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[まだ寝不足の頭は、睡眠不足の頭痛を生み出して、これ以上何もしていないと保健室に特攻したくなるくらいだ。
ちらりと通知の転がっているベッドを見る。
実験室にも夜間作業用のベッドはあるが、それだと疲れが取れないと思い直した]
……少し冷たいものでも飲むかな。
[と、回転の鈍った頭では、それ以上の策も浮かばないため、通知と同じくベッドの上に丸められていたしわしわの白衣を着るとそのまま寮へと朝食と水分補給を求めてふらふらと歩いていった]
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姐さんとティティさんは年齢の詳細決めるとヤバイからな。
ぼかしぼかしでたのんます。
[ここで言うなよ、ここで]
─中庭─
[寮へ向かう途中、ふ、と足を止める。
視線の先には、『世界樹の仔』。
梢越しの陽射しは穏やかだが、少しだけ息苦しく感じるのは、僅かに受け継ぐ闇の血脈の作用やも知れず]
……だからって、暗い所が嬉しいってんでもないんだが。
[ぽそ、と零れるのはこんな呟き]
─寮・食堂─
[食堂の席についてもっきゅもきゅ]
やっぱアーちゃんの料理は旨いなぁ。
アーちゃんの料理食べたくてついここ来ちまうんだよね。
『…ここは生徒が食べに来る場所のはずなんだけどねぇ』
硬いこと言いっこなし。
俺だってここの生徒だったぞ?
『それは100年前の話でしょ』
[そんなやり取りをしながら食べているのはオムライスだったり。
ケチャップで何か書かれていたようだが、今はもう見る影も無い]
ま、拒否権ないわけだし。
悩んでても仕方ない、か。
……暴走させなきゃいいだけの話なんだし。
[何やら物騒な事を呟きながら、また歩き出す。
向かう先は寮の食堂。寮母に会うにはそこが一番手っ取り早い訳で]
─ →寮・食堂─
……で。
なんでここでこの組み合わせ。
[扉を開けて目に入った姿に、ぽそ、とこんな呟きが零れたり]
[少し前、ケチャップで遊んでいた時のこと]
……うりゃ、『呼び出し』っ!
[その掛声と共にオムライスが微かに光る]
「ぬぉあ!?」
[次の瞬間、ケチャップの上に現れたのは盟約龍である碧の異界龍の姿。
辛うじてケチャップには落ちないように上空で留まった]
よっしゃー、魔法陣成功。
「何さらしとんじゃワレ!」
『食べ物で遊んでんじゃないわよっ!』
[ケチャップで描いていたのはオリジナルで構成した盟約龍呼び出しの魔法陣。
ごんっ、と寮母から鉄拳制裁を食らったのは言うまでも無い]
ん、いおぅ。
[もぐもぐと食べながら左手を上げてライヒアルトに挨拶。
何とも暢気な姿である]
「よー兄ちゃん、景気はどないや?」
[碧の盟約龍もひゅるりら舞いながら声を掛けた]
オムライス旨いぞ。
[だから何]
……どーも。
[何となく毒気を抜かれたような気分になりつつ。
とはいえ、導師をスルーするのはよろしくない。
そんな理由から、一礼をして]
……景気いいように見えるか?
[碧の龍には、ため息まじりにこう返した。
理由は言わずもがな、と言わんばかりに]
―寮に続く廊下―
[生欠伸を噛み締めつつ、のんびりと廊下を歩いていく。ポカポカとした空気に何度欠伸をしてもしたりない脳状態と、寝不足で血走ってしまった三白眼でふらふらと歩いていく。
時々すれ違う学生がビビって避けていくのに心に傷を負いながら、それでも一番の悩みの種である頭痛を取り除くべく寮の食堂へと入る]
―食堂―
んあ?
[入り口から食堂の中を覗くと、ゼルとは正反対の有名人であるライヒアルトの姿を見かけ、彼の視線の先を見ると、マテウスと寮母のアーデルハイドが話しているのが目についた。
が、元々マテウスともライヒアルトとも接点がないゼルは、「ちぃーっす」と軽い挨拶をしながら、アーデルハイドに注文を口にした]
すいません、冷やしたぬきうどんってあります? 後、飲み物はお茶系で冷たいものでもあれば……。
「うどんはあるわね。お茶は……普通にウーロン茶ならあるわよ」
んじゃそれでお願いします。
「うはは、景気悪そうやな。
そういや兄ちゃんも今回試験受けるんやったか。
そないな嫌がらんでもええやんかー。
何事も経験やでー?」
[ライヒアルトの返答に碧の異界龍がけらりと笑った]
そうそう、それにこの試験結構楽しいぞ?
普段の勉強だけじゃ出来ない体験も出来るしな。
[楽しいと思うのはこの導師くらいのものかも知れないが。
仕掛ける側であるが故に尚楽しいと思うのだろう]
[やって来たゼルギウスには、軽く、天鵞絨の瞳を向けてども、と挨拶を返し]
影輝学科の連中は、大抵試験受けてるし。
それで聞いた話から考えれば、明るくなれというのはどうかと。
[影輝学科は、占術に関して以外は尾鰭つきな話が多い。
かも知れない]
……ま、単位一つ落としてるから、そういう意味では救いですけどね。
お、試験参加者もう一人発見。
[よ、と食堂にやって来たゼルギウスに挨拶を返した]
随分と酷い顔になってるな。
噂以上の迫力だ。
[生徒がビビって逃げる表情にそんな感想を漏らしたり]
ま、影輝の連中は基本的に転科で移ってるからな。
お前もその仲間入りしとけ。
[ははは、と笑いながら言葉を紡ぐ。
いつの間にかオムライスを平らげて皿を片付けつつ]
じゃあそう思って参加しとけ。
嫌々ながらでクリア出来るほどなまっちょろくは無いからな。
噂とは言え話を聞いてるなら、そのくらいは理解してるだろう?
[本人が幼い頃より気にしている相貌に導師から感想を洩らされ、がっくりと肩を落とした]
(……せめて感想は本人のいないところでしてほしかったな)
[とは、心で思っても口には出さず]
今、寝不足なんでより酷いんスよ。
[と、言葉をひねり出したが、体は目は口ほどにものを言うを実践しているのか、血走っている毛細血管部分の密度が若干上がったりしている]
[試験参加者もう一人、という言葉に、あちらもか、という感じの視線を向け]
……寝不足は大敵だろ。
[ぽそ、と呟いた。
自分の同級に万年寝不足が多いせいか、結構実感こもってるかも]
そりゃまあ、一応は。
「死なない程度に死にかける」ってのは、聞いてますし。
[どんな評価ですか]
……というか、どんな基準で選抜してるんですか、コレって。
[ゼルギウスへの感想に対してか、皿を片付けに行ったら寮母から一発貰いました]
いでっ。
『アンタもうちょっと考えて物を言いなさいよ』
何のことだよー。
何か変なこと言った?
[流石に接点の薄い生徒に関しての情報は多くなく。
気にしていることについてまで察することが出来なかった。
そこについてしばし寮母からお説教]
うーい、気を付けるさー。
『ホントに分かってるのかしら…』
[気の抜けるような返答に寮母も溜息一つ]
ん、ああ、寝不足かぁ。
睡眠食事はちゃんと取らないと頭も回らんぞー?
「おめーの場合はそこをちゃんとしとっても、どっか抜けとるやんけ」
それは言うな。
[ゼルギウスへ返した後に、碧の異界龍から突っ込みが入る。
それに対しては言われ慣れているのか、けらりと笑いが漏れた]
[ライヒアルトの呟きが耳に聞こえた。――程度なら普通ならばスルーなのだろが、変なところで律儀な性格のゼルとしては、つい返答してしまった]
……普段はしないんだけど……。あんな通知もらったらさ。ほら、「死なない程度に死にかける」って有名な通知だったし。
[本当は受けたくない。とテーブルに伸びたところに、アーデルハイドがうどんとウーロン茶を持ってきてくれた]
あ、ドモです。
あっはっはっ、否定はしないな。
[ライヒアルトが口にした評価に楽しげに笑う]
その時の担当導師によっても難易度の差異は多少あるだろうけどな。
俺が担当する時はどうだったかなー。
…うん、忘れた。
[何かにこやかに言った]
選抜の基準か?
ナ・イ・ショ☆
[ぐっとサムズアップで良い笑顔]
あ、ああ、寮母さん、いいッスよ。その……言われなれてるから。
[ちょっとだけ乾いた笑みを浮かべて、マテウスを注意しているアーデルハイドに止めてもらうように少し促しておいて]
やっぱり滅多なことでしない徹夜勉強なんて体に負担かかるだけなんですかね。
[と、一人ごちた]
まあ、話を聞くだに色々とアレな試験通知だが。
[ゼルギウスの返答に、一つ、ため息をついて]
拒否権なし、と但し書きもある以上、万全を期すしかないだろ。
[そういうところは、割り切っているらしい]
……いや、そこは否定してほしいとこですが。
[笑顔で肯定されて、さすがに引きつった。
更に、にこやかな様子に左肩の上の真白の妖精が、ちょっと不安げに尾を揺らしたかも]
そんな、楽しげに言わんでくださいよ、と。
[サムズアップに頭痛累積中]
万全を期して生きていられるなら、いくらでもってところかな?
[うどんを啜って、冷たいウーロン茶を飲んで、ようやく少しずつ頭が回転し始めた]
はぁ……生き返った。気付いたら朝だったからもう頭痛いし、寝不足だし散々だったけどやっと一心地ついた。
[ついでに言えば、頭が回転し始めたので来る途中で怯えられた事も思い出して、若干凹んでいるが]
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