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ええ、よろしく、はしてられないと、思います。
一日一人を処刑、と書いてありましたから。
[テーブルに書いてあった言葉を口にして、聞こえた声にもう一人男性がいたことに気付いてそちらを見た]
……貴方も?
[タチアナと名乗った女の言葉を聞けば、いいところの息子なのかと見当をつけて]
まずは広間に、いってみたら如何でしょうか。
アレクセイさんも、広間にまだいらっしゃいましたし。
私は、部屋を探しに2階へ上がってみます。
それにもう一人いると言うことだったから。
―屋敷/広間―
[書かれた名前の中には、親しい人物も、他の人物のものもあった。
殺すのか、殺されるのか。そもそも誰も死ななければ良い。
ソファに近付き、ナイフを取り。
床に置いたままにしていた袋に入れた。
話し声が聞こえ、戸の方へと目をやる。
入ってくる人に、やあ、と声をかけ]
必要なものは机の上だ。
名前も全部、書いてある。
趣味もだけれど、こんな風に準備がいいのは、今までもこんな騒ぎがあったのかしら。
[タチアナも広間へ行くらしいとその背を見送り、もう一人の男へも少しの会釈を]
ええ……ここに来る人はみんなそうなのね。
でも、人狼だと、判断した理由ってなんなのかしら。
[ベルナルトが広間に向かうのを見てから、2階へと足を向けた。
一つ一つの扉は内側から鍵が掛かるようで、扉は簡単に開いた。
一番端の部屋だけが、扉が開かない]
……誰か、いる?
貴方がここに、最初に訪れた方?
[ノックをしてから声をかけた。
眠っているのか、返事は無く。
けれども、他の部屋が無人だったことを考えれば、ここにもう一人の容疑者がいるのは間違いない]
― 屋敷/広間 ―
ホンットーに……悪趣味だわァ……
[机の上を確認して悪態をつく。
ナイフが用意されているところが嫌らしい。
それでも、用意されたものに手を伸ばす]
まー、どんな基準で選んでるのか、さっぱりわからない名前だわね。
[容疑者の名前リストをまじまじと見やり。
書店の青年が疑われる立場なのは一人暮らしだからだろうかとちらりと彼へと視線を向けた]
[結局返事を貰えないまま、部屋の一つへと身を滑らせた。
鍵の掛かった部屋より二つほど離れた部屋。ベッドとテーブル、サイドボードが置かれていてベッドにシーツは敷かれていた物の少しかび臭く埃が落ちていた。
サイドボードに荷物とナイフを置くと、シーツを簡単に叩いてからベッドに腰掛けた]
……どうしてこんな事に。
[――逃げてきた。遠くへ行こうと思った。もういやだった。
母親は幼い頃になくなった。
父親は賭け事が好きで、当然のように借金を作った。
返済のために働き始めたのは15の時。
体を壊した父親は、完済を待たずに亡くなってしまった。
借金がなくなって少しの貯金が出来たのが、一ヶ月前――]
―屋敷/広間―
ナイフもあるし、人の名前もある。
序に言えば、良くない報せも有る。
[確認する様子を眺めて、緩く息を吐いた]
悪趣味すぎるが、兎に角今日、何も無いことを願うしかない。
殺したくも、殺されたくもなければ。
――そうだな。何がしかあるんだろうが。
俺は聞いていないが、お前は理由を聞いたのか?
[向けられた視線に、何ともなしに答え、問い返す]
涙も出やしないわ……。
[右手にナイフを撮り、その銀を見つめた。
左手は手当てされたまま、もう痛みはそれほどない]
誰か、一人。
さっき、会った人たちを……ううん。
[全員が村人なら、よそ者の自分は、と嫌な未来を想像して、俯く。
怖い、と*思った*]
[ 時は春。
東西北を山に囲まれ、南に湖の広がる村。
柔らかい催花雨の満ちる森で、その旅人は見つかった。
死体を見つけたのは、猟師とも農夫とも森に落とし物を探しに行った子供とも、落ち着きなく騒がれ、最初は正確な情報は掴めずに居た。
人の往来があったとして、たかだか100人程度の村。
自警団を始め、役場の者達もまた現場へ向かうこととなる。]
[ 森の中にあった死体は、傷痕は深く、獣に襲われた外傷だと見てとれた。
唯一、不思議な点があったとするなら、
旅人の目は事切れた時の恐怖を映し込まず、どんな理由があってか、目が閉ざされていた。
獣の仕業、理性的な行動。
相反する事実が、村人達の恐怖の引き金を引いた。]
「人狼だ!」
[と。
それが昨日の話だった。]
― 屋敷/広間 ―
あら、ここに集められて殺しあえって言われてる以外にわるいコトでもあるのかしら?
[アレクセイに首をかしげ。
手持ち無沙汰に口元に手をやった]
さァ……疑わしいのだろう名前以外になんで疑われてるのかわからないのが混じってるのが不思議だわねェ。
……御伽噺にでも縋ってるのかしら。
[理由は聞いていないと首を振り、暗い色の髪が揺れる。
それはどこにでも伝わっているような御伽噺だろう]
人狼だとか言い出したのが誰だかしらないけれど。
いないということがわかって直に開放とかってならないかしらね。
―広間―
やぁ、タチアナに――アレクセイ。
[名を呼ぶだけの挨拶の後、視線は机の方へと。
呟きには暫しの間があったが、顔色は変えなかった。]
……成程、確かに。
乱暴で悪趣味な用意は整っているようだね。
[机の方に近づき、その上の紙を、容疑者の名前の羅列を。
そして置かれたままのナイフを眺める。
ナイフの本数は既に名前の数よりも少なくなっていた。]
――…仕方ない、な。
[低くごちながらも結局、ナイフの一本を手に取り手荷物鞄へと。
その場のふたりの声を聞きながら、ソファに腰を下ろした。]
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