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─アコルデ家・自室─
[買って来た荷物は一旦机の上に置き。
クローゼットを開くと、仕事着である執事服に着替える]
…全く、少し目を離すとあれだ。
動けば惨事が起きると言うのをいい加減覚えて欲しい。
[酷い言いようであるが、15の時に仕える相手だと紹介されてからこの方、何度主の不器用さ加減に辟易させられたことか。
思い出すと大きな溜息が零れる]
[執事服に着替え終えると買って来た物はそのままに、スケジュール端末へと手を伸ばした。
今日一日休みの予定だったが、変更して勤務に入る旨を入力。
付随して開かれる主の今月のスケジュールや、届いているメールをチェックし、伝えるべきものと不必要なものとに分類する。
それを済ませたなら、自室を出て通常業務へと入る*ことだろう*]
─アコルデ家・マイルズの部屋─
[スケジュールにはそうですかと納得したように頷いた、が、多分当日には忘れて主を暫く探すだろう。
傾く首と、不思議そうな様子には、こちらの方が困ったように。]
ぼっちゃまに分らないなら、私どもにはもっと分りませんよ…。演奏はあんなにお上手なのに。
…だからといって、上手くいくよう試すなり慣らすなりは、割れない食器でなさってくださいませ。
[まるで豆腐に釘を挿すような説教だが、言わずにはいられない。
とはいえ話し込んで主の手を止めてしまっている事に気づくと、盆を片手に持ち直し。]
それでは、私は一旦下がりますね。
後で食器は下げに参りますから…
くれぐれも、
台所に持っていこうとしたり、
ましてや洗っておこうなんて、
思ったりしないで下さいね?
[一言一言はっきりと、それこそ釘打つように言いながら、頭を下げマイルズの部屋を後にした。]
―商店街―
[溜息もお構いなしに近付いて、目の前に屈み込んだ]
おつかれさまです。
[敬礼のポーズ。
だが覚えているわけではなく、勿論相手の諦観に気付いてもいない。
その服装から何となく言ってみただけだ]
─アコルデ家・自室─
割れない食器……ですか。
[なんだか、以前にも言われたような気がする、と思ったが、きっと『気がする』ではないのだろう]
ああ、はい、わかっていますよ。
そんなに繰り返さなくとも、私だってそこまで鶏頭ではありませんから。
……一部は鳥ですけど。
[釘打つような言葉に、また苦笑を浮かべながらこう言って。
エリカが部屋を辞すと、譜面と、カップとを手に取る。
五線譜に向き合ったなら、程なくその表情は伶人のそれへと*引き締まった*]
―区画内・商店街―
[こちらに近づいてくる様子にはじっと見つめたままに、目の前に屈まれると後ろ足で立ち右前足で返礼し]
まずは犬と呼ぶのをやめてもらおうか。
子供相手ならまだしもだけどな。
[目の前に来たこともあってとりあえずはそう忠告し]
たしかノブといったか、レッグと同じ学校に通ってる生徒だったな。
―区画内・住宅街―
……あれ。
違うの?
[そこは覚えているのか、そもそもその辺りの常識がずれていたのか、確率としては後者が高い。
犬だと思っていた彼が立って喋ることに対しての驚きはなかった。
ただ首を傾げてみせ]
あ、そうですはい。先輩です。
[とても先輩とは見えない仕種で何度も頷く。
急に敬語になったのも雰囲気からだ]
中
…ところでアコルデ家で暮らしてるのって3人でいいのかな?
他居る気配がないような気が。
ジョエルさんが買ってきたケーキは3人分でいいよね、ね?
…ぼかすか(
―区画内・商店街―
俺はライカ星人であって、犬ではない。
見た目には確かに似ているかもしれないがな。
[似てるどころか普通の人から見れば、ぱっと見は犬そのものなわけだが。
右前足で頭をかきながら]
まぁ、学校ではレッグのことよろしく頼むぞ。
あいつは俺の弟みたいなものだからな。
[その言葉の意味を曲解されそうな気も言ってから感じたりとか]
―区画内・商店街―
そういや誰かさん、またあの時間には来てなかったなー。
大丈夫なんか。
[道中、店頭に置かれた眼鏡を見たら先輩の顔が連想された。
その当人が先ほど分かれたばかりのラッシュと出会っているだなんてことは、知る由も無い]
うん?
[完全に足が止まったのは楽器屋の前。
見ているのはウィンドウ内に飾られた楽器ではなく、壁に映し出された演奏会のCMだった]
これ、もう来週か。
次の課題も早めにやっつけねーと。
[睫を伏せて暫し伶人の過去の演奏を聴く。
音質は多少落ちていても耳に心地好い音*だった*]
―住宅街―
へー。
[感心したように頷きながら、仕種を見る。
恐らく以前にも似たやり取りがあったのだろうが]
弟……なんだ。
[そして何か曲解している風なのは相手の予想通りか]
はい、おまかせくださいお兄さま。
[大真面目に言って、再び敬礼のポーズをとる]
―区画内・商店街―
[向こうが曲解してるような素振りだったので、その呟きにうなづきながら]
血の繋がりも法的な繋がりもあるわけじゃないがな。
[これで伝わるだろうと、レッグのことは自分にとって弟のように思ってることは事実なわけだが]
ああ、なんか不安は多いが頼んだぞ…。
[再び敬礼を取る様子には再度の返礼はせず、その言葉はやや不安の色が混じっていた]
ああ、それからあまりアヤメに迷惑をかけるなよ?
いや、どちらかというとあの人も迷惑かける側か……
[この二人が隣同士なのも何かの因果なのだろうかと思ったり]
―区画内・公園―
……あー。
[何故、女は公園のベンチに腰掛けているのか。
風情はまるで突如行き場を無くした大黒柱の様だった。
両手で缶珈琲をちんまり持ちながら]
……はぁ。
[此れで何度目になるだろう、というぐらいの溜息。]
……本当、白けるなぁ。
[缶の中を覗き込みながら呟いた。]
/*
落ちる前に中発言。
毎度出遅れ兎猫ですよ。
悩んだけれど、まあ2つ華がいらさるからいいかとこっちで特攻。
ボケ役の人も多いみたいだから、どっちにもなれる弟系で行こうかと思います。ツッコミは兎猫のボケ性質がね…w
ま、そんなこんなで暫くの間どうぞよろしゅうに。
―住宅街―
……え、ないんだ。
[一応意味は通じたらしい。
微妙に残念そうなのは何故か]
はーい。
[その当人に逆に心配されていたことなど知らず、目の前の犬改めライカ星人の懸念すら分かっていない様子で、もう一度返事した]
アヤねーさん?
ねーさんはいい人ですよ。
[後に続いた忠告には頷きながらも、更に後の言葉には首を傾ける。
特に迷惑を掛けられた意識はないらしい]
[つま先で人工的に敷き詰められた砂利を蹴る。
かつ、かつ、と無言で幾度か蹴ると]
あああああ
[唐突に声を上げて顔を空へと向けた]
駄目だわ……
ぜんっぜん、やる気出ない。
[ベンチの横に置かれたのは女の携帯電話。
不機嫌の元となったメールが開かれたままだった。
内容はと云えば
『原稿は来月まで。
急遽組む事になった特集に因り。』との事。]
[普通であれば喜ぶ人も居るだろう。
締め切りが延びたのだから。
しかし、女は違った。]
あの状況下だから、
生きてる、
仕事してる、
私は今、創ってる!!
……って気になるんじゃない。
ほんっっっっとボンクラ共は何も解ってない。
[首を絞められ、崖っぷちまで追い詰められてこそ
快感と共に本領を発揮するタイプ、だった。]
─アコルデ家・台所─
[一部は鳥との言葉には、困ったような笑みを浮かべる事しかせずに。
静かに部屋を出ると、盆を置く為に再び台所へと戻る。珈琲もケーキもまだその場に残っていた。
お湯をもう一度温めていると、機械音をならしながら再び台所へと回ってきた掃除ロボットのアラートが点滅しているのに気づき、かがんで溜まっていたごみを取り出した。]
あ、そうだ。お休みなんだし、ジョエルさんにもケーキ持って…。
……でも着替えるって言ってたような。またお休み切り上げるつもりかしら。
真面目だよなー。今じゃうちの裏主だよねー。
[一方的に語りかける相手は無言。もとより返事は期待していないが。
すっきりした話し相手を、つんとつつくと元気よく廊下へ滑り出した。]
でも最初っからあんな感じだったよなぁ…大きくはなったけど。
[一応先輩ではあるものの、出合った当初向こうは17歳。まだ残っていた可愛げは、今じゃすっかり影を潜めた。
主は逆に昔の面影がずいぶん残っているように思うが、それは自分の性質がそう思わせているのかもしれない。]
[それでも、10年。二人の傍で、二人の成長を見てきた。
――――変わらないのは自分だけ。
そんな言葉は、ふると首をふって消して。]
形状記憶する食器なんてあったかしら…。
[全く別な言葉で*かき消した。*]
―区画内・商店街―
[残念そうな様子には再度のため息。
アヤメの話に対する反応には]
ああ、悪い人じゃないとは思ってるぞ。
少々周りが見えなくなることがよくあるようだが。
[前後の言葉が矛盾していたり、ノブの様子からは混じりけのない純粋な言葉のように見えて]
その性格が時折羨ましく思うよ、なりたいとは思わないがな…。
じゃあ、俺はそろそろ行くからな。
[そういい残してノブと分かれて、しばらく歩き商店街を抜けた]
……御腹空いた。
[そして呟く、突然の台詞。
ぐっ、と珈琲を一気に飲み干して]
御腹空いた!!
[誰も聞いてなんて居ないのに
大きな声で吐き捨てると勢い良く立ち上がり
ヒールの音を鳴らしながら商店街へと向かう]
―― 公園→商店街 ――
―商店街→公園―
[近くの公園に向かう途中、不機嫌そうな様子のアヤメとすれ違い]
ああ、アヤメ、仕事はいいのか?
確か締め切り近くと聞いていたが。
[不機嫌そうな様子には気づいたが、その理由にまでは思い至らず、ずばりその原因を刺激することになることを聞いたり]
―住宅街―
うん、だよねぇ。
[頷いての同意は「悪い人じゃない」点にか、「周りが見えなくなる」点にかは定かではない]
あ、そうですか?
[決して褒められてはいないのに、照れたように頭を掻いた。
それから話し相手が場を立ち去るのを、手を振って見送った]
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