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[次々と投げられる力ある言葉に、私は更に萎縮する。
人か、否か。
それだけでも知りたくて見つめれど、私には知ること叶わずに]
いえ…その……顔は怖くは…
[頬を弄るのを止めたくて、辛うじて答えを返す。
――なれど続いた言葉に、私は目を見開いて下を見る。
脚は長い衣に隠されたままで、私は目の前の少女に畏怖に似た感情を抱き後ずさった]
リディってば生命の魔族とかいうのらしいから、そういうの判っちゃうんだよね。なんかこー、弱まってる感じするし?
[怯えるナターリエを余所に、何故か威張った。
べちゃりという間抜けな音に振り返り、やれやれというように溜息。イレーネの方を向いたまま]
ね、……誰かに何かされたの?
[獣と化して逃げぬは、手の皿を割ってしまうであろう故。
彼の猫が運んできてくれたそれを、割って返すなど出来はしない]
……何故…それを… そなたは…?
[時折、背後の少年(少女?)へと警戒を向けつつ、少女へと問う]
[なんか、スッゴイ視線受けてる気がする。…恥ずかしい。
いや、仕方ないんだけどさ! 膝を擦りながら床から顔を上げる。
すこし赤くなってるけど、…まぁ、何とかなるや。
で、しらないおねーさんが、
何か凄くオレを警戒してる気がするけど…何かしたっけ?
や、こけたけど。それだけだと思うんだ。
リディがスッゴイ呆れたような視線向けるのは、…判るけど。]
[「生命の魔族」
人ではない――そう知った途端、膝から力が抜ける。
背を壁に預けたままずり落ちかけるのを耐え、私は後ろを向いたままに問う少女を見つめた]
……古傷があります故。
[支障なき言葉のみを、短く返す。
「誰に」
その質問に視線は少女の見やる小柄な少年(?)へと向かう。
人なりや、否や。
人ならば決して話せぬと、唇の色が薄くなる程にきつく噤んで]
古傷ねえ。
[ナターリエの足元を、じろじろと眺めるが近付かない]
ねー、何でそんなビクビクしてんの?
誰かに何かされたとか?
あ、そーだアーベルに苛められたんでしょ。
――…、
[おねーさんの視線に気付いて、ゆると視線を向ける。
何か、おねーさんを取り巻く声が、]
「こわい」?
[何か違うかも?こてん、と首を傾げながら、聞いてみる。
他にも、色々声が混じってるけれど。でも、そんな感じ。
何が怖いとか、全然判らないけど。
…やっぱり、初対面でこけたのが、ダメなのかなぁ…。]
[結局不機嫌さを最後まで引きずった陽精は適当な部屋を勝手に借りて一晩を不機嫌なまま過ごす。
目覚めはそれなり。
ため息とともに猫を伴い階段を下りてくるだろう。
広間に見えるいくつかの影を見渡すようにしながら足を進めたか]
[立ち上がった小柄な者に、敵意はないようであった。
なれど私の内の恐れは、未だ警戒を解く事なく]
……アー…ヴェル…?
いいえ…知りませぬ……。
[短くも鋭い少女の言葉に、私は震える肩を小さくする。
身じろぎに少し身体はずり落ちる。
なれど座り込む事だけは――逃亡し難くなる事だけは、ならぬ]
< はしっ
と、猫の口が青いのをくわえたのは、どうやら一周りしてきたあとのようです。ようやく捕まえたそれに気を抜いたしゅんかん、たかくたかく飛んでいたわけですから、そのままはばたいて。
ガツン >
なーんだ、違うの。
怖い?
[何だか自分がナターリエを苛めてるような気分になってきた。急に、室内の明かりが強くなったような気がして振り返った。今度はヘルガだ]
ヘルちゃんおそよー。
確かにヘルちゃんの顔は怖いかも……[再びナターリエを振り返って] ……耳。
…。?
[階段を降りてきた影に、ゆるりと視線を向けて。]
――…、うわ!
[予想外に見覚えのある人で、思わず声が上がる。
たしか――ちょっと前に、えっと。すっごい怒られた。グーで。
だって、男の人なのか女の人なのか判んなかったんだ。
…今でも、わかんないけど。
見渡すような視線から出来る限り逃れようと、壁際に逃げてみる。
でも、さっきまで階段下にいたから、…見られてるかもしれない。]
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