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[城の廊下は侵入者を拒むかのごとく長く暗く、冷たく淀んだ空気は埃の臭いがした。
しかし、針が磁石に引き寄せられるように、蛾が灯火に誘われるように、男の歩みは脳裏に描かれた映像をなぞって進んだ。
そのすべてが、かつてこの場所を同じように歩いたことがあると告げていた。]
[唐突な言葉に、目が丸くなる。
しかし重ねられた答えと問いに意識は移り、
一、二、三と指折り数える自身の手と男とを交互に見た]
そっか。
それでも、クーを含めたら四人だから十分だよ。
オレは、住んではいないよ。住むかもしれないけれど。
ほかにも、そういう人はいるみたい。
クーも、そうなんじゃない?
[逸れる視線を追えば、
硝子越しに映る、絵画の如き光景。
枠に区切られた世界の中、
緩やかに移ろう空と雲ばかりが現実味を感じさせる]
住んでいるって言えるのは、アーヴくらいかな。
無口で無愛想だけれど、悪い人じゃないと思うよ。
勝手に使っていいって言ちてくれたし。
こんなところにひとりでいて、さみしいのかも。
[ちいさな旅はひとつの扉の前で終わった。
青玉の瞳は怖れの黒を滲ませていたが、それでも答えを求める光の方が勝った。
緑青の浮いた銅(あかがね)の取っ手を掴み、男は夜のように密やかに中へと滑り込んだ。*]
[女性──イザベラの話を聞きながらお湯を沸かし、茶葉を用意してポットへと入れる]
はぁ……。
あ、と。私はシャーロットよ。
興味深いと言われても…。
[大したことしてないのになぁ、と呟き。ふと、イザベラの顔を見ると、左右の目が異なる動きをする。悲鳴こそ上げなかったが、半ば息を飲む形になってしまった。瞳を逸らすように沸かしたお湯へと意識を向け、茶葉を蒸らすくらいのお湯を入れて、クッキーを盛った皿とティーセット他をトレイに乗せた]
あの。
ここに居る人だったら、広間かどこか、落ち付ける場所は知らない?
折角だし、お茶でもどうかしら。
[眼を異なる動きをさせながら微笑む様子は少し異様にも思えて。やや引き気味になりながらもお茶の誘いと場所の案内について訊ねてみた]
クーも好きにするといいんじゃないかな。
オレは結構、ここ、気に入ってるよ。
[長机に手をついて寄りかかり、足を擦り合わせる。暖炉に火の焚かれた形跡はなく、室内の温度は低かった]
ここ以外に、いく場所も知らないしね。
[蝋燭の小さな焔は心許なく影を*揺らめかす*]
[片目が緋を、ガラスの向こうに見ていた]
[ラッセルの中で愛称は決定したのだろうか]
[男は止める言葉を、タイミングを失った]
番人だけならばお前に聞いても答えは無いな
ここは何なのか、お前も同じ情報しかないだろう?
……寂しいか
[外れた視線は、再度、緋の髪をとらえる]
己はここに住むつもりはない
だが、そうだな
わかるまでは、ここに居ざるを得ないか
シャーロット…ね。
[名前を聞くと、メモ帳に名前と特徴を記す。]
ごめんなさいね。私、名前と顔覚えるの苦手なの。
手帳は覗かないでね。覚えやすいように特徴書いてて。
見たら、貴女怒るかもしれないから。フフフ。
[外側を向いた左目が、ぐるんと。]
広間ならあっちよ。大体の見取り図を作ったんです。
行きましょう?
[手帳は覗かないで、と言われると、ただ頷きを返して。左目の動きにまた少しだけビクリとする]
え、ええ。
……あの、見取り図だけ、見せてもらっても良い?
私まだこの城の中、全部は見てないの。
[広間へはイザベラの後をついて行く形となる。その移動がてら、見取り図を見せてもらえないかと頼んだ]
[広間に着くと、先程共にこの城へと入ったクインジーと、もう一人誰かが居るのが見えた。年の頃は自分と同じくらいだろうか。その姿にぺこりとまずは会釈。歳が近そうと見て取れたせいか、最初の時ほどの警戒は無い]
うん、知らない。
知らないんじゃなくて、忘れたのかな。
全く知らない場所に来るなんて、
おかしな話だろうし。
[視線の位置を探すように、頭に手を翳す。
頭上を見ても、天井までの間には何もない]
オレ、寒くないよ。
クーが寒いなら火をつけるといいよ。
アーヴは灯りは点しはしても、
そういうのには無頓着みたいだ。
[顔を水平に戻し、
目にかかる前髪を首を振って払う。
眼のみが、掬うように男を見上げた]
[話をするうちに入って来たのは、知る者と知らぬ者。
机から手を離して薄い絨毯に足をつけて立つ。]
ベル――と、
さっき来た人だよね。
オレ、ラッセル。よろしく。
[頭を下げるより先に出る挨拶。
少女の手にするトレイに、首を傾がせた]
あれ。それ、どうしたの?
見せてもいいけど、自分で探る楽しみもあるわよ。
それでも見たいなら、見せてあげます。はい。
[藪睨みの眼で、シャーロットを見つめて、手帳を渡す。]
ラッセルくん、遊んでもらってたんですか?
[少年は隣の女性をベルと呼んだ。一度イザベラへと視線を向けてから、再び少年へ紅紫の瞳を向ける。先にここに居た者であれば、知っていても当然か、と思い直したようだ]
え、ええ。
私はシャーロット、よ。
[よろしく、まで出て来なかったのは、あまりにも少年──ラッセルが気さく過ぎて面食らったせいであろうか。トレイについて訊ねられると、テーブルへとそのトレイを置いて]
キッチンで作って来たの。
材料があったから、折角だし作っちゃおうと思って。
お腹も空いてきたしね。
[クッキーだけど、と言いながら良い具合に蒸れた茶葉に更にお湯を注ぐ。少し待ってポットを一回し、カップに紅茶を注ぎ、ミルクと砂糖を追加した]
貴方達も飲む?
[問いかけはラッセルとクインジーへと]
[赤髪の男──クインジーから向けられた言葉。
それに対し浮かべた笑みは、誰の目にも留まることなく。
『番人』に教えられた廊下に並ぶ寝室の一つを適当に選び、長く使われた様子のない寝台に倒れ込むとす、と目を閉じた]
探る楽しみ…。
……ううん、それは良いわ。
先に頭に叩き込んでおいた方が、無駄に迷うことも無いもの。
[ゆるりと首を横に振ってから、イザベラの手帳を借りる。しばらくの間見取り図を眺め、小さく呟きながら見取り図を記憶した。それが終わると手帳を閉じ、イザベラへと返す]
ありがとう。
外観は小さめのお城かと思ったけど、やっぱり結構広そうね。
ううん。
絵を描いていたらクーが来たから、話してただけだよ。
[彼女に対しても、等しく眼差しは向けられる]
他に二人いるんだって、ベルは会った?
[静寂の時はさほど長くはなく。
閉じた蒼氷は、ゆっくりと開かれる。
静寂の間の変化は、床に落ちた鈍い色彩の浮き出る包帯。
先ほどまでそれに包まれていた腕は、鮮やかな紅に染まって]
……落ち着かんな……。
[そんな呟きと共に、身体を起こして。
新しい包帯を一つ、懐から取り出して左の腕に巻きつける。
紅を包んだそれはすぐに新たな色彩に染まるが、さして気にした様子もなく。
ふらり、部屋を出て宛もなく廊下を*彷徨い歩く*]
シャーロット、
ロッティだね。
[一度舌の上で名を転がして噛み砕く。
一歩横へ退き、トレイを運ぶ少女を、
動きにつれて流れる髪を眺めた。]
そうなんだ、えらいな。
オレは作れないから、パンや果物ばっかり。
確か、ベルもなんだよね。
[漂う湯気に目を細め、口許を綻ばす。
幼さすら残す口調とは裏腹に、
それまでの表情に変化は乏しかった。]
いいの?
[抑揚の薄い声も、僅かに跳ねる]
あら。まだ会ってないですねえ。
[返してもらった手帳を開き、人数に関する記述を書き変える。]
興味深いですね。面白い方だといいんですが。
そちらの方は、クーさんと仰るのですか?
ラッセルくんのことですから、本名ではないのでしょうが。
面白い通称でしね。クク…ごめんなさいね。
[笑みを漏らす。]
[ロッティと呼ばれると僅かにきょとんとした表情に。そのような呼ばれ方はされたことが無いのだろう。その新鮮味に小さく笑いが漏れた。今までの強張った表情ではなく、少女特有の柔らかみを帯びた微笑み]
なぁに、ラッセルも作れないの?
今までよくそれで過ごしてられたわね。
ここに持って来て独り占めってわけにも行かないでしょ。
皆で食べれば良いわ。
[返答前にも手が伸びて来る様子に手早く紅茶をもう一つ淹れて。クッキーも添えてラッセルへと勧めた。他にも欲しいと言う者が居れば、同じように用意する*ことだろう*]
……面白い、のかな?
クク、じゃなくて、クーだよ。
[笑う声を違えて捉え手が止まる。
本名を伝える気はないようで、訂正はそこまで。]
[その部屋は誰かの私室のようであった。
闌(すが)れたカーテンの隙間から光の束が零れ落ち、闇に沈んだ室内でかすかに物の形を浮かび上がらせている。
調度の類はすべてうっすらと埃の膜を被っており、それなりに長い間人の手が触れていないのは確かなようだった。
そのなかで男の眼は、中央やや窓側に置かれた一脚の卓子(テーブル)に惹きつけられた。]
わ。
[止まっている間に注がれる紅茶。
短く感嘆の声をあげ、
イザベラとは異なる笑いを漏らす少女を見た]
今までって言っても、
ここに来てから、そんなに経ってないし。
特に困ることはなかったけれど、
こういうのは、なんだか、心が満ちる感じがする。
[椅子の一つに腰を下ろして、
添えられた菓子ごと紅茶を受け取る]
ありがとう。
[正しくは男の目を惹いたのは、机の上にある物。
黒白の石片でつくられた市松模様の、それはチェス盤であり、その上に配置された黒白の駒であった。
それらの配置から、勝負は半ばで中断されたように見受けられた。
机を挟んで置かれた繻子張りの椅子が、あたかも急な用事でちょっと席を立った、というように少しずれていた。]
[持ち手に指をかけ、底面に手を添えて持ち上げる。
頬を撫でていく湯気にますます目を細めつつ、
カップの縁に口をつけて傾けた。
微かに上下する咽喉。
間を置いて離すと、熱を残す息を細く吐き出す]
ん。
[落ちる声には満足げな響きが混じる。
一度カップを下ろすと、
壊れ物を扱うようにクッキーを摘んで齧りつく。
それを繰り返して、*ひとときを楽しんだ*]
[夢の中を漂う男の指がナイトの駒を摘み、違う升目へと置く。
コト、と石の盤を打つちいさな音が、静寂に包まれた室内で思いがけず大きく響いた。*]
見習いメイド ネリー が参加しました。
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