[扉が開く分には離れていたため、直接ぶつかることはなく。
背後で扉が開いた音>>35にヘンリエッタは振り返る]
ヒューバートさん!
[姿を見て、ヘンリエッタの表情がぱぁっと明るくなった。
訪れる頻度は多くは無いが、ヘンリエッタはその男性──ヒューバートにとても懐いていた。
彼の描く絵───目の前の光景をそのまま切り取ったかのようなそれは、ヘンリエッタにしてみれば魔法か何かに思えたのである。
ヘンリエッタは、彼の描く絵がとても好きだった。
以前、自分を描いて欲しいと強請ったこともある]
いらっしゃいませ。
今回はどのくらいお泊りになるの?
[喜色を滲ませた笑みを浮かべ、ヘンリエッタはヒューバートの傍へと駆け寄る。
先程までと変わり、紡ぐ言葉に緊張は無く、淀みも少なかった]