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[ベッティから用事について問われると、そちらに顔を向けて]
うん、そろそろ宿の方の洗濯物伺いに行っても良いかなって。
本当はご飯でも食べに行くついでに聞こうと思ってたんだけど、ちょうど会えたから。
良ければ明日…雨が降ってたら止んだ後受け取りに行くよ。
[そういって笑顔を向けると首をかしげ。]
― 墓地 ―
[修道院の管理下に置かれている為か手入れの行きとどいた場所に、娘は一歩ずつ踏み出して。不安そうな面持ちは静謐さを湛えている墓地を不気味に想うのではなく両親と弟が永久の眠りにつく地に仄かな寂しさを感じる所為で。]
―――中々顔を出さないから、怒ってるかな
[親不孝とも、薄情とも言われてもそれは受け入れるつもりで。墓の前に立つと俯き、柳眉を寄せ娘は感傷に浸った。]
─村の通り─
[空を見遣るクロエ>>342に小さく頷く]
近々降りそうな空模様だ。
さっき、ユリアンともそんな話をしたな。
[チラとユリアンに視線を送るが
すぐにクロエへと向き直り]
クロエの顔が見れれば爺さんも喜ぶさ。
怒られても会いたかったんだって言ってやれ。
[クツ、と咽喉を鳴らし本気とも冗談ともつかぬ言葉を紡ぐ]
……供えた花、飛ばされっかもしれねぇな。
[吹き抜ける風にぽつと零した]
ううん、私の方はいつもしてることだし。
それにカルメンさんからも綺麗にしてねって頼まれたことだから。
あ、でも勝手に洗っちゃってごめんね?
[本当はカルメンから仕事として頼まれたのだが、そもそも御代は受け取る気が無かったのでそれは告げず。
だがミハエルの少し引きつりかけた顔を見れば、綺麗で上等な生地は勿論丁寧に手で洗ったから傷めてはいないが、もしかしたら余計なことをしたかと思い謝った。
続いた言葉には、感嘆の息を洩らし。]
ミハエル君もライ兄に負けないくらい本の虫なんだね。
ああ、ちょうど今頼まなきゃいけないなって思ってたんだ。
[クロエの申し出に笑いかけながら]
さすが、クロっちだな。
以心伝心ってやつだ。
それじゃあ、明日クロっちに頼む分まとめておくな。
うん。そうだね。
カルメンさんの作品は何時も素敵だし。
[次に口を開いたのは、カルメンの話題が出、妻に微笑を向けられた時。
噂をすれば影で、カルメンの姿が見えれば、挨拶を向けた。
その間にべッティが去って行っただろうか。
ゲルダの代わりに老婆が店番に立てば、流石にゼルギウスも長居をしすぎたかと、交わされる会話を背に真剣に傘を選び始める。
2人入れそうなほど大きな傘を2つ――雨傘と日傘を選んだ所でくしゃみを一つ。]
――……こんな時期に風邪?では、ないよね。うん。
[すんっと鼻を鳴らす。
どうやら強くなってきた風が、噂話を運び、鼻を擽ったようだ。
と、妻からの視線を感じれば、にこりと微笑む。]
わっ、佳かったね。
お腹の子どもも絶対喜ぶよ。
カルメンさんありがとう。
嗚呼。銀の粉ならいっぱいあるから。
[カルメンに礼と願いごとに是と答えながら、傘2つの代金を老婆に払おうと。
大きなのを選んだのだねと、声をかけられると]
ええ、妻の身体が濡れたりしないように。
[2人で入るというよりは、それだけを思い選んだことを、恥じらいもなく告げた。]
―回想/了―
─村の通り─
本を読んで知識が増えるのは愉しいな。
ユリアンの御蔭で毎年蔵書が増えるし
今の所言う事なしの環境だ。
[ミハエル>>349に向けてにんまりと笑う。
この青年は本の話をしている時はやたら機嫌が良い]
あー…、画集、か。
あれは説明があるから悪くない。
芸術に疎くても絵の意味を教えて呉れるしな。
ん、貸してくれるのか?
[ことと首を傾げ少年に期待の眼差しを送る]
あぁ、そういうのってロマンティックだね。
一度はそんなのもらってみたいな。
[ベッティとライヒアルトのやり取りには、何の話だろう?と首を傾げたもののベッティの乙女な発言には少し頬を染めながらほんわか笑って頷いた。
ライヒアルトから、祖父も喜ぶといわれればそうかな、と少し苦笑しながらも嬉しそうに笑って頷き。]
そうだね…これ以上強くなるとお花も飛んでっちゃうかも。
私はコレだけだけど、こんなのあっさり飛んでっちゃうだろうなぁ。
[そう言って花よりもこちらのほうが喜ぶだろうと毎日一本だけ供えている煙草を軽く振って見せ。]
気になるなら、お墓の方のお花避難させるの手伝うよ?
―雑貨屋―
もうそんなになるのね。
仲睦まじい両親で、幸せ者ね。
[返事に目を細めて、未だ見ぬ赤子に何処か羨望のような眼差しを送る]
ええ、それくらいはさせていただかないと。
何か希望があれば言ってくださいな。
[夫に視線を向けて、やがて返る妻の返事に、笑んだまま頷いた]
そうね、直接お邪魔しようかと思っていたのだけど。
この後のご予定は?
─村の通り─
怒ってねぇよ。
[からりと笑いながらベッティの軽い謝罪を受けて]
ベッティも女の子だな。
ロマンチックなんてこっちの柄じゃねぇが。
ま、そういう相手が居るなら
ささやかなプレゼントを贈ってみればいいんじゃねぇか。
[乙女な話題を茶化すでもなく――
けれど自分からはさり気なくそらしておいた]
―雑貨屋―
[固まった様には微か気づいたが、それよりも。
技能職、と言う言葉には少し驚いたように青い目は大きく丸くなった。
自身が思いつく技能職、というのは細工師のようなそれを思い描いた為。
アーベルにもそんな事が出来るのかと。ああでも、アーベルの両親は細工師だったから、何かしら業を教えてもらったのかと。
そんな流れで自己完結した。]
そうなんだ、アル、ちゃんとそういう仕事もしてるんだね。
アルは要領がいいから、てっきり賭け事で稼いだりとか、
うっかり危なそうな仕事をしてるんじゃないのか、って思ってたけど…。
[犯罪とかはないだろうけど、とは付け加えつつ。
近い所を笑みながら無自覚に突付きながら、ライヒアルトから言われた言葉にはまた笑った。]
いいなぁ、お手伝い。
うちも金板や銀板、運んでもらおうかな。
[もちろんそんな気はないが。ついそんな軽口をたたいてしまうのも、きっと相手が相手だから。]
[黙したまま娘はその場にしゃがみ込み石碑に刻まれた名前を細い指で辿り、故人を偲ぶ。ふと視線を下に落とせば花が一輪添えられていることに気がついた。]
―――是は…誰かが添えて呉れたのかな
一体誰が…
[萎れていない様子を見、置かれてから然程時間は経っていないようだった。ふと思い当るも確信に近い物は得られず。]
ン―――…もしもそうだとしたら
僕は強請ってしまったのかな
[献花を摘まもうと指を伸ばした途端、一陣の風が花を掬い、空に舞いあげた。馨しい香りに意識を奪われながら攫われた花は青空に溶け云ったように見失ってしまう。]
あ――――…!
あ、そうなんだ?
すごいね、以心伝心だ。やっぱり幼馴染だからかな。
うん、それじゃ明日取りにいくね。
山の上と違ってベッティのところは台車で引っ張っていけるからどれだけ出しても大丈夫だよ?
[お互いに同じことを考えていたと解れば嬉しそうに笑って。
まとめておくといわれれば、お願いね、と頼み、続けた言葉は冗談めかしてみた。]
[ライヒアルトの様子に、すでに謝罪の様子はかけらも残ってない風で]
そうそう、私も女の子だ。
うら若き乙女なのよ。
[アーベルがいればまた突っ込まれかねないことを言いながら]
クロっちも乙女仲間同士はわかるってことだな。
[うんうんと一人で頷いて、何かに納得したりとかして]
ささやかなプレゼントか…、
送る相手ができたら考えないこともないな。
[話題はそらされるままに、そう言ってライヒアルトに笑いかけた]
―雑貨屋―
確かにそうね。
さっきは分からなかったもの。
[あまり似ていない、というアーベルの言葉に、同意を返した]
恋人なのかと思ったわ。
[本気なのか冗談なのか、先程言わなかった言葉を口に出す。
ピアスの煌めきに少し目を細めた]
─村の通り─
貰ってみたい、か。
そんなロマンチックなものじゃなければあるが。
[クツと咽喉を鳴らしながら袋から小さな包みを取り出す。
中身はというと作り過ぎたピスタチオのクッキーだが]
クロエも食うか?
[こうして菓子の包みを差し出すのは年下の者が主。
現にユリアンには差し出しなどしていない]
煙草か、爺さん好きだったもんな。
[手伝うというクロエに緩く首を振るう]
風に攫われたなら、そうだな、
風が向けた相手に届けてくれるんだと思う事にするさ。
[何処か想い詰めながら、悲しげに虚空を仰ぐ。暫し茫然としながら届かないものを感じへなりと俯いた。]
――――…駄目だね、わたし
是でも向きあえてるって想ってたのに
[あえかな、少年のような物言いはやがて彼女本来の口調に変わり。弟を忘れぬための枷の如く演じ続ける娘が居た。]
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