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[何かを期待するような乙女の眼差し]
…何でしょうか。
[何かを言われたかもしれないが、理解が及ばない]
[そして後ろから近付く気配――囲まれた。]
[ぞわり]
[背を駆け抜けた悪寒]
……まだ熱が上がるのだろうか。
[病気に対して失礼な]
[何時までも寝ていても仕方が無いし]
[小腹も空いて]
[身支度を整えてから階下へ]
[其処で何が起きているかなど知る筈も無く]
[二人と一匹の姿を見留めれば]
今日和。
[其処に漂う微妙な空気に]
[僅かに首を傾げつつ]
……ッ
[足許に伏せる犬。小さく上がり掛けた声。
しかし背後からの声を耳に留めれば冷静に]
マイルズ様。御加減は。
[彼女の目が輝いた事なんて知らない]
[犬に対しての反応に]
[くすり]
[笑みが漏れて]
相変わらず犬が苦手なのだな。
[からかうような口調で]
[言った後に問いに答える]
ああ、もう殆ど良い。
まだ少し悪寒が残っている気はするが……
[其れが]
[ソファに座る彼女の所為と]
[知る由も無く]
…そのようなことは。
[逸らされた視線。若干、ばつの悪そうに。
否定しながらもその場から動けない訳だが]
そうですか。それはよかった。
ですが、油断はなさらないように。
[その後の言葉に瞬き一つ]
悪寒。
[ぽつり]
俺もでしたので、冷え込みのせいかもしれません。
[逸らされた視線に]
[笑みは尽きずに漏れ続け]
利口な犬なのだが……そうもいかないか。
[しゃがみ込み]
[ぽふり]
[犬を撫でる]
[当然寝た振りとは知らず]
そうか……
昨夜も確かにかなり冷え込んだ。
私は悪化させぬよう努めなければな。
[苦笑して]
……
[主が犬を撫でるのに、漸く呪縛は解けようか]
ええ。御気をつけ下さい。
他の手の者は、早々来ないとは思いますが。
[零れ落ちる溜息。
一歩、後ろに引いて]
[揺らめく視線。笑顔で此方を眺める女に移る]
……………何か?
[やや訝しげに訊ねるも、返るのは笑みばかり]
他の手の者、か……
[巡るは記憶]
[ふと苦笑は零れ]
……まあ、早々は、な。
[宿を避けていたのも]
[追っ手を避ける為だったのだが]
[問う声が向ける先に]
[つられるようにして視線を向け]
[其処にある笑顔が]
[何処か底知れないような]
[女から視線を逸らす]
……御心配なさらず。
有事の際には、主の盾にも成りましょう。
[好きに使っていいと言われたのを思い出せば、
キッチンに立ってハーブティ――カモミールを。
予めティーポットとカップを温め、丁寧に淹れる。
林檎に似た仄かな甘い香り。淡い黄金色の茶。
添えられたのは傍らに置かれていたクッキー。
トレイに乗せて戻れば、主と女性との許に]
どうぞ。
[これ以上撫でていては起こすだろうかと]
[矢張り寝た振りには気付かぬまま]
[手を離し立ち上がって]
此れでも其れなりの鍛錬はしたのだがな。
[型通りの鍛錬は性に合わず]
[過分に独学が混じって居るのだが]
[台所へ向かうのを見送って]
[ソファの女性の変わらない笑みに]
[少々どころでなく違和感を感じているものの]
[並べられる茶器を受け取って]
ありがとう。
[一口含み]
[ほぅと息を吐いた]
それは存じておりますが、
他の者も修練を積んでおりますゆえに。
[目を伏せて淡々と答える]
主を危険な目に遭わせる訳には参りません。
[告げられた言葉には深く一礼]
いいえ。お気に召したのならば。
[表情は変わらずとも、声には僅か安堵の響き]
……其の道の者が雇われている可能性もあるか。
[微かな呟きはカップの中へ]
[届かぬのならば其の方が良いかと]
私としては……私の我儘でお前を危険に晒す方が気にかかるのだが、な。
[肩を竦め]
[交わす其の言葉に]
[ソファに座る女性が反応するのだが]
[生憎気付けない侭で]
[安堵の色を宿す声に]
[小さく微笑って]
お前が淹れたものなのに、気に入らない筈が無いだろう?
私の好みを熟知している癖に。
…御冗談を。
忠誠を誓った時よりこの命は貴方に捧げているのですから。
主が気に病まれる必要など、何一つとしてありません。
[澱みなく言葉を並べ立てるも。
付け加えられた言に瞬かれる緑。
その様相には些か幼さが残るか]
…………光栄です。
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