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おっひょ!
[隣からの大声に驚きの声を上げた]
……珍しい、ね。
ウェン君が叫ぶなんて。
[ちょっと耳にキーンと来てます]
[同時に「兄さん」と呼ばれるマテウスに自覚無き嫉妬]
…やっぱマテウスってここの出身なのかぁ。
もっと早くに知ってたら、外で会った時にこの村のこと教えてたのに。
[一瞬上がった熱も、ヨハナの声に急速に冷める]
……すみません、ヨハナさん。
私はまだ、修行が足りないようです。
あの信心深い方が、何故と。
そんな気持ちばかりが浮かんでしまって。
[素直に告白して、深く頭を下げ謝罪を述べた。
座り直し、胸元に手を添える]
…………客観的に見るのであれば、他の方々にとっては安心の出来る方法でもあるのかもしれませんね。
―集会場―
[古びた鞄一つ手に取り、集会場の扉を開け。
挨拶代わりに軽く会釈をして、数人の知り合いの顔を視線が彷徨った。
おおよそ知りえる顔が揃っていて、微かに眉根を寄せる。
あまり見覚えのない顔もあることはあるが。
どの人物も、あの死体を作った人間、には見えなかった。]
何だ…エーリッヒにイヴァン、それに薬師のも居れば、ウェンデル、にヨハネ婆まで。
あとそっちは…たしかライヒー?それに…
[といいかけながらも、マテウスの顔を微妙な顔つきで見上げた。
流石に10歳の頃に分かれた幼馴染の顔は、容易には思い出せない。]
[ゼルギウスの証言に]
俺もゼルギウスの薬には助かってるしな。
もちつもたれつって感じだ。
人のつながりってのはあって損はないからな。
……殺人ねえ。
[エーリッヒのその言葉に、老婆は遠い目をして、思いを馳せた]
このような寂れた村で、これだけの大掛かりなことをするということは、伝説が蘇ったか、御伽噺が現実となったのか。
[そこまで呟き、笑みを浮かべて頭を振る]
ふふ……いやね。
お婆ちゃんになるとすぐに、訳の分からないことまで考えちゃって。
そんなことあるはずないのに。
[マテウスの言葉にはやはり笑みを携えたまま]
人殺しなどと自分を卑下するのはおよし。
お前はお前の出来ることをしているのだから。
それに、その腕が、誰かを守るためと思ったのならば、それほど心強いものはないでしょう?
家出ねぇ。
らしいっつーかなんつーか。
[気を落ち着けてマテウスの話を聞き]
うん、ホントこの村で良かったと思うよ。
俺を見つけてくれたナタにも感謝感激雨あられ。
少しでも安心出来たらと思ってさ。
隔離空間ってのはそれだけで不安煽るもんだし。
俺が出来る恩返しっつーとそれくらいだからな。
[なで過ぎた猫が、嫌がってその主人のもとに駆けていく。]
ばいばい。
[わたしは小さく手を振って立ち上がり、猫の主のノートをふと覗いた]
Von der abgelegenen Entfernung ist …
詩人さん、なの?
たしかに、間が悪いな。
一瞬、ゲルダがどっきりな企画でも考えてるのかとも思ったが集会場きて歓迎会って感じでもなかったしな。
久しぶりの帰郷がとんだ珍事だ。
[エーリッヒの言葉にため息ひとつ、じっと見られると]
んっ?どうした?
この傷跡か?仕事がらどうしてもな。
[顔にもいくつかある傷跡を指でなぞりそう答える]
う、ええと、すみません。
[傍らにいたゼルギウスにはさぞうるさかったろう。
話も遮ってしまったと、ヨハナに向けたのとは別の謝罪。
決まりが悪く、顔が赤みを帯びた]
まさか、またお会いするとは思わなかったものですから。
お二方は、お知り合い、……のようですね。
[扉の開く音と人の気配。
ここに来てから、何度目かのそれに視線をそちらへ向ける]
また一人増えた、と。
団長殿、どれだけ集めたのやら……。
[ため息を一つ、ついて]
さして付き合いあるわけじゃないが、確か、はなかろうが。
あと、その「ライヒー」、という気の抜けた呼び方はやめてくれ。
[続けて、ナターリエに向けたのはこんな抗議めいた言葉]
[名を出した人物が扉を開け集会場へと入って来た]
ぅえ、何でナタも?
[ナターリエの姿を目にして、あんぐりと口を開けたまま見やる]
自衛団脳みそ空っぽなのか?
俺を助けてくれた奴疑うなんて。
[またしても憤慨するよに腕を組んで]
[扉の外に垣間見えた監視役の自衛団員達を睨みつけた]
[ウェンデルに向き直っても、老婆は笑みを携えたままの顔をしている]
ほらほら。
しゅんとしないの。良い男が台無しだよ。
どんなときも笑ってなさいな。ね?
[そう言葉に出した後に、またも集会所の扉を開く音がすれば自然と視線はそちらへと向けられた]
おやおや……。
ほんに、色々な方がお越しになりますねえ。
おっと。
[戻ってきて、肩へと駆け上がる猫の様子に、きょとり、瞬き。
それから、少女の問う声に、ああ、と短く声を上げ]
ま、半分くらいは、自称だがな。
……そういえば、名乗っていなかったか。
俺は、ライヒアルト=モルゲンシュテルン。
こいつは、ヴィンデという。
[普通の状況であれば、よろしく、とでもつけるところだろうが。
さすがに、ここではそんな気にはなれなかった]
[突然大きな声で呼ばれた名前に振り返るとさきほど見た神学生]
ウェン……
[記憶を掘り下げ昔の面影をかすかに感じ]
ああ、ウェン坊かっ!
ずいぶんと大きく、なんだ立派な姿になっちまってよ。
[すねる様子には]
悪いな、まぁいろいろとあってな。
ゲルダに手紙で村に来いって前々からいわれててな…。
[昔のように抱き上げようと、
ほれ、おいでと手を広げる]
[扉の傍には名を連ねる墓守の姿]
ナターリエさんまで。
ああ、そちらは……
マテウス兄さ――マテウスさんがお帰りになったようですよ。
[ゼルギウスには告げることもないが、他のもの、ナターリエやエーリッヒも、兄、姉と呼んではいた。
年を重ねるにつれて、他人行儀になっていったのだが]
[受け取った紅茶を一口啜り]
ヨハナ婆。
…御伽噺を信じてるの?
[苦い口調。ヨハナの話を聞くのは好きだった。だからこそその御伽噺のことも覚えているのだ]
もっとも、ここに居るのは間の悪かった者ばかりかもしれないですけどね、と。
ゲルダが仕組んだドッキリ?
[小首傾げ]
別の意味で冗談じゃ済まなさそうだ。
まあ、それはさておき。
苦労したんだね…。
[なぞられる傷跡を視線で追いかけて。
翠の色が翳ったのは、僅か俯いたせいで被る前髪に隠れたか]
持ちつ持たれつ。
良い言葉だな。
俺らの場合は必要な部分を補ってる感じか。
[マテウスに返しながらからりと笑う]
[謝罪をしてくるウェンデルには、気にするな、と声をかけて]
会わないと思ってて遭遇したならそうもなるだろうな。
ああ、マテウスとは村の外で何度か。
俺が薬草集める時に良く護衛頼んでるんだ。
ああ、悪いな。ライヒ、までしか正確に覚えてないものでな。
[さほど悪いとは思ってないような口調で、ライヒアルトにそう返す。
エーリッヒから一応紹介はされたが、さほど顔を合わせないのでこの有り様。]
ライヒビルダーだかライヒアルターだったか。
二択で迷ったんだが…。
[合ってない。]
遠くでこちらのやりとりには気付いてなさげな少女の姿を確認。ほっとしたような表情になるが、新たに入ってきた人物を見て、その表情はすぐさま曇る]
うは。ナターリエもか。ますますわからん。容疑の根拠が。
[ゼルギウスが、自衛団を睨みつけた様子を見ると]
これこれ。
これから何が起こるのかもまだ分からないのに、怒ってはいけませんよ。
案外、集めるだけ集めて、注意事項だけで終わるのかも知れないのですからね。
ナターリエまで。
…どうして、こうも。
[年の近いものが呼ばれたのだろうか。
溜息が毀れるのを止められない]
いいんじゃないか?
たまには昔の呼び方に戻ったって。
[ウェンデルが呼びなおすを、小さくからかう。
昔と違い微妙な距離感を感じるのは、自分もまた戻りきれないからだというのは横へ置いて]
[ゼルギウスの抗議には]
いや、さすがに俺もお前がこの村にきてるなんて知らなかったしな。
本当に何か特別にすごいところがある村ってわけでもないしな。
[ナタという名に何か記憶の引き出しをノックされ、
一瞬思考をめぐらせ]
まぁ、そうだな。
この騒ぎもそんな心理的なものも大きいのかねぇ?
すてきなお仕事ね。
[腰を屈めて、猫に視線の高さを合わせると]
よろしく、ヴェンデ。
[人差し指を、握手のように猫の前足に触れさせた。]
って、あれ?
マテウス、ゲルダちゃんと連絡取ってんの?
[同じ村なのだから知り合いでもおかしくは無いとは思ったが]
[村を出たらそのままと思っていたために意外に思ったようだ]
[ヨハナから窘められると]
だけど注意事項だったら村の人全員揃えてした方が良いんじゃないの?
何かきな臭いんだよ、その辺りが。
何で俺らだけこうやって集められてるのか、ってさ。
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