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― 主の書斎 ―
[主人が現在いる場所、として案内されたのは書斎であった。
使用人が軽くノックをして要件を告げれば、中から招く声が届く。
「どうぞ」と開かれだドアから中に入れば、余計なことは聞かぬよう躾けられた使用人はぱたりとドアを閉じる]
初めまして、アーヴァイン様。
私、この度縁あって暫く滞在させていただくことになりました、ユージーン・グレイナーと申します。
書庫の閲覧への快諾と宿泊の提供に感謝いたします。
[そう言って、深く頭を下げると、この舘の主はそうとは思えないほど気さくな態度で頷く。
その後、幾つか経歴やそれまでの旅の様子などを聞かれて、その何れにも興味深げに聞き入る姿に、それまでの金持ちへの印象を変えるほどの驚きを覚え。
そうして暫しの雑談の後で]
……大変不躾とは思いますが、一つお尋ねしてもよろしいでしょうか?
[男は主にそう言って、肯定の意が返れば言葉を続ける]
もう十五年、いえ、もう少し前になるのですが……アーヴァイン様……
アーヴァイン様は、アルカス、と言う町においでになったことはございませんか?
[そう尋ねる男の声は、少し緊張していただろうか。
その問いに主は暫し考えるような仕草を見せ、そうして、はっと気がついたように男を見る。
まじまじと、上から下まで視線を投げ、「君は…」と呟く]
ああ、やはりあなたでしたか!
そうです……私はあの時あの町にいた……あなたに助けていただいた者です。
[予想があっていたという安堵に自然と表情が緩む。
昔、故郷である町でとある事件が起こり、猜疑心から暴徒と化した住人に襲われたところを助けてくれた恩人。
居場所もわからず、故に礼をすることも出来ず今まで過ごしてきた]
ずっと、気にしておりました。
こうして、再会できて嬉しく思います。
本当に、ありがとうございました。
[そう言って、もう一度深く頭を下げた]
[昔を想い出したか、主からも幾つかの問いが寄せられ]
はい、怪我のほうは……左目は流石に無理でしたが他はまったく問題なく。
今は紹介していただいた教会に身を寄せてそのまま。
ええ……巡礼の旅をしているのも、あの時亡くなった姉や他の方々の慰霊と……贖罪の為に。
[最後の言葉を言う時、表情は少し苦い物になっただろうか。
その様子に、主は宥めるような、諭すような言葉を幾つか落とし
それを聞いて男は少しだけ笑う]
お気遣いありがとうございます。
もう暫くしたら旅は終わりにして教会に戻るつもりです。
[故郷には帰らないのか、との問いには]
戻っても、何もありませんから。
[小さく、それだけを返した]
[その後、空気を破るように声色を変えて]
思った以上に長居をしてしまいました。
私のほうはこれで失礼させていただきます。
また、お時間があればその時に。
[そう言って立ち上がって礼をする。
主もそれ以上は引きとめようとせずに送り出して。
部屋を出て無意識に溜息をつけば、ずっと待っていたらしい使用人が目に入った]
ああ、すみません、お待たせしてしまいましたね。
私のほうは、書庫や客間の場所も判りましたし、もう大丈夫です。
こちらは書庫に戻りますので、あなたはどうか、ご自分のお仕事のほうへ。
[そう言われた使用人は頭を下げて立ち去ろうとして、そうしてすぐに戻ってきた]
どうかしましたか?
[問い掛けに返るのは素朴な質問だった]
食事について、ですか?
[教会に籍を置く以上、たとえば禁じられた食材があるのでは?と、
そんな気遣いに緩やかに笑みを浮かべて]
確かに、教会は質素倹約が信条ですし、肉や魚は普段は口にしません。
ですが、こうして宿を求めた場合は別です。
心遣いで出された物は、全て神よりの賜り物として頂く事にしています。
もとより、お断りするのは非礼にも当たりますしね。
ですから、その心配は無用です。
用意していただければ、何でもいただきますよ。
それがたとえ、セロリであっても。
[にっこり、そんな笑みと共に零した言葉に使用人も笑い、
「承知いたしました」と残して立ち去っていく]
― →書庫 ―
[書庫へと戻って、改めて数々の書物に目を向ける。
一つの…件の書架は見ない振りをして]
それにしても、興味を引いた物だけでも読み終えるのに何日かかるやら、ですねぇ。
[そう言いながら、本を手にしてぱらぱらとめくっては返すのを繰り返す。
これから読む本を決めるのには、少し時間が掛かるだろう**]
─ 廊下 ─
[使用人が居そうなところを巡り、ヘンリエッタは階段付近で探していた使用人が2階から降りてくるのを見つけた]
あのね、お菓子、作って欲しいの。
イザードさん、リンゴもらえないの残念そうだったから。
[使用人の傍で精一杯相手を見上げてお菓子のおねだり。
事情を知った使用人は二つ返事で菓子作りを引き受けてくれた。
それを聞いてヘンリエッタは嬉しそうに微笑む]
ありがとう。
お帰りになる前までにお願いね。
[そう使用人にお願いするとヘンリエッタは使用人から離れて。
左右に結った髪を揺らしながら広間へと戻っていった]
― 書庫 ―
[ゆっくりと書架に並ぶそれを眺めつつ、舘の主―アーヴァインの趣の深さに感嘆の表情が浮かぶ]
本当に多彩ですね、ここの本たちは。
小説、歴史書……学術書に、大衆的なフォークロアを集めた物、ですか。
各地の民話や伝承も多いですね……さて、とりあえずどれをお借りしましょう。
[元々本は好きだが、旅暮らしであるが故に荷物を増やすわけに行かず
だからこそ、この機会にと思えど時間は有限で]
これにしましょう。
それに、あまり貴重な…古書など、もし破損でもしたら怖いですし。
[そう言って、ようやく手にしたのはやはり古い伝承を集めた本]
部屋で、読ませていただきますか……ここは流石に冷えます、ね。
[ふる、と体を震わせて、大事そうに本を抱えて書庫を後にする。
その間、書庫を訪れる者があれば、挨拶なり少しの会話なりを交わしただろう]
― 書庫→客間 ―
[与えられた部屋へと戻り、ベッドに腰掛けて本をめくる]
……ほう……やはり、似たような伝承はどこにでもあるのですね。
そうなると、元になる話が変化をしつつ広まったと考えるべきでしょうか……
[ぽつぽつと、一人呟きながら。
いつしかそれも途切れて、本の世界へと引き込まれていくだろう**]
─ 広間前 ─
[ヘンリエッタが広間に戻ると、そこには客人の姿が全く無くなっていた。
各々用を済ませに出てしまったのだろう。
誰も居ないことにヘンリエッタはすこぅししょんぼりした]
…お話、聞きそびれちゃった。
[ぽつ、と呟いて、廊下に身を置いたまま広間の扉をゆっくりと閉める]
あぁでも、しばらく居るみたいだし、またの機会にしよう。
[右手の人差し指を唇に当てて、しばしの思考の後、一つの結論を出したことでしょんぼりしていた表情はいつものものへと戻った。
それからパタパタと廊下を進み、階段へと向かう。
目指すのは自分達家人の部屋のある3階]
― 広間 ―
[かつての家についての噂は多岐に渡る。もっともらしいものから、一笑に付してしまいそうなものまで様々。
真実が何れかは僅かな人間のみが知る]
うむ。
此処で会ったのも縁だ、再興を果たした暁には立ち寄るが良い。丁重にもてなしてやろう。
[もう暫くでユージーンの旅が終わる>>63予定とは知らずに、そんな発言を返す>>48。
それが出来ないなどとは微塵も思っていないらしい、自信に満ち溢れていた]
うむ、こちらこそだ。
[他人に対する態度が大きい代わり、相手の態度が多少軽くとも気にする様は無い。
一応は今の身を弁えている、のかは不明だったが。
兎も角、ヒューバート>>49には一つ頷いて]
10年か。道理で親しげな訳だ。
[何処か納得したような面持ちで、ヘンリエッタの方を一度見遣る。
尤も彼女が懐いた要因が、単純に年数だけというわけではないだろうが]
[やがて広間からぽつぽつと人影は無くなり]
…… ふむ。
少し、館を見せて貰うか。
[用事は既に済ませてしまっているが、此処へ至る道の険しさを知る為か、家人からは急がなくても良いと言われている。
更に用意して貰う事になった菓子>>67の出来上がりを待つ意味もあって、そう結論付けて]
アーヴァイン殿にも挨拶に向かわねばな。
後で往くと伝えて貰えるか。
[その場にいた使用人に言付けてから、広間を後にした。
ヘンリエッタが戻ってくる>>70より少しだけ前の事]
― →外/林檎の木傍 ―
[屋敷の一階を巡り、ついで外へ出た。
玄関を潜る前に見た青年の姿>>1は既に無く]
……。
[林檎の木の下から、垣間見える青い実を観察するように目を細めた**]
― 客間 ―
[少しの間ほんに浸っていた顔をふっと上げる]
そう言えば、他の方々はどうしていらっしゃるでしょう……
[元々、あまり人付き合いは得意な方ではない、けれど、こうして篭っていると、他に余計な気遣いをさせるのではないか、と]
広間にいたほうが、何かと面白いでしょうか。あちらでも本は読めるでしょうし……。
[開いていた本を閉じて立ち上がる。胸元、銀のロザリオが揺れるのを目に留める]
姉さんが見たら、変わらないと呆れるでしょうね。
これでも、子供の頃よりは社交的になったつもりなんですが。
[自分とは正反対の、勝気で活発だった姉。
そんなことを思うのは、昔の話をしたせいかも知れず]
一人でいるとつまらない事ばかり考えてしまいますね。
[ふ、と口元だけ笑みの形に歪めて、本を抱えて部屋を出る]
― →広間 ―
[広間に着いたのは、主の娘である少女が立ち去って少し経った頃か。
広間には客人の姿は無く、それにどことなく安堵したかの表情を浮かべ、空いている椅子に腰掛ける]
皆さん、それぞれ用件があっていらしているようですし、ね。
[ただ立ち寄っただけの自分とは違うから、忙しいのだろうと]
それにしても……
[書庫に向かう前に、ラッセルと交わした言葉>>71を思い出す。
噂でしか知らないけれど、それでもかなり苦境に立っていたと聞いていて。それでも、将来への自信に満ちた様子は、男には少し羨ましく思えた]
私も、あの、ほんの何分の一かでも自信が持てればいいのでしょうけど。
[当人や、他の誰かに聞かれたら笑われそうな事を溜息混じりに零して。そうして苦笑して]
いけませんね、こんな様子では。普通にしませんと。
[ただでさえ、敬遠されがちな容姿なのだから、と]
[お茶の用意について尋ねてきた使用人には丁寧に断りを入れた]
本を読んでいると冷めてしまいますから。
[そう言って、もう一度座りなおして本を開く。
夢中になれば周りは気にはならない、けれど
広間に人が現れたなら、読書はやめて、人との会話を楽しむつもり**]
─ →自室 ─
[すれ違いになっていたなどとは露知らず、ヘンリエッタは階段を昇り自分の部屋へ。
扉を開き中に入ると、真っ直ぐに白いカナリアの下へと向かった]
イェニー、今日はお客さまがたくさん来たのよ。
色んなお話聞けるかも。
[カナリアの居る鳥篭の傍に椅子を置き、それに腰掛けて朗らかに笑う。
話しかけた後、ベッド傍の壁に視線を転ずれば、今より幼いヘンリエッタが描かれた絵があった。
それをまぁるい瞳に映し、ヘンリエッタは感情を表すように床から浮いた足をゆらゆら揺らす]
こんなに良い日なのよ。
だからイェニー……お声、聞かせて?
[鳥篭の中のカナリアを見上げて強請るも、相変わらずカナリアは沈黙したまま。
しばらくの間は自室でカナリアが鳴くのを願い、鳥篭を見上げて*いた*]
― 主の書斎 ―
[時は幾分前後する。
其れは未だ会わぬ儘の書生と隻眼の巡礼者の間を縫う形になろうか]
[広間を辞した後に訪れた書斎。
事前に使用人から連絡は通っていたのか、驚く素振りも無く至極にこやかに来訪を喜ぶ屋敷の主に自然と笑みが浮かんだ]
やあ、久しぶりだね。君も元気そうで何よりだ。
――ふ、確かに珍しい事だね。君の元へ来客が重なるのは。
だからこそ、一先ずの要件は手短に行こうか。
皆と挨拶を交わした訳では無いのだろう?
[左肩に負う鞄のひとつから、板状の――小振りのキャンパスを取り出す。
広がるのは濃淡鮮やかな、蒼]
抜けるように遠い空と深く沈む海。
同じ『蒼』ではあるけれど全く違う色を、ね。
上手く描くことができたから、是非君にと思ったんだ。
[無論、元気であるかも気になったんだけれど。
笑って、手渡す]
[彼へ絵を贈る事は多くは無い。
訪う回数が少ない事もあるが、好みが似ているからこそ供する場合には緊張もするのだ。
何時もこうやって――喜んで受け取ってくれはするのだけれど]
ああ、そうだね。
……本当に君たち親子はよく似ている。
ヘンリエッタも私の話を聞きたがっているんだよ。
[旅先で得た話をと求める言葉に、くすり、思い返して小さく笑う。
一瞬言葉を詰まらせた主に其の隙を突いて、けれど、と置いた]
また、後にしよう。
私はまた暫くお邪魔させて貰うつもりだから、時間はあるだろう?
他の皆とも話したいのではないかな。
[其れでもまた暫し言葉を交わして居たけれど。
やがてはその部屋を辞して**]
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