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あっと……武器武器!
[食べきった林檎の芯を放り投げると、代わりに戸口に立てかけてあった帚を手に取る。
通りにいる人には目もくれず、ウェーバーさんちの裏口へと。
足音を顰め、中の様子を伺った。]
―店内―
[こきり、と首を鳴らした。
掛けていた眼鏡を外し、手元から視線を離して。
壁に掛かった時計を見れば、あれから5回転程したところ。
椅子を鳴らして立ち上がり、丹念に磨かれた石は作業台の上に。
どうやら休憩に入るらしい]
― →通り―
……ちゃんと、休まないと、ダメですよぉ?
[気だるげにも見える様子に、軽く、首を傾げつつ注意を一つ。
白い鳥は、猫の視線にやや警戒気味の様子]
ええ、リボンですよぉ。
そろそろ、ブルーメのリボンを新しくしてあげようかと思いまして。
ちがうちがう。
違うから。
あのペンはお礼でなくなっちゃったの。
[暫くは使えないかなーなんて思いながら、ポケットにメモをしまいこんだ。]
……痛くなかったの?
そっか。
じゃあもう一度触ってみる? ほら、中にはおいしいのがあるよ?
[耳を仕舞う様子を、微笑ましそうに見る。]
うん、可愛い猫耳だったね。
用事済んだら帰るさ。
[要る?と問うと同時、答えを聞く前に飴玉を一つ、放り投げる]
ああ、なるほど。頑張ってるもんなー。
自分の分はいいのか?
[遠すぎず近すぎずの位置で、薄茶の猫は目つきをますます悪くしつつ、機を窺っているようだった]
むうむうむう…つまり妖精じゃないんだにゃ?
[ほんとに分かったのかどうかは若干怪しい。可愛い耳と言われると、赤くなりながら、顔を顰めた]
可愛くないにゃ!かっこいい耳なんだにゃ!
[こだわってるみたいです]
泥棒め、正義の勇者リディ様が成敗してやる……
[呟きながらそっと裏口の戸をあける。
泥のついた不思議な足跡が、廊下に続いていた。
ふわり、栗の匂いが廊下の先から濃厚に漂う。]
む。今日のおやつは栗の甘露煮かな。
[思わず唾を飲み込んだ時、キッチンの方で物音がするのに気づいた。
びくりとして帚を持つ手に力を込めると、廊下を慎重に進んでいく。]
うん、そうだよ。
かっこいい、というか、やっぱりかわいいだと思うけどな。
君はかっこいい方がいいの?
[不思議そうに見て]
まあ、いいけど。
ほら、食べたいなら、まずはヨハナおばあちゃんにご挨拶。
そうしたらきっと、優しいから、おばあちゃんがちゃんととってくれるよ。
もっと美味しくしてくれるよ?
[投げ渡された飴を両手で受け止め、ありがとうです、とにこりと笑い]
うん、ちゃんと休んだ方がいいですよぉ。
ブルーメのお陰で、一人でも安心してお留守番できますからねぇ。
ボクは、別に……あまり、飾るのとか、好きじゃないですし。
[自分の分は、という問いには、困ったようにこう返す。
肩の鳥はといえば、機を伺う猫と睨みあい続行。
そこだけ妙に緊迫してるかも]
―通り―
[休憩の際の習慣、いつもと違わず、森の方角へと足を向け。
やがて雑貨屋の前に差し掛かる。
視線は話している2人より先に、その足許の薄茶猫を捉えたらしい。
今は鳥に夢中らしい猫がこちらに気付いたなら、唸り声の一つでも上げただろう]
/*
ちっ
天然さんなら受け取れないかと思ったが、期待する描写を入れておくべきだったk
……あれ、初独り言がこれって酷いな。
[キッチンのドアノブに手をかけると、勢い良く戸を開く。]
こらー!どろぼーうー!
動くな!
村の平和を守る正義の味方、リディ様が来たからには悪事は働かせないわよ!
[大声で叫んで、帚を構えた。]
かっこいい方がいいに決まってるにゃ!
[ぷう、と膨れて、しかし「美味しく」という言葉には心が動いたらしい]
あ、挨拶すればいいのかにゃ…て、みゃーっ!?
[アーベルの後を付いて行きかけた所で、飛び込んで来た正義の味方に驚いて、再び壁に貼り付いた]
その前に、こいつ届けたほうがいいのかな、っと?
[猫を掴みあげようとしてしゃがんだところで、気配に気付いた薄茶の猫が不意に睨み合いを中断して、些かやる気の足りない唸り声をあげた。
視線は青年とは別の方向。釣られて、見やる]
[勢い込んで扉を開けたものの、意外なほど近くに人がいて慌てて一歩飛び退く。
聞こえて来たのは冷静な突っ込み。]
正義のためだ!仕方ない!
[堂々と答えると、相手の顔を確認した。
先ほど家を覗き込んでいた少年ではない。]
むむ。泥棒に仲間が居たとは……!
あら、猫さん。
[気付いてなかったらしい]
お散歩してたんなら、好きにさせてあげてもいいかもですけど……。
[例によってのんびりと言いつつ、肩の白い鳥を撫で。
視線の流れにつられるように、猫の見ていた方を見る]
こんにちはですよ、ユーリ。
お散歩ですかぁ?
いやいやいや。
食べ物泥棒をしようとしたけど、今からお客になるのはあっちの子。
おれは最初からお客。明日の林檎を渡しにきたんだ。
君は今からお客になる?
おいしいよ。
ヨハナおばあちゃんのお手製だから当然だけど。
……不法侵入者にはくれなかったりして
[最後の言葉は、ちっちゃすぎる。]
[まさかね、なんて思ったから、二人には聞こえてないだろう**]
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