人狼物語 ─幻夢─

91 白花散る夜の月灯


娼妓 カルメン

―厨房―

[立ち入って僅かに感じるのは紅茶の香り。
汲み置きの水で手を洗ってからパイの包みを開いた。
艶やかなパイの照りと甘く香ばしい香りが食欲を誘う。]

 器用よねぇ。
 お店でも開けば毎日でも買いにいくのに。

[小さく笑って、ぱくっと一口かぶりついた。
人目がある時は取り皿に乗せてナイフとフォークを使いもするが
我が家のようなこの場所では少しだけ気が緩んで
そうした用意をする時間も惜しむように行儀悪く立ったままの姿勢。
パラ、とパイの欠片が口許から零れる。
慌てて空いている手を口に添えて食めば
甘酸っぱいリンゴの味がいっぱいに広がった。]

 〜〜〜っ、おいしー。

[へにゃりと顔が緩む。]

(161) 2014/01/10(Fri) 02:37:39

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