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[そんなやり取りの後、やって来た自衛団長は、最初は明日に、という言葉に難色を示していたものの。
場にいる面々の同意や、後れてやって来た老婦人の言葉添えなどもあり、結局話は明日、という形に纏まって]
……まだ、誰か?
[ヘルガの声>>15に見やった先に人影を認め、確かめるような言葉を自衛団長に向ける。
返る肯定にやれやれ、と肩を竦め]
……やれ、仕方ない。
女性や怪我人、御老体に無理をさせるわけにもいきませんし……動ける者で、行くとしましょうか。
[言いつつ、視線が向くのは神父の方なわけだが。
いずれにせよ、庭で転んだ青年は無事?に、屋敷の中へと回収される事となる。**]
[拒む言葉とは裏腹に、鋭敏になった嗅覚に届く血の匂いの甘さに、足は誘われて]
.........あなたも、なの?
[聲を聞くのは初めてだった。自分と同じ存在らしき相手に会うのも]
僕...は......
[食べなければもたない、と、その言葉に、改めて飢えを自覚する。目の前にあるのは、甘い誘い。
ああ、あれは、とても甘くて美味しい...この飢えを満たす唯一のものだ、と]
[ふるり、と身を震わせると、少年の身に変化が起こる、真珠色の歯は、鋭い牙の形に、桜色の爪は、固い鉤爪に、柔らかい白い肌は、目の前の獣よりも僅かに薄い金色の毛に覆われて。
完全な狼の姿ではなく、姿形は直立したヒトのままであるのは、或いは少年の拒む心の顕われだろうか。
けれどその姿は、皮肉な事に、より化け物じみた姿でもある]
[ピチャ...]
[歩くと床に流れた血が足裏を濡らした。]
ごめんなさい......
[爪をまだ暖かい老婦人の身体に突き立て、その肉を食み、血を啜る...一番甘いのは心臓...そして柔らかい内臓も分けてもらい、飢えを満たし]
ごめんなさい...
[喰らいながら、毛並みと同じ、薄い金色に変化した瞳から、ぽろぽろと涙を零す、それは目の前の老婦人ではなく、どこか遠くへ向けられた謝罪のように聞こえたろう]
[やがて、内臓を抜き取られたかのような老婦人の遺骸を、金色の狼が引き摺って外へと向かう。
少年は、立ち尽くしたまま、それを見送った。
半分人の姿のままの自分がついていけば、足跡が残る...そんな計算が心の奥で為されていることを自覚して血塗れた口元を歪める]
神よ 憐れみたまえ...
[祈りは掠れて、細く長く響く狼の遠吠えに変わった]
[飢えが満たされれば身体はヒトのそれに戻る。その頃にはもう1人も、屋敷の中に戻っていたろうか。
少年は、涙を夜着の袖で拭い、足を濡らした血も拭って、跡を残さぬように気をつけながら管理人室を出た。
後は顔と手を洗い、血のついた夜着を始末してしまえば、何も証拠は残らないだろう]
[一度、寝室として宛てがわれた部屋に戻り、夜着は小さく切り裂いて別のシャツに包んでから鞄の中に仕舞い込んだ。
機会を見つけて、どこかに埋めるか燃やすかするつもりだった。]
......ふう......
[鞄に仕舞って閉じてしまうと、血の匂いが遠ざかり、息を吐く。]
いや、だったのに......
[ぽろりと、また涙が零れ落ちたが、口に残る甘さは、抗い難く痺れるような心地よさを身体全体にまで染み渡らせていた**]
/*
いやいやまんな相方でごめんねー、とエリりんに中身が謝りつつ。
ここは、ちょっと性格に差異を付けとく方が美味しいと思ったのと、まあ割と最初から「システムに抗う狼」をやろうかなと思ってたのであった。
でも口で嫌がるだけで、結局喰うんですけどね。
/*
ちなみに縁故の広がり的に、とっとと先に死にたいのだが(エリりんが生き残る方が絶対美味しい的意味で)明日PL視点COとかしちゃってもいいですか?(ここで聞くな)
[仲間は同じ存在に会ったことが無いらしい。
これまでを普通に過ごしてきたなら、当然のことだろう。
エルナ自身、この19年の間は会っても分からない日々を過ごしていた。
管理人室に現れたのは、同じ髪色をした少年。
幼くして村を出たと言うその子が同胞であるとは、親近感を抱かずにはいられなかった]
[謝罪を繰り返しながら喰らう人の姿をした獣。
何やら抱えているものがあるらしい。
それが気になりもしたが、あまり時間をかけられないため、食餌を終えると片付けを優先した。
玄関へと出た辺りでか細い遠吠えが聞こえる。
祈りに似たそれは誰へと向けたものか]
[エルナは少年に対し獣の姿しか見せなかった。
語りかける聲は女性のもの、姿は獣。
エーリッヒである要素は極力排除しようとした。
それは生きるための一つの手段]
人を食べるのは初めて?
[少年が部屋へと戻った後、大浴場へと足を進めながら彼へ問いかける。
温泉を利用したその場所は、沸かす必要も無いため直ぐに利用が可能だ]
私はエルナ。
あなたは?
[最初の問いに聲が返る返らないに関わらず言葉を続け、エルナは大浴場へと入った。
新しい服を置き、濡れたままの服を脱いで、現れた包帯も外す。
夏とは言え濡れたままでは身体に悪い。
嵐の雨であれば尚更だ。
冷えた身体に温泉の温度は心地良かった]
明日、きっと騒ぎになるから、覚悟しといてね。
[何でもないことのように言うエルナを少年はどう思うのだろう。
何か問いがあれば答えるが、身体を温めた後は部屋に戻りまどろみへと落ちることになる**]
[酒場の女主人がやって来て見回した時には、無言で会釈を返した。
最初の頃は昼に利用させてもらっていたし、知人が嫁ぎ先に帰る直前に一度だけ夜にもお邪魔したことがある。
二人でも会話らしい会話もなく黙々と飲んで帰る姿は、不思議な光景だったかもしれない]
…うぇ。
[聞くとはなしに周囲の会話を聞きながら、話というのが始まるのを待っていたが。流れに釣られ窓の外を見て、盛大に顔をしかめる]
小説家 ブリジットが「時間を進める」を選択しました。
─ 広間 ─
雨どころかもっと荒れそうだね。
[外で転んだ青年を救出に向かう者と、広間に残り受け入れの準備をする者。
そのどちらでもないエーリッヒは天候の様子を確認していた。
ブリジットの言葉>>28を受けてのものだったが、当の彼女は何かから逃げるように広間を出て行く]
どうかしたのかな。
[事情を知らぬエーリッヒは首を傾げた後、回収された青年に、災難だったねぇ、なんてことを言ったり、挨拶したり。
何か聞かれそうなものなら、あたり障りない回答をしてその場を収めた。
その後は適当に寛いで、手を借りて後片付け等をしてから2階の部屋へと戻って行く**]
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