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―西通り付近―
[ナターリエにクレメンスという二人の魔族から離れて歩く。Kirschbaumへ向かう予定は無かったが、足を向けた先が西だった。]
魔族、魔族。精霊。竜族。不思議な街だ。いや少し異常というべきだろうか。そうして均衡が壊れず保たれているというのもまた不思議だ。
[そういった安定を司る影輝の力が強い。
非常に上手く隠されているが、とても強い力が存在する。人間界に於いて、己の姿を隠しながら均衡を取ることに非常に長けた精霊が居る。]
[呟き歩くいまもまた、遠からぬ場所に流水を司るものの存在を感じる。
桜の咲く春は、氷の溶けて水になる季節。]
[頭巾のように張り付く千花を宥めつつ、道を行く]
ほら、もう少し。しっかりして。
「ジッ、ジ〜コ」
[Kirschbaumが見えたと、頭上に言えば。返ってきたのは威嚇音]
あら、ま。
こんばんは。素敵な出会いが、あったのかな?
[片手で千花を抑えつつ、オトフリートとアーベルに手を振る]
おやすみなさいハインリヒ……おじさま?
[周りがニヤニヤしながらそう言っているのに首を傾げる
たしかにハインリヒはいい年したおっさんだが]
まあ、どうでもいいけど
[そう言って、ハーヴェイから出されたジャスミンティーに口を付ける]
ん、僕もそろそろ、寝ようかな。
[最後の一口、ごくり、飲んで]
おやすみなさい。
……
[人ではない人たちに、微笑んで、階段を*のぼる*]
おや。
[ふと、耳に入るのは、さすがに聞き慣れてきた威嚇音。
振り返れば、先ほど広場で別れた姿が]
やあ、先ほどぶり。
[にこり、と笑うのにあわせて白梟がばさり、と羽ばたき]
[ジャスミンティーを飲み終え、楽器を片手に上がろうとしたそのとき。
修道女らしい姿を目にして微かに会釈。
何となく背筋に嫌なものを感じたような気がして、軽く首を捻るも思い過ごしと考え直して*階段を上がっていく*]
マスターは王子様で、ハインリヒさんはおじさまなんだそうです。
[そう呼ばせた原因が自分だということも忘れたのか。
カウンターの向こうで再び溜息がもれたかもしれない]
おやすみなさい。
[階段を上がるティルに微笑み返して手を振った]
そだね。散歩みたいなもの……かな?
深く考えずにただふらふらと。
[星空にゆるりと視線を向けて。]
こんな夜だから。
[呟いてすぐ。耳に入る威嚇音と誰かの声。そちらに視線を移して、小さな笑みを浮かべ。]
やぁ、こんばんわ。貴方もお散歩かな?
おやすみなさい。えっと、ティル
[階上へのぼっていくティルをこちらも微笑んで見送る
むろんこちらも彼が人ならざるものであることを認識した上で]
何も考えずに、ふらふら……ですか。
確かに、そんな気分にさせる空ですね。
[返ってきた言葉に笑んで、自分も一瞬、翠の瞳を空へと向け]
空は悠久不変の如く見えつつ、その実、刻一刻と変化をしていくもの……。
彷徨い歩きを誘うのやも?
[それから、冗談めかした口調で、こんな呟きを]
[白梟の羽ばたきに、千花が対抗して更に唸る。
アマンダは両手で頭上の千花を抑えて、困り顔で微笑む]
うん。先程ぶりだね、オト。
そちらの君は、初めまして?
[両手を挙げてる姿は変かもしれないが、気にせずアーベルに問いかける]
そう、私も千花も散歩。
素敵な出会いと、美味しいものが欲しいから。
ほら、ここが終点。
[笑みに頷き、店を顎で差す。両手は離せないから仕方ない。]
[ついで席を立った金髪の青年から感じられた陽光の気配に僅かに眉を寄せるが]
そちらの金髪の人もおやすみなさい
[彼が階上に消えた後]
えっと、ブリジットさんでしたっけ
なんですかそれは。しかし、ハーヴェイが王子様ですか
それはまた、クスクス
偶然にも彷徨い歩いていた私の心持ちが、知らずうちに空に導かれていたというのか。当て所もなく歩いてはいたが風にも空にも大地にも、美味な食物にも導かれた覚えはない。
[恐らく、アマンダが歩いてきた方とは反対側から
路上で言葉を交わす一団を見付けたのは偶然だろう。]
王子様、ねぇ。
[厨房の奥でエプロンつけて洗い物をしている例のマスターが、その昔…本当に精霊界の王子様だったとかなんて、若い竜は知らないったら知らない。]
[あくまで対抗する千花の様子に、白梟、困ったように首を傾げ]
……そこまで、徹底的に反抗されるとなぁ……。
我が相棒も、困っているようですが?
[困ったような視線を唸る千花に向け。
それから、反対側から感じた気配に瞬き一つ]
……誘われぬ、そう思う者ほど誘われる。
そんなものでは?
こんばんは、ミハエル。
[声をかけつつ、振り返ってにこり、と微笑]
<PL>
ダヴィド=ふらぅさんじゃなかろか。ね。
(あずまさんセットに気分が慣れない。まだ。)
(プッチンプリンが食い終わらない。まだ。)
そんなに変ですか?
[ナターリエ達が笑うのにきょとんと首を傾げる。
王子様どころか……だというのに。彼女にとっては特に。
一度思い込んだらそのまんまらしい]
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