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だーかーらーっ、僕はまったく怪しい人物じゃありませんって!
単に、お会いするのがはずかしくてですね!
村の外からこっそり見てただけじゃないですか…!!
[※それが不審人物だということだと本人は気付いていません]
誰にって?
え、だってこんな小さな村だからすぐわかるでしょう!?
ほら、作曲家のヘルムートさんですよ…!
僕は運命の出会いを果たしたんです! そうあれは一年ぐらい前――
[うっとりと頬を染める少年は、周りを自衛団員に押さえられつつも、過去を思い出して(はた迷惑に)語り始めた]
そう言えば、置きっ放しだったね。
[程なく食器は空になる。
身上書を書いて以降、椅子の横に置いてあった荷物に目を向けたのはそれからのこと]
ん、お帰り…
[荷物を持ち上げたところで、戻って来たオトフリートに何気なく目を向ける。
緩慢な動作に気がついたか、猫以上にじとりとした眼差しをしていたかも知れない]
―集会所/広間→廊下―
[広場の隅で様子を見ていた修道服の男は、人が増え和やかな雰囲気になっても、距離を置いたままじっとその様子を見つめていた。
やがて静かに壁にもたれていた背を起こすと、静かに廊下の方へと去る]
…熱がこもると暑くなっていけないな。
二階が俺達の部屋だとか言ってたよな……ちょっと様子見てみるか?
[商人の言葉を思い出しながら独りごちる。かといって、積極的に足を進めることはなく、結局のろのろと廊下を歩いている]
……すっごく、慌ててたんだよ、
[批判めいた幼なじみの言い様に添えた言葉は、ね?と同意を求めるだけの強さはない。
変わる話題に、少年の表情は少し明るくなる]
うん。
……さいしょは、母さまから貰ったブローチが気になって、…だったけど。
いろいろあるって知って、楽しくなった。
[艶やかに見える石の表面を、布越しに撫でる]
ルディンさん、外の人だから……あんまり話したこと、なかったけど。いいひと、だね。
そう、あれは寒い日のこと……!
学校のシスターに頼まれたお使いを、寒い中、嫌だと思いながらこなしていたときのことです。
寒くて手はかじかむは、まったくシスターは酷いものだと、神様に対しても文句を言っていたんです。
いつも通る店の前で、あの曲を聞くまでは――!
[〜中略〜]
というわけで僕はヘルムートさんについて探偵を雇ったりして調べて、ここに居ると知ったから、学校を休学させてくださいとお願いして来たんです…!
神を恨む言葉も言いましたが、シスターのあのお願いも僕がヘルムートさんの曲に出会えるためのものだったんです…! 恨むなどどうしてできましょうか!
[一歩間違えばストーカーである自覚はない。
話の長さと情熱の間違えた熱さに自衛団員が降参するのが先で、やがてぐったりとした自衛団員が発見されるまで少年はそこですばらしい曲についてを語り続けていたのだった。
もちろん、不審人物としてしっかり召集されることになるのだが、今は少し、*前の話*]
ッ、くしゅん。
[そんな視線も、唐突に襲い来る原因不明のくしゃみにより中断された]
…あー。
とっとと片付けて来るか。
[鼻を擦りつつ、荷物を抱えて廊下に出ていく。
何も声は掛けなかったが、去り際に昔馴染みをもう一度睨んでおくのは忘れなかった]
中
おもろいのが来てるww
そして再び埋まったねぇ。黒猫さん一安心かな?
直前でばたつくと大変だからね。
さて帰ろう帰ろう。今日は少しは早いかな…。
―集会場・玄関前―
[即席仕立ての店と化したそこには、客の姿は一人だけで]
ああ、これからもよろしく。
[その客も帰っていくのを見送り、一区切りがついたところで、
手伝わされていた自衛団員が、不満そうにしていたのに気づき]
ありがとな、これはお礼だ。
[金貨を一枚指で弾いて渡す、放物線を描いたそれは自衛団員の手元に、
他に玄関の見張りをしていた自衛団員とかは、羨ましがっていたかもしれない。
売り上げの確認をしていると、広間から廊下にでてきたライヒアルトに気づいた]
ライヒ散歩か?
[片手には今日の売り上げの入った袋、もう片方の手をひらひらとライヒアルトに振った]
[ユリアンに手招きされた少年の首が傾いだ]
……レーネ、預かってて、くれる?
[布に包み込んだ鉱石を幼なじみに渡してから、立ち上がり、ソファのほうへと寄っていく]
ユリにい、なぁ、に……?
[恐る恐ると問いかけた]
─広間─
[一応、気づかないフリを試みはしたものの。
それが意味がないのはわかりきっていた。
案の定というか、去り際の昔馴染みからはしっかりと睨まれて]
…………。
[返したのは、どこかへにゃりとしたような、困ったような笑み。
後が怖いだろうなあ、と。
過ぎったのは、そんな考えだったかも知れない]
―集会所・広間―
[皆に酌をして回っていたところで、自警団員がゲルダに戻るように告げるのが聞こえた]
ゲルダさんは疑い晴れたのねー。
帰っちゃうのは寂しいけど、良かったわ。
もし余裕あったら、うちの父さんがムリして腰痛悪化させてないか、見ておいてもらえないかしら?
[帰っていくゲルダに笑顔でそう告げた後、戻ってきたハインリヒを含めて皆にまたワインを注いで回る]
ねー、間違いが分かったら尚更疑っちゃうわよ。
ギュンターのおっちゃんももういい歳だしねー。
[ハインリヒの言葉にはころころと笑って、そんな事を言えばまた誰かに窘められるかもしれない]
─広間・暖炉傍─
[責める言葉一つ無いフォルカーの言葉は、イレーネに小さな溜息をつかせる。優しすぎる、そんな評が頭を掠めた。それがフォルカーらしいとも言えるのだけれど]
興味持てるものがあるのは良いことだと思うよ。
切欠が何であれ、それが今自分の好きなことなんだったらさ。
[布越しに石を撫でる様子に縹色を細める。鉱石が好きだと言うことがとても伝わって、自然、イレーネの表情も和らぐ]
ハインさん良い人だよ。
外の話も良くしてくれるし。
見た目で判断しちゃダメだよ。
[何気に、酷い。ユリアンがフォルカーの名を呼び。そのために鉱石が包まれた布を受けとって]
え、あ、うん。
[落とさないように気をつけて掌に包むと、フォルカーはユリアンへと近付いて行く。大丈夫だろうか、と思ってしまうのは、ユリアンの性格を知るせいか]
[くいくいと手招き、素直にこちらへとやってくるのを見ながら、もう少しもう少しと、手が届く範囲まで招きよせて、むぎゅりっとした]
外から戻ってきて暖炉のそばにいたからやはりとは思ったが、ぬくぬくだな。
[半ば垂れるようにフォルカーでほこほこする]
[玄関の前で再びであった商人には片手を挙げて]
ああ、ちょっと涼みにな。
寒いっつっても、あの熱気は流石に堪える。
…あんた、さっき二階から降りてきたよな?
―広間―
[ゲルダが去った後、何となく口数は少なくなり考え事をする様。
ローザにワインのおかわりを貰い、ほぅと息を吐いた]
イレーネちゃんは外に興味津々なお年頃なのね。
[自分にもそんな時期はあっただろうか。
フォルカーとの会話を聞いてつい、笑みが滲んでしまった]
熱いのは苦手か?
[何の気はなしにそんなこと聞いてから]
ああ、二階の部屋使わせてもらってるぜ。
いくつも部屋はあったから、人数分は十分あるんじゃないか?
正確な数まで数えてないけどな。
[女が戸口に立ったのは、ライヒアルトが部屋を出た後だったか。
ちなみに勿論これだけで済ませる気は無いようで、オトフリートにはイイ笑顔を残してその場を後にする]
―廊下―
…で、若造は一体何をしとるのかね。
[数刻の後、女は何処かを見ながら何かを呟いている自衛団員――ダーヴィッドを背後からじーっと見ていた。
勿論容疑者の1人だとは露程も思わないわけで]
人が多い処は、ちょっとな。
暑いっつーか、熱気がっつーか。
駄目だな、こんなことばかり言ってるから疑われちまうのか。
[口元にちらとよぎるのは苦笑]
二階に部屋があるのか。
どーせ泊まりになるんだろうから、せめて寝る場所くらいは自由がほしいもんだと思ってたが。そりゃあ、良かった。
[大して嬉しくもなさそうな口調で言って、階段を見上げた]
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