― 大広間 ―
[そのためにとサーシャが言えば>>147
笑みは少しだけ照れたようなはにかむものが滲む。
気さくで優しい人だという印象を受けるその人の言葉に
釣られるようにその手を見詰め、己を軽く握る]
冷たいの、サーシャさんに移してしまいましたよね。
少し心細かったから、手を引いてくれたの、嬉しかった。
[時折言葉遣いが緩むのは心を許し始めた証拠か。
心遣いに感謝しながら、訊ねにこくんと頷いた]
お願いできますか?
――…此方のメイドさん、少し話しかけ難くて。
[雨宿りを了承してくれたのだから親切とは思うけど
あの無表情さが気に掛かり話し掛けるのに勇気がいるのだとも漏らす]