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─ 聖堂 ─
へぇ…。
[ギィと扉の軋むを音を立てて中へ入る。古びてはいるがしっかりとした造りと行き届いた…とは言いがたいのかもしれないが、大事に使われているのだろうと思わせるのは十分な手入れ。
どうやらここは敬虔な信徒によって営まれているらしい。
人の集う修道院にはそれを守る者、そしてその地の性格がよく出るというが、ここには厳しい寒さと戦う温かい人々の香りがある。
少なくともレナーテにはそう感じられた。
そんな風に修道院の造りに目をやっていると、不意に耳にピアノの旋律が耳に届く。
──♪〜♪
修道院といえばオルガンが定番だが同じ鍵盤楽器なのだから大した差はないのかもしれないが。
何にせよ届く音色の美しさに惹かれるように音の元へと向かう。]
―談話室―
[ままならない、と言われて>>247こちらも苦笑う。
問われない代わりに、問いもしない。
初めの年に自己紹介と司書になった旨だけ聞いたのだったろうか。
同じように名と湯治という目的は伝えた覚えがあるけれど、詳しく話した覚えもなかった]
鳥は、さ。自分の子供であっても、人の匂いがついた雛を世話しなくなるのも居るって言うよ。
渡りなら群れを成すだろうけど、受け入れられるかどうか。
万一の場合は一緒に暮らすしかないんじゃない?
[野に帰れない可能性を悔やむような様子に追い打ちを。
開き直ってしまえばいい、と暗に告げて]
[首を傾いだライヒアルトのお陰で小鳥は随分見易くなった。
見上げてくるまあるい瞳を受けた藍鉄色は、笑みのように細く。
滅多にない、間近に見られる鳥の姿を楽しんでいる]
[更に作業を続けるが、聖堂から響くメロディは外まで届かず。
徐々にはらり舞うはずの白が風に乗り強く叩き付けるようになってくる]
………拙いな。
[森であればこうなる前に家へと引き返す。
自分1人ならば迷わずそうするのだが、今回は状況が違った]
ここまでにしておくか。
[作業の手を止めて向かうのは聖堂の方。
雲に隠れてしまっているが、太陽は既に地平線へ隠れようとする時刻だった]
―厨房―
[少しだけ落ちたように聞こえる彼女の声>>244のトーン。
男性に対しての対応の差異は感じていたから
失言したと思い、はっとする。
何か言葉を探す間に、首を振るのがみえた。]
ええ、ストール置いてきたのを水汲みしながら後悔しちゃった。
[あたたかそうな格好のミリィ>>245に
茶目っ気を覗かせるような明るい口調でこたえる。
本に関しての応えには相槌を打ち]
今度のは、お気に入りなのね。
心に響くものは、何度でも触れたくなるもの、ね。
[そっと己の胸に手を宛がい、目を伏せる。
ときめきを感じた御伽噺や音がふと過ぎり柔い笑みが浮かんだ。]
[苦笑うミリィに楽器について訊ねられると
きょとと瞬きを繰り返し]
楽器は手習い程度、かしら。
……シスターに教えてもらって、ちょっぴり、ね。
楽譜は歌う為に読むようになった感じなの。
[カルメンの歌の師はこの聖堂の老尼僧。
音楽家に教わったわけではなく、子供の頃は聖歌ばかり歌っていた。
図書室で楽譜をみつけては老尼僧にピアノを弾いてもらい
その旋律にあわせて習い、覚えて、今に至る。
そんな老尼僧に不世出と謳われた聖歌の紡ぎ手の話>>234を聞いた事があったが、間近でライヒアルトの歌を聴く機会には恵まれず、未だそれが彼に繋がるには至らない。]
─ 聖堂 ─
〜♪〜♪
[聞こえてくるピアノの音に鼻歌を交えて見慣れぬ修道院の中を歩く。
これは讃美歌だったろうか。あまり熱心とは言えなかったレナーテは歌の言葉までは覚えてはいなかったが曲にはどこか馴染みのあるような覚えがある。
そういえば、遠くない昔に高名な演奏家の警備をしたことがあった。
あのときに聞いたピアノは音楽を知らぬ者にとっても心を打つ調べだったし、そして今この旋律もそれに負けぬ音のように感じる。]
〜♪〜♪〜♪
[よく耳を澄ませればピアノに歌を乗せている者がいることに気づく。
立ち止まり鼻歌を止め耳に意識を集める。ピアノとは別の場所から聞こえる声を探るように。
その声はまるで天よりの聖人の言葉のように威厳に満ち、それでいて父母の優しさに包まれるような慈愛に溢れた温さ。
決してピアノの素晴らしさにひけを取らない素晴らしい歌声だった。]
……意外な収穫だ。
[ふっと緩んだ笑みを浮かべると再び旋律の主のもとへと足を運ぶ]
─ 談話室 ─
[元より語れる事は少ない身、人に話すのは名とここに住まうようになった経緯程度。
だからというわけでもないが、こちらも、名と訪れた理由くらいしか聞く事もなく。
読書のために訪れた来訪者の時間を必要以上に削るのは不本意であるため、言葉を重ねる事は稀だった]
……まあ、それは。
わかっているからこその心配、ですが。
いずれにせよ、救った身としては、放り出す事はできませんけれど。
[かけられる追い討ち>>252に、困ったように眉が下がる。
その原因?はといえば、暢気な様子でピリリ、と鳴いて。
危機感などはまるでない様子で、羽繕いを始めていた]
─ 聖堂 ─
…それにしても、あの人も相変わらずねぇ。
[ピアノの調律をしながら、つい先程会話した相手のぶっきらぼうな物言いを思い返して苦笑を零す。
11年前帰ってきた時、同い年の幼馴染は老尼僧と同じように変わらぬ態度で出迎えてくれた。
一方こちらは既に結婚して子供も生まれていた彼女に対して、昔よりも線を引いて接するようになって。
どうしてと問う彼女に、もうお互い大人だものと笑ってはぐらかせたけれど]
アタシみたいなのが傍にいたら面白くないでしょうし。
子供の教育にもよくないものね。
[彼が内心どう思っているかはっきりとは解らないけれど、きっと自分に対して良く思ってはいないだろうとは察せるから。
自分の存在が彼女、彼らの邪魔にならぬよう、こちらから接することを控えるようになった。
表向きの理由としては子供の情操教育に宜しくないからと家に出向く事はしなくなり。
今は時折珍しい菓子や綺麗な毛糸を贈りつける程度の付き合いだ]
─ 聖堂 ─
そういえば、上の子って今いくつだったかしら。
…アタシももう若くないわよねぇ。
[いつまでこの格好押し通せるかしら、と若干遠い目しながら作業を終えて。
今でも自分を兄と呼ぶ4つ下の青年にとっても懐かしいだろう挨拶代わりの旋律をつむぐ為、ピアノの前に座って鍵盤をたたき始めた。
幼い頃、ほとんど独り占めしていたこのピアノは大人になった今でも一番指に馴染む。
調律の狂いも無く、寒さにかじかむ事も忘れて没頭していたせいか、すぐ傍に観衆がいる事には気付かないまま最後まで弾き終えて]
え?
あらやだ、何時からいたの?
[>>242聴こえた拍手の音に、ようやくエルザがいる事に気がついて。
素の表情を見られた気恥ずかしさに、少し不機嫌な表情を作って問いかけた]
村の設定が変更されました。
/*
村建て側からダミー動かすのは、状況はさくさく進むんだけど。
待ちの体制で時間止まっちゃうのが、ねぇ。
まあ、おまかせはおまかせで、お見合い発声するんだがそこはくうきのよみあいで。
─ 地下 ─
[スコップに付いた雪を丁寧に削ぎ落とし、元あった場所──物置へと戻しに行く。
雑多に物が置かれたその部屋の、持ち出した場所へとスコップを置いて物置を出た。
地下には物置の他に貯蔵庫があり、そこには一冬越すには十分な量の食料が置かれている。
酒に至っては年代物のものがあり、それを知る者が酒を目当てにここを訪れることも少なくないらしい。
酒は嗜む程度、深酒することも無いマテウスにとってはそこまで興味が惹かれるものでは無かったが]
[普段あまり入らぬ場所であるために物珍しげに見るのみにして、旋律の止んだ地上へと戻って行った]
─ 聖堂 ─
[旋律が止むのに少し遅れてピアノを視界に収め、若干遅まきながらも拍手を送る。]
見事な演奏ですね。
心によく響く。
[そう、ピアノの裏にいるであろう奏者へと声をかける]
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