寂しい。
昨日は村にあふれていた人も音楽も、嵐と一緒にどこかへ行ってしまった。
雨に洗われた道に前日の熱気はない。]
道が塞がっちゃったから、学校にも行けないし。
何か面白いこと、ないかなぁ。
[そう言って林檎を齧りながら窓の外を見る。
開け放した窓からは、栗を煮る甘い匂いが*漂って来た*。]
楽しみにしてるよ、ヨハナおばあちゃん!
[ミリィとわかれた後に、ヨハナの家へ。]
[喜ばれたし、喜ぶ言葉の後に、むぅと顔をしかめた。]
ダメ、あげない。
エーリ君は馬鹿だからあげちゃだめ。
[子供の喧嘩にしかみえない。]
エーリ君の分もおれが食べるよ。
よろしくね!
あ、ヨハナおばあちゃん、手伝いいるなら手伝うよ**
あげないって、アンタ…
[丸くなった目は、続く言葉に目尻の皺をくしゃくしゃにして笑う]
そゥかい、そゥかい。
なら作る量は変わらないからいいさね。
おや、ありがとよ。
明日は薪を多めに使うから運んでおいてくれると嬉しいねェ。
ついでに味見もしていきな。
[薪を運び終える頃には、ケトルも湯気を立てポットに注がれて、薄くスライスし火で炙ったパンに栗のクリームが添えられる]
……で、喧嘩の原因は何なんだい?
[大き目のマグに二人分の茶をいれながら、なにやら楽しげな話を聞こうと婆は目を輝かせた*]
―― 村の中 ――
[抜き足、差し足、忍び足]
あいつは、居ないかにゃ?
[きょろきょろきょろ、警戒しているのは薄茶の猫の姿。魔女の箒も天敵だが、この村を縄張りにしている先住猫は、天敵以上に厄介だ。ことにその猫の飼い主が菓子作りの名人とあっては…]
今日こそ、御飯をげっとだにゃっ!
[家の近くに、猫の姿が見えないと判断すると、猫まっしぐら]
―― ヨハナの家の外 ――
[窓から家の中をそおっと覗く。家主は客とお茶の最中…こっそりこそこそ裏口へ、抜き足、差し足、忍び足…]
[キッチンの方からは、甘いマロンクリームの匂いがする。思わず涎がじゅるり]
きゅるるるる…!
[ついでに派手にお腹も鳴って、あわあわあわと壁に貼り付いた]
[どうやら音には気付かれなかったようで、家の中から人の出て来る気配は無い]
しめしめだにゃ。
[くふふ、と笑って裏口に近づく。ごそごそとポケットから取り出したのは一本の猫のヒゲ。猫妖精の魔法の力を持つヒゲで、ちょいちょいと扉の隙間をつつくと、音も無く裏口の戸は開いた]
ふふん、ちょろいもんだにゃ。
[身を低くして、こそこそとキッチンに向かって匍匐前進]
――…ねえ、ヨハナおばあちゃん、何か音しなかった?
[エーリッヒについての悪態を、思いつくまま、並べた。]
[そんな最中、何かの音がしたようで、思わず尋ねる。]
ああ、いいよ。えーと、おれが見てくるよ。
ご馳走になってるしね。
本当においしくって良いな。
今度作り方教えて。旅先でご馳走して、材料貰うんだ。
[順序が逆。]
まあ、見てくる。
こっそりとね。
[音を立てずに、キッチンの方へと、こっそり。]
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