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[猫の隣の青年が屈んで、漸く認識できたらしい。
同時に白い鳥と少女も。
双方への挨拶代わりに片手を上げる。
尋ねられたことには頷いて答えた。
その間猫にずっと睨まれていたとしても、何処吹く風で]
うむむ……泥棒はあの子だけか!
[青年の口からウェーバーさんの名前が出ると、見慣れない顔を疑うようにじっと見てその背後の少年に視線を移した。
泥棒(推定)からも、同じように共謀を否定する言葉が出ると、ふっと息を吐き帚を少年に構え直す。]
[仕種だけの返事はいつもの事なので気にした様子もなく。
ふと、ある事を思い出して、そうだ、と声を上げる]
ユーリ、今、お仕事忙しいです?
また、細工入りの瓶をお願いしたいのですけど。
[大丈夫かしら、と。
軽く、首を傾げて問いかける]
―自宅―
[物音はツィムトかと思い気にもしなかったが]
それじゃァお言葉に甘えるさね。
[見てくると言うアーベルに任せ、揺り椅子でのんびり構える。
そのうちに聞こえてくる騒動にも腰を上げずに聞き耳を立てた]
おやまァ、いつもの泥棒猫かい。
いっつも追い払ってるツィムトが留守だってのに運が無いねェ。
そうか。ああ、今年も良い石が出来てたよ。
……いつもの場所は、崖崩れあったから立ち入り禁止だろうけど。
[興味の対象があちこちに移って忙しい猫を、今のうちに掴もうと手を伸ばす。
しかし抱き上げる前に、はたと、ミリアムに眼差しを転じた]
そうだ、ミリィ。
お前、知ってただろ、爺が来るって。
[今更ながらあの香草茶の真意が掴めた。自然、眉が寄る]
せ、せ、せーぎのみかたなんかには、負けないにゃっ!
[しゅた、と両手を上げて、爪を出すとニャンコ拳のポーズ。しかし箒には嫌な思い出がありまくるので、どもりがち。ちなみに正義の味方の意味は分かってません。]
祭りも終わったってのに賑やかなこった。
さァて招かれぬ客にゃ、何をしてもらおうかねェ。
[なにやら底意地の悪い事を言いながら、よいしょと立ち上がってキッチンを覗き込む]
おやおや、どういった騒ぎだい?
あたしゃ聞かせてもらってもいいと思うんだがねェ?
[にんまりとちょっとだけ見覚えのある少年と御近所の少女を見下ろすように顎を上げた]
はぁい?
[エーリッヒの言葉に、そちらを見やり]
自衛団員さんが、置き去りの荷物があった、って教えてくれたんですよぉ。
それで、もしかしたらエーリかなぁ、と思ったら、予想通りでしたから。
ギュンター御爺様の事だから、行くだろうなぁ、とは思ってましたけど。
[くすくす笑いながら、さらっと説明]
ほう……正義の味方に歯向かうとは……愚かな。
[なにやら奇妙な構えをとった少年に,最近読んだ小説の言葉を引用すると不敵に笑ってじり、と間合いをつめる。]
このリディ様が成敗してくれよう!
あ、ウィーバーさん、こんにちは。
危ないから下がって。
泥棒です!
[のんびりとかけられた声に振り向くと、元気よく答えた。
黒髪の青年に訂正の言葉がかけられようと、気にしない。]
[家の主の登場に、少女の気が逸れたと見ると、隙をついて逃げ出そうと、裏口へと駆け出した…が]
ぷぎゃっ!!
[こけました。……お約束]
今は一つ。
…終わってからで良ければ。
[ミリィへの返答として出た言葉も、やはり端的で。
少しばかり先客(猫)を見て、視線を戻す。
エーリッヒの言葉には、少し残念そうな顔をした]
急いでたから置き忘れたんだよ。
まあ、失くしたらそれなりに困ったし、助かったは助かった。
んだけど、さぁ。
この村の爺婆は元気すぎる。
[引っ張られた頬が痛んだ気がして、頬に手を当てた。
未だ屈んでいたから、膝の上に肘を置いて頬杖を突いて溜息を吐く。
様々な事を気にしなければ、伏せた睫毛が陰を作る様は憂える青年と言った態なのだが]
って、店前でだべるのも邪魔だな。
[さっと気を取り直して言う辺り、切り替えが早い]
[2人の遣り取りの意味は分かっている…というか、割といつものこととして捉えているらしい。
唸り声のほうに顔を向け。
睨むツィムトに対して、こちらは案外楽しげである]
こらっ!待てー!
[叫んで帚を持ったまま後を追った。
追跡はほんの数秒。
すぐに転んだ少年に、呆れた顔で歩き追いつく。]
情けない泥棒ね。
[転んだ体を引き起こすように手を差し伸べた。]
ほォう、泥棒ねェ。
[リディの言い分にそ知らぬ顔で頷いて、ティルを意地悪く見てにんまり。ちゃっかりした礼の要求に笑いを堪えながら、恐ろしげな声をティルに向ける。
素早く逃げようとした泥棒未遂猫が見事にこけたのを見て噴出す]
ほゥら、悪い子は妖精にお仕置きされるのさ。
反省しない悪い子はどうしてやろうかねェ。ぐるぐる巻きにして川にでも流そうか、それとも木にぶら下げようか。
[言いながらアーベルに『ちょィと黙っといて』と見る目は笑っている]
あ、ボクの方は空いてる時でいいのですよ。
そんなに急いでいる訳じゃないですから。
[ユリアンに笑いながら返して。
猫に向いた視線を追い、それから]
大事なものは、ちゃんと持ってないと、ですよぉ。
[エーリッヒの言葉に、また、楽しげに笑った]
元気なのは良い事ですよぉ。
お年を召して塞ぎこんでしまうのは、よくないのですから。
……あ、確かに、ここに集まっているのはお邪魔ですねぇ。
うう…て、敵の情けは受けない、にゃ…じゃない、受けないよ!
[少女の手をてしっと払って、ぶつけた鼻を押さえながら、ぺたんと床に座り込む。やっと語尾がまずいことに気付いたっぽいです]
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