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……って、おーい?
[突然走り出した犬の様子にきょとん、としつつ。
それでも、ただならぬものを感じたのか、急ぎ足でその後を追う。
両手に荷物、布の包みは背中にくくり付けで、やや動き難そうなのは多分気のせいじゃない]
……何事だ?
[首を傾げ隣を見るも]
[男は動き難そうながら既に足を速め]
[抱えた荷物を持ち直し]
[自身も其の先を急ぐ]
[僅かな悪寒は何かを予知していたのか]
[其れともただの熱の上昇を予知したものだったか]
[キッチンに入ればいつもの如く棚をあさる。]
[中に小さな瓶を見つけ、覗けば薄紅色のものが塩をまぶされている。]
[あけて、匂いをかいで見ると]
…桜か。
[一つ、ポットに入れ、湯を注ぐ]
[漂うは桜の香り]
[乾いた色だった先日のものとは違い、薄紅の柔らかな花弁がひらり]
ま、何かあったんだとは思うが……。
[動物の勘ってのは、バカにならんし、と呟いて。
その表情は僅か、険しさを帯びるか。
それはしっかりと注視しなければ気づかないような、本当にわずかな変化ではあったけれど]
そう、だな……
[呟きは不安の色を隠せずに]
[自身の追っ手ならば]
[彼らを巻き込むことになるかもしれない]
[矢張り早々に出るべきだったろうかと]
[巡る思考は]
[隣の男の表情の変化を気付かせず]
[不安を帯びた呟きに、表情の険しさは解けたようで。
代わりにのぼるのは、いつもと変わらぬ軽い笑み]
とはいえ、考えすぎても仕方ないってな。
物事なんざ、なるようにしかならねーんだし、その中で最善を掴み取れれば御の字、ってな?
[さらりと言いつつ、前方を見やれば。
集会場の前には見慣れぬ男と、見慣れた犬と]
……あれ、絶対番犬とかむかねータイプだな。
[ぽつり。何気に酷い]
[何時もの軽い口調と表情に]
[ふと自身の表情も緩んで]
……そうだな。
何とかすれば良いだけだ。
[視線を前方へ]
[男の呟きには]
……向かないな。
[あっさり同意]
[桜茶に暫し見入っていたが、やがてそれを…移そうとして]
しまった。
一人一つずつの方が綺麗だ。
[何か色々問題が違う気もするが、自分の分はそれを移すことにして]
[透明なカップをいくつか取り出した。]
[その頃クローディアが出刃亀してるだなんてしったこっちゃない]
そーゆー事。後ろ向いてちゃ、コケるだけだしな。
[ペースを崩す事無くこう返して。
あっさりと返ってきた同意に、ほんとにな、と頷く]
……時間的にはこんばんは、な気もするが……。
なんか用事かい、こんな時間に?
[それから、挨拶して来た男に、問う。
表情も口調もいつもと変わらないが、瞳には僅か、険しい色が宿り]
[柔らかな声]
[笑みと共に投げられる挨拶]
[両の手に荷を抱えた侭]
[少し動き難そうに会釈をし]
[何故か気が抜けぬのは]
[先程の悪寒の所為もあるのかもしれない]
[此方を見上げ首を傾げる犬には]
[僅かな笑みを浮かべて]
……急に走り出して、どうしたんだ?
[拗ねる様には苦笑するのみ]
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