情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[やがて軋む音を立て、木はゆっくりと倒れました。
空いた隙間から曇り空が覗きます。]
天気が良くねえな。
湿気る前に運んじまおう。
[カーン、カーン。
枝葉を払う斧の音が響きました。**]
[昨夜の話です。]
牧師殿か。
村に泊めてもらうのも、ずいぶんと久しぶりだ。
おことばに甘えて、しばらくのんびりさせてもらうとしよう。
[旅人はメルセデスの丁寧なことばに、小さく頭を下げました。
そうしてお茶を飲み終えた頃、旅人はおやすみなさいを言って、泊まる部屋に向かいました。]
[次の日がやってきました。
森のほうから、木こりが木を切る音が聞こえます。]
天気が悪いな。
雨が降りそうだ。
[目を覚ました旅人は、空の色を見て言いました。]
おや、だれかいるみたいだ。
主人が帰って来たのだろうか。
[旅人が髪を梳いていると、ロビーのほうから声が聞こえます。
髪を銀色の馬のしっぽのようにまとめてから、旅人はロビーに行くことにしました。]
[旅人がロビーを覗き込むと、黒猫が一匹、椅子の上に丸くなっていました。
それと、忙しそうにしているお婆さんが一人。
小さな少女は、まだ宿の中にいるでしょうか。]
失礼。
宿の主人は帰っているだろうか。
昨夜から泊めてもらっている者だが。
[静かな宿を見回しながら、旅人は問い掛けます。]
何か手伝うことはあるかな。
[それから、そんな風に*申し出もしました。*]
―村の外れのお墓―
[サァーと広がる黒い雲は激しい雷と雨を呼び、一気に周囲の気温を下げます。
ツィンカは慌てて雨宿りの出来る近くの岩場に逃げ込みました。]
変な天気。
こんな事あまりなかったのに……。
何かの先触れ?
[頭を少し両方に振りました。]
あれはホラントのいつもの嘘。
人狼なんて、御伽噺よ。
[暫くすると激しい雷と雨は止みました。
でも暗い暗い雲はまだ空を覆ったまま。
ツィンカは急ぎ足で宿に帰ります。]
もう泥だらけになるなんて……。
[宿に帰ると靴と服の裾が泥だらけになっていました。
ツィンカは少し困った様な顔をして湯殿の方に代わりの服を持って向かいました**]
[ゼルマはちょっと不機嫌な顔で夕飯の支度を続けている。
宿の女将は「ちょっとお願いね♪」と言って出かけたまま昨夜から帰っていない…。 ]
お客さんを放ってどこに行ってしまったのかしらね。時たまあることだけども…ねぇ。まだ誰も戻ってないわよね?
[老猫は相槌を打つように にゃぅん、と啼いてロビーを巡回しにいく。
ゼルマも夕食の支度を急ぐことにしたようだ。]
[宿屋に来られた牧師様。
お使い途中だったのに、すっかり忘れていた事を思い出して。]
あらら、わたくしったら……申し訳ございませんっ!
[大慌てで謝ったり、宿屋のお手伝いをしたり。
それから、お勤め先へと帰ったのでした。]
[そして、次の日。
朝のお仕事を済ませた後、キッチンに漂うのはあまい香り。]
きっと、これが食べたいのでしょうから。
腕によりをかけて作らないといけないわね。
[作っているのは、黒い森のさくらんぼトルテ。
得意なお菓子の一つです。]
[やがて、天気は下り坂。
空は、少し不機嫌な様子。]
少し、嫌な天気ですわね。
せっかく、ツィンカが帰ってきているのに。
[小さな声で呟きながら、家の中のお仕事を済ませると。
出来上がったキルシュトルテを持って、宿屋へ向かうのです。]
/*
シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ。
ぐぐる様にお伺いしたら、シュヴァルツヴェルダーの部分が場所によって違うのにくろねこが土鍋の中で転げましたわ。
それにしても、この人数ですと。
弾かれなかった時が大変ですわね。
覚悟した上での事ですけれど。
[洗った服を持って少し首を傾げて。]
早く乾かしたいのだけど……。
[と呟いて少し考えてから、宿のロビーの暖炉に薪をくべて、不器用にながらも火を起こす。
椅子を持って来て服を乾かし、ぼんやりと。]
早く乾かないかしら、
早くいい天気にならないかしら……。
[天気がよくないからでしょうか、今日も通りは静かです。]
女将さん、戻られてますかしら。
ゼルマ様がいらっしゃるから、宿は大丈夫でしょうけれど。
[そんな事を呟きながら、宿の扉を開けるのでした。]
[扉の開く音で後ろを振り向き。]
あっ、今晩は。
[暖炉で服を無造作に乾かしている自分の姿に少し照れながら、首を傾げて言いました。]
〜 宿の一室 〜
ふわあ……
〔奥の部屋を借りて眠っていたアナが目を覚ます。〕
よく寝たぁ、……まっくら?
〔彼方の太陽は泣き疲れて帰ってしまったようで、
代わりの月も今日のお仕事はおやすみみたいだ。
分厚い雲がわがもの顔で、空にでしゃばっている。
そんな窓の外を見たアナは、時計の針が追いかけっこを繰り返した回数を思ったんだろう、大慌てでベッドから起き上がり、ドアをばぁんと開けて駆け出していってしまった。〕
ママに私の姿を見せようとおめかししたら、泥だらけで雨にあって台無しよ。
[と言いながら、いい香りに笑顔を見せて。]
この匂いって、もしかしてサクランボのトルテ!!
ドロテア大好き、作って来てくれたんだ。
[乾かしていた服を置いて、駆け寄って笑顔を見せる。]
〔ロビーに着いたアナは、ぴた、と足を止めた。
上がり気味の息を隠そうと、いったん呼吸を止めてから、にっこり笑う。〕
えっと、こんばんは!
〔そう挨拶した笑顔は高得点ものだったけれど、残念ながら、寝っ転がってしわくちゃになった服や、ほどけかけたリボンは隠せやしない。〕
あらら、それは大変だったわね。
ちゃんと、温まっておいた? 風邪を引いたら、苦いお薬が待ってるわよ?
[少しだけ、意地悪な口調でいいますけれど。
笑顔で駆け寄るツィンカに、くすくすと笑って。]
ええ、きっと食べたいだろうな、って思って。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新