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……
[キッチンにティルを見つけて、しばらく悩んだ。]
[食事泥棒かなと、じぃっと見てから、一歩、二歩。]
何やってるの?
[嬉しそうに鍋に顔を近づける様子に、なんの前触れもなく、声をかけた。]
みぎゃっ!
[突然、背後からかけられた声に飛び上がる。覗きこんでいた鍋に、突っ込みかけて踏みとどまったのは、御飯が大事の本能かも]
お、お前は誰にゃっ!怪しい奴めっ!
[振り返り様、びしいと指を突きつける…居直りと言うにもあんまりです]
いやいや、あやしいのは君だよ、少年。
おれはちゃんとこの家に招かれてきているんだからね。
君は、おじゃましますってちゃんと挨拶した?
挨拶はしなきゃだめだよ。
[どこかずれている。]
で、食べたいの?
食べたいなら、よけいに、ヨハナおばあちゃんに聞かなきゃ。
内緒で食べたら、窃盗だよ。
自衛団に捕まっちゃうよ?
ううう…
[だらだらだらだら、思いっきり冷や汗をかいている。そりゃもうぐうの音もでないとはこのことで]
……おじゃま、します。
[とりあえず、それだけ言ったのは、意味があるのか?]
じゃあ、さよならだにゃ!
[鍋を抱えて逃げ出そうとした、が]
ふみぎゃっ!!
[まだ冷めてなかったみたいです]
あち、あち、あちっ!!
[猫妖精は手足も猫手なので、床の上を飛び跳ねる。ぴょこりぴょこりと猫耳が出たのは言うまでもない]
あ。鍋泥棒。
[真顔で、あつがってるのに言ってみた。]
ダメだよ。おれに言っても。
そっか、猫だったんだ。
熱いものに触っちゃうなんてダメだろう?
んん、反省してもらうためにもちゃんとヨハナおばあちゃんに治療してもらおうかな。
でもまずはほら、こっち、水。
[と水場に近付いて、おいでと呼んだ。]
[熱がってるのを前に、随分と冷静。]
―― 通り ――
[一軒の店から出て来た青年は、小さな紙袋を手にしていた。
内から取り出した飴の包み紙の片端を噛み、反対側を引いて解く。上を向いて淡い黄の球体を口内に送り、紙は握り潰してポケットに突っ込む]
……だるい。
[カチ、と飴玉を歯に当てた]
―― ヨハナの家・キッチン ――
水?!
[まだぴょんぴょんしながら、耳をぴくぴく]
水は嫌いにゃーっ!
[凄い勢いで壁に貼り付いて、ぶんぶん首を振る]
─通り─
……むう。
[雑貨屋の前、何やら悩んでいる様子で立ち尽くし中]
何色がいいかしら……?
[呟く視線が向けられているのは、色とりどりのリボン]
頑張ってくれていますし、そろそろ新調してあげたいのですよねぇ……。
ツィムト。
[舌先で飴玉を軽くつついて箸に寄せて名を呼んだ。
可愛らしさとは程遠い目つきの猫は、耳聡く聞きつけにゃあと鳴く]
食材にされそうになって逃げて来たのか?
だって水じゃないと、やけどは治らないよ。
やけどって水で冷やさないと。
そんなにいやなの?
[悩む表情]
そっか、猫だからだね。
[悩んだ理由は酷かった。]
じゃあ、仕方ないか。
このペン気にいってたんだけどな。
あついのわかったけど、じっとしてて。
[ティルに言いながら、メモ帳を取り出して丸を描いたり、何か描いたり。]
[聞かれても黙ってて、と言って、かきおわったメモを握る。]
「ひやしてあげて」
[妖精の言葉でそう言うと、ひんやりとした空気が、鍋に触ったらしい指にぴたりと触れる。]
学生 リディが村を出て行きました。
8人目、学生 リディ がやってきました。
学生 リディは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
[ぼんやりと視線は通りを行ったり来たり。]
ん?
[知らない子供がウェーバーさんの家を覗き込んでいるのが見えて、思わず身を乗り出す。
ウェーバーさんの家にあんな子供はいただろうか。]
のぞき魔……?
[子供はそのまま裏口へと回ると、何やらがさごそした後、戸を開けて室内へと滑り込んだ。]
……どろぼう!?
……何してるにゃ?
[どうやら、水をかけられる事は無さそうだと判ると、今度は好奇心がむくむく]
それ、何の印にゃ?にゃにゃにゃ?!?
[ペン先の動きを目で追っていると、ふいに冷んやりとした空気が触れる]
お前、妖精なのにゃ?
[目を丸くして、アーベルを見た。じいいいいいい]
[猫はなんと返答をしたのやら。
熱は案外と思考を鈍らせるものらしい。向こうも悩み中らしく、こちらには気付いていなかった様子だが]
ミリィ、何してんの?
今、結んであげてるのが、緑ですからぁ……。
今度は、青系かしら?
んん、一度帰って、ちゃんと確かめた方がいいですかねぇ……。
[そも、なんに結ぶつもりのリボンなのかと。
口ぶりからして、自分でないのは確かだろうが]
……て、あら?
[ひとまず、戻るべきか、と結論づけたところに声をかけられ]
エーリ。寝てたんじゃないのですか?
[先に森で聞いた話を思い出しつつ、きょと、と瞬き]
寝て起きて買い物。
[傍で脚を留めた猫は彼女を見れば鳥の姿を捜したに違いない。
右手で袋を抱えていた事に気付いて、なんとなく、左に移す。腕にはまだ包帯を巻いているし、シャツの下ではあるけれど]
そっちは……リボン?
[視線の向いていた先を追いかけ、疑問混じりに言った]
ほんとに違うにゃ?
[消えるペンを見ながら、耳がぴくぴく]
も、もともと痛くなんかないにゃ!
[恩人に向かって、ふん、とふんぞり返ってこの態度]
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