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[ 後5分どころでなく、すっかりと惰眠を貪る青年がそこにいた。
このままでは、今日という貴重な時間が無駄になってしまう。
っていうか、選考自体も危ういかもしれない。
当の本人はそんなことも気にせず、眠りこけている訳だが。
そんな彼の危機を救ったのは、我等がヒーロー――
かんかんかんかんかんかん!
PiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPi!!!
な訳はなく、爽やかな気分もぶち壊しそうな騒音だった。
そもそも本人がヒーロー候補生な訳だし。]
……うわぅ。
[ 緊張感の欠片もない声をあげて、エーリッヒは目を覚ます。
それなりに寝心地のいいベッドから時間をかけて出ると、
冬眠明けの熊よろしく、ようやっと朝の準備をし始めた。]
えーと、……なんだっけ?
なにか、あったような。
[ 思考すること、数秒。いや、たっぷり数十秒。
視線はつ、と壁に張られたカレンダーに。
ぐるり、今日の日付の辺りに丸がつけられている。]
……あぁ。最終選考があるんだった。
[ 間を置いた後に、手をぽんと打つ。
大したことではないというように、暢気に。]
【Sレベルフロア入室時・カード情報】
名前:エーリッヒ=オルブリヒ Erich=Olbrich
年齢:19歳
情報:『J&J』ヒーロー候補生の1人。
何事もそれなりにこなしはするものの、どちらかと言えば頭脳派タイプ。
志望者のはずなのだが、やる気があるのかないのかいまいち不明。
好きなことは寝ること。曰く、朝の5分間は夜の1時間に匹敵するとか。
そんな彼の明日はどっちだ。
小説家 ブリジット がきたらしいよ(7人目……だったかなあ?)。
小説家 ブリジット は イタコ になれるよう、天に祈った。
―廊下―
けふっ、こふっ。
[通り過ぎてゆくメカロボットのけたたましい音に混じり、小さく咳き込むような音が聞こえる。
カメラがちょっぴり視線を外すと、廊下の壁伝いにそろそろとよろよろと歩く人影が一つ。]
ああいけないわブリジット。きょうは、今日はとても大切な日なのよ。
こんな処で倒れていては駄目・・・
[蒼褪めた顔色、白っぽいネグリジェの様な服。片手に抱えたクマの縫ぐるみに、おまけに裸足。さながら病院から抜け出して来た病人の様。]
[壁に手をつきながらよろり。ふらり。
・・・ずるずるずる。]
・・・ああ、もう駄目。
[儚い台詞を吐きながら、廊下に伏せてしまった。
でもきっと心配は御無用。だってあの音もブリジットがこうやって倒れるのも日常茶飯事なのですから。]
―メインルーム―
[ のんびりとした足取りで入室、敬礼。]
エーリッヒ=オルブリヒ候補生、ただいま参りました。
[ その様子はそこそこ様にはなっているのだが。]
[ 寝癖直せよ。]
/中/
独り言が寝言になってるΣ
そんなわけで、ヒロイン狙いと見せかけて(?)マッド博士志望のブリジットです(何
罷り間違って桃聖痕者だけは取りませんように・・・きっと大丈夫だよね、空気読むスクリプトだから。
[ 先にいた人物に挨拶しようとするも、何やら忙しそう。
中央のテーブルに歩んでいくと、その原因はすぐ解った。]
最終書類選考用の、書類。
[ なるほどと頷いて、さらさらと書き始める。
と言えば聞こえはいいが、適当なだけに見えるのは気のせいか。]
傭兵 マテウス がきたらしいよ(8人目……だったかなあ?)。
傭兵 マテウス は ストーカー になれるよう、天に祈った。
ー基地内・廊下ー
[カツンカツンと靴音を響かせながら、メインルームに向かう長身の男。手にした召集の令状をながめつつ]
…ふん、ようやくお呼びがかかったか…。
これ以上待たされたら、コイツが錆び付いちまうところだったぜ…なぁ、相棒。
[と、背中に担いだ大きな荷物に向かって声をかける…荷物からは無論、応答はない。]
ーメインルームー
[シュッ、と無機質な音をたてて扉が開き、男が部屋へ入ろうとした刹那]
(SE)どがっっっ
[男には低すぎたその入り口の上部にしたたか額を打ちつけ(お約束)、思わずその場にしゃがみこむ]
〜〜〜〜〜!!!(涙目)
Q1:新戦隊名の希望
幻夢戦隊ユウゲンジャー
Q2:戦隊での希望色
グリーン。目に優しいから。
Q3:戦隊での希望必殺技
……光合成? ほら、緑だしね、自然っぽく。
[ それは必殺技じゃねえ。]
Q4:貴方が尊敬する先輩戦隊
Q5:貴方が畏怖する悪の組織
究極戦隊コウガマン、そして対する大帝国ナリーを挙げておきましょう。
まぬけ時空は、全くもって恐ろしい。
Q6:司令への自己アピールその他
ええと、朝の騒音をなんとかして頂けると嬉しいなと。
[ それは自己アピールじゃなくて要望だ。]
[無駄に低い(と、男は思っている)その天井をキッと見上げ]
…くっ…なんだってこの基地は!こんなに天井が低いんだッッ!!!
見てろよ!オレ様が新戦隊に選ばれた暁には、真っっっ先にこの天井を高くしてやるからな!覚悟しとけ!!
[ばーか、ターコ、とんま野郎ー、などと天井に向かってひとしきり次元の低い悪態をついた後、我に返ってきょろきょろと周囲を見回し]
…あー。何だ、人がいたのか…ぜんっぜん気づかなかったな。うむ。
[立ち上がってぱんぱんと服をはらい、何もなかったかのよーに]
マテウス=ローラント・ラッツェンベルガーだ。入るぜ。と…
[テーブルに置かれた書類に気づき]
…あぁ?これに書けってか…こーゆーの苦手なんだよな、くそ…
[ぶつぶつと文句を言いつつも一部手に取り、ぞんざいな口調とは裏腹に几帳面に書き込み始める。]
―廊下―
ごきげんようございます、ブリジットさん。
日常茶飯事プログラムを開始します。
[そう呟くと、両手で両脇から抱え上げてリフトアップした。
おんぶでもだっこでも無いのは学習装置が未熟だからだろうか。
変わらずその足取りは、メインルームに向かっている]
うん。さくさくっと提出。
[ なんとなく、満足気。なんでだ。]
あ、おはようございます。
[ 提出し終えるとくるりと振り向いて、のほほん挨拶。]
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