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薬師 ミリィは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
― 診療所 ―
[床に胡坐を掻いて座りこみ、鉢を抱え込む。
ごりごりと干した草を擂る音が支配していたが、不意に動きが止まる]
くしゅんっ!!
[思い切り前のめりになり、大きなくしゃみ。
手が滑り、内の粉が舞い上がった。ぱらぱらと緑が舞い落ちる。
横を向くとずれ落ちかけた眼鏡を押さえ、眉を寄せた]
はぁ!? ちょ、アーベル。おまっ!!
[エルザの疑問に目線を逸らしていたわけだが、アーベルのキラーパス(死ぬのは俺)に思わず声を上げる。
そして向けられるエルザの期待の眼差しに、あーうーと唸っていたわけだが、]
あー、そのー。うん。
勘弁してください。
[そういって土下座。]
[読書室の外、弟と幼馴染のやり取りを聞きつつ、手早く上着を脱いでぶつけた所を見やり、湿布を当てる]
……あー、いてて。
次の『月』が昇るまでは、死にゃしねぇとはいえ……。
痛みとかは、人並みに感じるからなあ……。
[小声でぶつぶつと呟きながら手当てを終えて、脱いだ服を着込む。
薬はとりあえず、上着のポケットに入れておいた]
ん、と。
動けそうかねぇ。
……むぅ。しまった。
[黒地の服に纏わりつく緑を払う。
その色は、薬と言うには少々毒々しい]
私に限って風邪ということもない、となれば、
誰ぞが噂をしているのか。
[妙な自信を持っての、自己完結。
町の医療を担うものとしては当然とも言えるかもしれないが、その言いようと、見た目の幼さは相反するものであった]
…………歳の事ではないだろうな。
[すりこぎ棒を持ち直した手に力が篭る。ぱき、と微かに音。
微かに纏った負のオーラは、少女のものとは思えない]
…それはまた、兄さんらしいというか。
お手数お掛けします。
[少しばかり呆れた顔をした後、謝罪を込めて頭を下げ。
読書室を覗き込んだ]
[アーベルの説明に、更に目を輝かせる。
菱形を描く指を黒目が追い、
そしてユリアンへとまた目線は戻る。]
見たい、見たいわ?
可愛くないかもしれない虫さん?
[キラキラと目は輝くが、土下座するユリアンにきょとん、とその目は瞬かれる。]
どうしたのかしら?
[首を傾げ、疑問と視線はアーベルへ。]
…まあ、いい。
そのときに備えても、しっかり準備をしておこう。
[ふ、と息を吐いて呟くと、作業を再開する。
薬師、ミルドレッド=ハーヴェイ。
*――今年で32歳の彼女は、微妙な御年頃だった*]
……と。
[覗き込む気配に振り返れば、目に入るのは見知った顔]
よ、どした?
[かける言葉は、ごく軽いもの。
というか、御気楽至極]
10人目、少女 ベアトリーチェ がやってきました。
少女 ベアトリーチェは、霊能者 を希望しました(他の人には見えません)。
[水晶花の花畑。
細い声が叫んでいる]
ねぇえ、降りてきてよぉ。
[清水のつたう岩肌、
薄桃色の小さなトカゲがはりついている。
平均的な成人男性の頭上の高さあたりか]
降りてきてってばぁ…
[苔を舐めてでもいるのか無視される。
二つ三つ、跳ねて手を伸ばしても、トカゲに届かない。
少女の双眸がうっすら涙をたたえた*]
俺は構わないが、お前も苦労するな。
アレが兄で、しかも絵師ときては。
[心底気の毒そうに言って、読書室を覗くミハエルを見送る]
/*
……予想外の人入りに、ちょっとぽかんとしたとか言わない(言ってる)。
これ、あの。
基本編成でいけてしまうんですが。が。
流石にもう、慣れましたけどね。
[オトフリートには苦い笑いと共に言って]
どうした、じゃないよ。
[まるで他人事と言わんばかりの当人に、溜息も盛大になる]
ん?何かあったのか?
[すっとぼけたような表情をユリアンには向けたが。
エルザの視線がこちらにきたのとユリアンが土下座をしているのも見て、これ以上するのは悪いかと思って]
その虫はな。人に見られるのが酷くいやなんだよ。だから虫のために我慢しような
[内心では。「いや、珍しい虫だから隠してるんだ」とか言いかけたかもしれない]
そこで、ため息つかれてもなぁ。
[盛大にため息をつく様子に、苦笑して]
ああ、転んだ事なら、なんてこと、ないから。
/*
二人増えたーー。おー。すげー。
ミリィは。百年ぐらい前からいきてるとか聞いた。とか当人の前で言ってみよう(何
ベアトリーチェは撫でよう。エルザも撫でるぞー…年下を撫でるのは年上の特権です
まあ、いきなりだったからなぁ。
でも、俺が転ばんかったら、あっちが怪我してたかも知れんし。
[半眼で見られても、へらりとした態度は変わらず]
いや、気ぃはつけてるぞ?
痛い思いはしたくないんだし。
そうなの?
なら…仕方ないわ。
何時か人に見られる事がいやじゃなくなったら、
見たいと思うわ?
その時は是非お願いね?
[ふふ、と、笑顔でユリアンを見て、アーベルを見た。
コバルトグリーンの目は蒲鉾型に細められ、
本当に楽しそうに嬉しそう。]
やれやれ…
[絵師兄弟の会話を、やはり呆れた様子で耳にしながら、自室へと引き上げる。キノコ茶でも入れてやるかと考えたのは、単に気まぐれからか]
/*
あ、能力者希望どうしよとか…まいっか。
やるなら狩人ぐらいがいいかなぁ。困ったとき何か出来そうで、困ってないときは何もしない。そんなゆるゆる君(ぇ
…相手に怪我がないなら、まあ良かったけど。
その子も心配したんじゃないの?
[相手のことを聞いて、やや表情は和らいだが]
『絵師』が心配掛けてどうするの。
[その役目が年の離れた兄に引き継がれた時、己はまだ3歳。
故に先代のことは知らないが、流石に緩過ぎるようには見えた]
ああ。大丈夫なときになったらユリアンが報せてくれるだろうし。そういうことだから仕方ねーんだよ。
[なんとも自然な口調でユリアンに飛び火を与えつつ
無邪気な様子のエルザを見て今更になって罪悪感が少しだけ出てきて、今度はすまい。と。過去に何度も何度も思ったことを今日ももう一度思った。多分また次も思うことだろうけど]
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