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─ 大学 ─
[辛うじて講義には間に合い、テストは受けることが出来た。が]
………終わった………
[出来に関しては、机に突っ伏してしまっている辺りでお察し。
口から魂が出ていそうな雰囲気である]
再試確定だよね……うぅ…
[めそめそしつつ、取り出すのはスマホ。
こう言う時は気分転換が一番、と人狼サーバーへと繋いだ]
……あれ、今朝入った村、まだ真っ白だ。
エラーでも起きてるのかなぁ。
[珠樹は身体を起こし、不思議そうに首を傾げる。
あれこれ操作してみるが、トップページに異常はなく、その村だけが見れない状態になっていた]
おっかしーなー。
……って、このサーバー、ガチ推理村専用じゃん!!
うわー! またやったー!!
[スマホを机へと落として、珠樹は両手で両側頭部を押さえる。
珠樹はRP村メインで参加するプレイヤー。
ガチ村は昔から鬼門だった]
村がエラーになってるのは良かったのか何なのか…。
……村がこんな状態なんだから、別の村行っても良い、よね?
[どうせこの状態では参加出来ない、と考え直し、別の村を探すことを考える。
ただ、それをやって良いのか少し不安になったため、SNSを開いて日記を書いておくことにした]
《タイトル:やったった
聞いておくれよ、おみっちゃん(誰
今朝、村を探してたんだけどね。
遅刻間際だったから、時間が惜しくて目に付いた村に飛び込んだんだ。
そしたらそこ、ガチ村専用サーバーだったんだ!
うわぁん、またやっちゃったよぉ〜TT
ガチ無理ぃ〜、出来ない〜(泣
…んでもさ、その村、入ったら真っ白になっちゃってさー。
何度やっても入れないんだよね。
サーバー自体は動いてるっぽいんだけど…なんかのエラーかなぁ。
この状態じゃ参加するにも出来ないし、別の村行っても…良いよね?
意見求む!!》
[日記を書いて、投稿。
反映されたのを確認すると、珠樹はスマホの画面を消した]
レスあると良いなー。
[誰かから肯定の意見があれば、他の村にも行きやすい。
反応がなければ……後で悩むことにする]
よっし、バイトバイト。
[講義はテストだけだったため、その後にはバイトを入れてある。
昼から夕方にかけてのコンビニバイト。
スマホを鞄へと仕舞い、席を立つ]
『珠樹ー、今日時間あるー?』
[講義室を出たところでかかる声。
仲良くしている友人だ]
夕方までバイトー。
何かあるの?
『先輩がホストクラブ連れてってくれるって言ってんだけど……』
行かない。
[ホストクラブと聞いて、珠樹は顔を強張らせた]
『まだ引き摺ってんの?』
あそこはあたしが行く場所じゃないって…。
場違いすぎる。
『慣れだよ、慣れ』
駄目、無理、慣れない。
[顔を強張らせたまま、ふるふると首を横に振る]
[数ヶ月前に同じように誘われてホストクラブに行ったことがあった。
煌びやかなネオン、室内も全てキラキラと輝いていて、それだけでも目が眩むようだったのに、居並ぶ美青年達に更に面食らって。
一緒に行った人や他の客も何だか輝いているように見えて、物凄く場違いに感じた。
それがガチ村に入った時の感覚に凄く似ていて。
「…かっ、帰るっ。あたし耐えられないっ!」
「ガチ村に居るみたいで嫌なのぉぉぉぉ!!」
なんて叫んでタクシーに飛び込んで帰ったのだった。
残された人やホストの人達はきっと変な人だと思ったことだろう]
とにかく無理だから。
それにちょっと用事あるし。
『そか、それじゃあしゃーない。また今度誘うよ』
はは……それじゃね。
[誘ってくれるのは嬉しいが、あまり乗り気ではないため苦笑いが浮かぶ。
珠樹は友人にまたね、と手を振り、今度こそバイトへと向かった**]
─ フラワーショップ『クラロ・デ・ルーナ』 ─
[駅前通りから一本奥に入った場所にある小さなフラワーショップ。
そこが、三年前からの変わらぬ勤め先]
……へー、彼女さんの誕生日?
それなら、思い切って、バラ12本のブーケとかいかが?
[冗談めかした口調で言いつつ、色とりどりの蕾の方を振り返る]
いや、ちゃんと由来はあるんだぜー?
ダズンフラワーって言って……え、説明いらない?
ノリ悪いなあ。
[お勧めを断られ、ちょっと拗ねた口調になりながらも、要望に即した花束を作っていく。
こんな感じで、やり取りしながらブーケやアレンジメントを作る店員の評判はそれなりに高いもの]
……はい、ありがとうございました。
ま、気負わずがんばれー?
[最後の最後に茶化すような口調で客を送り出し。
作業台周りの片づけをしたところで、休憩してらっしゃい、との声がかかる]
はーい、んじゃ、ちょっと奥入ります。
忙しくなったら、呼んでくださいよー?
[奥から出て来た店長に軽く返して、休憩スペースへ。
淹れてもらっていたコーヒーのマグを片手にタブレットを起動。
最初に確認するのは、LiGなのだが]
……んー、やっぱ動いてねー、か。
[見える画面はやっぱり真っ白なままで。
溜息一つ吐いた後、そちらは閉じてSNSを開いた]
《1:あくぃら@aquila
ども、通りすがりの鷲さんです。
もしかしたらお久しぶりな気がしなくもないですがw
入れない、っていうのはもしかしたら俺と症状同じなのかも、と思いつつ、そちらも情報求む、なのかしら。
俺も情報探してるとこなんで足跡残しつつ、なんかわかったらお知らせしまーす》
よいせ、っと。
……こんで、なんかわかったら情報交換もできるっしょ。
[参加している事を知らせる事になるかも知れないが、このまま動けないのも色々と困る。
ざっと見て来た他の村は、変則編成やカオス編成ばかりで、ちょっと辛いものがあったから、できればトラブル解決してほしかった]
しっかし、なんなんだろなあ、ホントに。
せっかく復帰できたってのに、幸先悪ぃ。
[ぼやくように呟いた後、マグのコーヒーを一口啜る。*]
/*
ブワッなぐさめありがとうございます
さてどうしよう 今日はとりあえず寝ます
明日の朝数撃したい
フル面なりますように〜〜〜
/*
色々悩んでたらこの時間。
サーバー自体は動いてるって書いちゃったのは拙ったかな、と思ってもぎょもぎょしてた。
[前回もそうやって描写しちゃったんだけども]
村を見ることが出来なくなる、だったからなー。
そう思い込んでた。
─ バイト先のコンビニ ─
いらっしゃいませー、お弁当温めますかー?
[営業スマイルでレジ対応。
大学に入ってからずっとやってきたバイトであるため、新入りを指導出来るくらいにはバイトに慣れていた]
えっちゃん品出ししてきて。
レジはしばらくあたし一人で大丈夫だから。
[後輩に指示を出して、しばらくはレジ待機。
とは言え、レジの中に居てもやることは多い。
レジ周りにあるフードを出したり、フライを見に行ったり。
そんな作業の間に頭に浮かぶのは人狼ゲームのこと]
(今度どんなRP村建てよっかなー。
人外も捨てがたいし、言い換えなしも良いなー)
[RP村は参加するだけでなく企画も時折する。
接客して居ない時に限り、仕事場はアイデアの宝庫だ]
(ドタバタコメディも良いしー、恋愛村もやりたいなー。
それから……)
『お願いしまーす』
あ、はーい!
[思考の海から現実に引き戻され、珠樹はレジへと向かう。
そんな風に仕事を繰り返して、夕方、ようやくバイトが終わった]
やっと終わったー。
そんじゃお先しまーす。
[夜勤の人達に挨拶をしてコンビニを出る。
従業員用の駐輪場まで来ると、自転車に乗る前にスマホを取り出す]
あ、レス来てる。
なになに……。
「一時的なエラーかもしれないから、原因判明するまで待機するが良いよ。
村はお預けじゃ、ひっひっひっ」
そんなご無体な!!
[よく同村する人から無情な一言が書かれていた。
がくり、と珠樹の頭が垂れ下がる]
《2:じゅじゅ@juju
ちょっくらお邪魔ー。
同じ状況ってことで栞挟ませてくださーい。
お昼前はトップページも見れた気がするけど、今はサーバー自体落ちてるんですかね?
見れたのってキャッシュのせいかな。
どの道、村見れないってことですよねぇ…。
メンテ情報とか出てないか、探してみますー》
《**:じゅじゅ@juju
あくぃらさんご無沙汰!!
もう戻って来ないかと思ったよ!!
またRP村企画するんで、良かったら参加してねー》
[賑わったのから外れたタイミングで書き込んで、反映されたのを確認してからまたホームへ。
そこでブラウザを閉じてスマホの画面を消した]
思わぬ収穫じゃった。
[世の中悪いことだけじゃないなー、なんて思いながら自転車に跨る。
家に戻ったらもう一回確かめてみよう、なんて思いながら、アパートへの帰路に着いた**]
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