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[傍近く寄れば、童の呼気がようやく落ち着きつつあるとわかる。
これほどの白の中、際立つの朱についぞ気が付かずいたは、童が駆けて来たゆえかと思う。]
…いかがした。
怖き夢でも…否、誰そ探しておったのか。
[館には慕うものは誰なりとおろうと、半ばにて問いを変えて。
覗き込むように見やれば、青鈍にけぶる髪が頬を零れよう。]
ああ、やはり。
[名を肯定する姿に頷いて。
重ねられた小さな手の暖かさに、ふると睫毛を震わせた。]
〔風に舞ひて花弁の一が清流に落ち、
ゆうらりゆらり揺れるは白亜の遊覧船。
さりとて真なれば大海にも出ようが、
此は天狗の住まいし隠れ里がゆえ、
めぐりめぐれば元に戻りて同じ場所。
けれども川に流るる水ばかりに非ず、
天をゆく雲も地を歩む人もまた同じ。
他に往こうと試みれど、
あな面妖なり天狗の術か、
此岸は彼岸、彼岸は此岸、
ゆくもかへるも叶ふまじ。〕
[問われた言葉]
[こわきゆめ]
[触発されたか思い出すも、繋いだ手の温もりに]
[ただ力は少しこもるか]
違うん……
おまもり、探しとったん
怖い夢、見んようになるんよ
[だけれど心配させぬようにか]
[笑顔になって]
ねえさまは?
ねえさまのお名前、教えてくださらんか?
いきはよいよい かえりはこわい
こわいながらも とおりゃんせ
とおりゃんせ――……
[玲瓏たる声が紡ぐは幼げなわらべうた]
はてなさてな、
場には似つかわしくないかな。
[傾いだ視線の先には戯れに作りし花冠]
[重ねられた手に、やや力が篭る。
問いに返りしは否定。
されど守り無き今、悪夢を見んとの肯定でもありて。]
守りか。
我は見かけなんだが…。
[面に浮かぶは笑顔。
されど、それは作られたに似て、琥珀は惑うよにゆらゆらり。
白に塗り潰された野で探すは、いかに難しかろうかと。]
我は…我の名はゑゐか、えいかじゃ。
[迷いて零れた言の葉は、ただそれだけ。]
そうじゃよの……
[見ていないというねえさまの言葉に、少しかなしげな顔になる]
ふうれんにいさまが近うにいたんに、あかんかったけ、
お守り、うしのうてはならんかったんじゃ……
[しかしねえさまの名を聞けば]
えいかねえさま
[とても嬉しげに名を呼んで]
おうたじゃぁ……
ふうれんにいさまのと、ちがうんね
………ねえさま?
えいかねえさま?
どないなすった?
[ふるえに気づき、思わず手を引いた]
〔川のほとりに腰を下ろしたままに
清流に浸した足を遊ばせて、
水面に波紋を生み滴を散らす。
僅かには藍墨茶の小紋も濡れようが、
さして気にしたる風も無く。
音を奏でるのを止めれば立ち上がり、
一面白の野には紫黒の花ぞ咲かむ。〕
[小川のほとり、遠く見ゆるは深紫。
まるで心を読まれたよな、朱の弧が瞼に浮かぶ。]
…否、えいかでよい。
[嬉しげに呼ぶねいろに返す声音は、やや硬く。
親しげな「ねえさま」との言の葉を拒むかのよう。]
否、否…なにもない。なにも…ないのじゃ。
[心配るよに引く小さき手から逃れ、白の袖で抱く我を抱く。
ひとつ、ふたつと後退れば、踵返して*白の野に消えゆこう*]
ねえさま……!
[白いその手は引かれ離れ]
[離れゆくその人を追いかけようと]
[されど何のいたずらか]
[足を滑らし着物を汚す]
なんもあらんなんてなか……
ねえさま、苦しそうじゃ
〔消えゆく白の君によりてか
滑りし臙脂の子によりてか
青の天に舞ひ上がるは白の欠片。
履物をして其方に向けゆるゆると歩み出せば
揺れる深紫は童の姿を認める事が出来ようか。〕
おやまあ、臙脂の子。
着物を汚してしもうて、どうしたね。
どこぞに足を引っかけて、転びでもしたかい。
[しゃなりと歩み寄りしゃがんで視線を合わす]
此方の名前が欲しいのなら、
“あやめ”と呼ぶが好いよ。
[湯殿で汗を流した後。
何かに惹かれるように館の外へ。
巡る水車の傍らで、てん、てん、と鞠をつく]
ひいや ふうや
みいや ようや
いつやの むさし
ななやの やくし
ここのや とおや
[最後のひとつきと共に、手に還る、鞠をひょう、と空へ投げ、受け止めて]
…………。
[紅緋の瞳は、霞の向こうをじぃ、と見る]
そうかい、怪我はないかね。
元気なのは好いけれどお気をつけ。
[空いた手を伸ばして汚れを払おうと]
おやまあ、聞えちまったかい。
そうさ、あれは此方がうたっていたよ。
音の坊はひとりかい、
風の坊が一緒かと思うたよ。
怪我はあらんよ。
おら、どんくさいけ、すぐ転んでしまうんじゃ
[汚れを払う白い手に、少しだけ驚いて]
[その手を止めようと手を伸ばす]
よごれてまうよ、あやめねえさま。
ふうれんにいさま、一緒と違うんよ
えいかねえさまが一緒じゃったけ
[妙に早くに目が覚めて、朝餉は後でと童子に断り、一人ふらりと外に出た。ふらりふらりと鎮守の森に足を踏み入れ、小さな祠の前に出る]
はてさて、天狗の祠とは、何を祀っているのやら。
[小さく笑って悪戯に、水飴ひとつ、置いてゆく]
ゆくかもどるか…今一度…
[空を見上げたその頬を、さやと撫でるは風の音か、遠く聞こえたわらべ歌か]
白の君か、
はてなさてな、
今は姿が見えぬけれども。
[伸ばされれば手を離して立ち上がり]
なぁに、
すぐ落ちるのだから気に留める事はない。
[代わりに臙脂の髪にぱさり乗せる花冠]
[華の紋を両手で抱え。
またしばし、川の向こうをじぃ、と見やる]
この川の向こうに……?
[呟く声は、霞に沈むか。
ゆる、と一度首を振り。
時折、ひょう、と鞠を空へと投げつ、川に沿って歩き出す]
あちらに走っていかれてもうたん
[反対側を指差して、あやめねえさまにそう答え]
大丈夫か、おら、しんぱいじゃぁ……
きれいな花で、まよわんじゃろか……?
[頭の上にのせられて]
[きょとんと彼女を見上げようか]
あやめねえさま?
なんじゃぁ?
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