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何者って、ヴィントの兄さん。
[くすくすと笑う。][高い声が、低い声が。]
[まるで嘲笑うかのように。]
[まるで試すかのように。]
[響く声は二重に踊り。]
[陶芸家とシスターが真面目そうな話をしているのが見えた]
[所在無げに雑巾を探している][陶芸家から声をかけられる]
ええ、わかりました。
[おかげで洗わずに、と笑われると苦笑い]
[不思議と憎めない人だなあ、と思う][陶芸家の顔を眺め]
[茶器を広間に運ぶなら、その手伝いをする]
[受け取ったオブラートに薬を包んで。
意を決して飲み込んだ。多目の水と一緒に]
…本当に、苦く、無い。
[驚いたように呟く。
信じてはいたものの未知の物である以上、一抹の不安はあって]
これで、落ち着く、かな…?
[ユリアンを見上げて小さく笑う。その程度の余裕は出来た。
瞬いている様子には少しだけ首を傾げて]
すみませんねえ、余計な仕事を増やしてしまいまして。
本当に、情けないことです。はい。
[アーベルを見る]
いやいや、これくらいは片付けてくれるでしょうよ。
一応人道的にね。
ほら、まだ容疑ですし?
幾らあの人たちでも、けっこうな金額の皿たちを落とすのを見逃すとは思えませんよ。
だからほら、気を楽に持ちましょう。
[薬師の少女の行った先を呆然と眺めて、
寝かされていた少女が身を起こすのを目にする。]
…赤の……スティグマ。
マジかよ、師匠。
[それを見たまま、呆然と呟く。
包帯を巻かれた左手は無意識に、胸ポケットの手帳を押さえた。]
……また、疲れてるのかな。
[目を擦る。
けれどぼやけた視界から、その色は抜け落ちなかった。
あったとして、もう隠れているのかもしれないが、焼きついて、離れない。昨晩見た、華を添える紅とは異なる、朱色――]
ん? ああ。
……苦くないんだ? それは、いいな。
文明の進歩って、素敵。
[冗談めかして、笑ってみせた]
そうですね、特にイレーネさんには気をつけてあげないと…。
…といって子供だから、と言うわけにも行かないのでしょうね、きっと。
なんて、暗く考えちゃいけませんわね。
[そう言って笑って]
……え?
[聞こえたコエに、最初に零れたのは、そんなコトバ]
『人狼』……?
じーさんの、言ってた……?
ナニソレ……俺……が?
[それは、全く意識になかった事。
正確には、忘れさせられていた事。
しかし、未だにその認識はなく。
ただ、コエのコトバを。
否定する事は、出来なくて。
困惑が、緋色の意識に満ちてゆく]
……まだ、容疑……ね。
ま、それなら、置いといてみるか。
[どうせ、中には置いとけないし、と呟いて]
気楽にって……ま、今、張り詰めてても仕方ないんだろうけど、さ……。
[続いた言葉の後には、ため息が落ちて]
/*
確かに、この組み合わせは美味しいといえば美味しいですが。
さて、イレーネは朱の聖痕者のようなので。
覚醒をもたらすための襲撃対象には美味しいかも。
占霊守がまだどこにいるか読めないから、そっちの様子も見つつ、展開考えていきますか。
まだ1日目だし、あんまり焦らずに、という事で。
*/
そうですよ、アーベル君。
ほらほら、ええと。亀の甲よりっていうじゃありませんか。
年長者の意見は素直にきくもので――
[破片の入った袋を置いて振り返った矢先にがつんとそこに立っていた棒にぶつかった]
…すから。
とりあえず自衛団の人を呼んできますね。アーベル君は中に戻るといいですよ。
寒くなりますしね。
[苦くないというイレーネの反応に、にこりと笑って]
ええ。私も一度試していますから大丈夫ですよ。もし何かあれば私が責任を持ってその後の相談はさせていただきますし、ね。
[そうイレーネに言って、同じように興味心身だったユリアンへも微笑みかけようとして、唐突に目を擦っている様子が目に入った]
……どうしました?
うん、あたしもイレーネには、気をつけとく。
例の事件の記憶はないらしいけど……。
それがこの場ではむしろ不幸かもしれないわ。
[村の大人たちは知っている、彼女の過去を暗に指し。
茶器を運ぶのを手伝ってくれるノーラに嬉しそうに笑い、
少しわざとらしく腕まくりをした。]
ありがと!
そっち、ちょっと重いから気をつけてね。
[イレーヌが薬を飲んでくれた事にほっと息をついて。]
[肩からちらりと見えた印には、きょとんと瞬いた。]
[一瞬その色から、怪我だと思ったが。][よく見ると違っていて。]
[エーリッヒの声に振り返り、これはスティグマと呼ばれるモノなのかと認識はするが。]
[ソレが何を意味するかは未だに知らぬまま。]
確かに、そう言いはするけど……。
[目の前でがつん、とかやられると、やっぱり突っ込みたくなるわけだが]
あー……連中呼んでくるなら、頼む。
俺だと、まともな話にならんだろうしさ。
[それでも、提案には、一つ、頷いて。
もう一度、夜空を見上げてから、中へと歩き出す]
や。
最近、疲れ目なもので。
[ミハエルに振り返り、肩を竦めてみせた。
嘘は言っていない]
……眼鏡でも、かけるべきでしょうかね。
似合わなさそ。
ユリアンも、疲れて、る?
[目を擦る様子に首を傾げたままそう問いかけて。
こちらに向いているもう一つの視線に気がついた]
……?
[呆然としているエーリッヒの姿に、やはり首を傾げたまま。
最前の言葉が自分を見て発されたものだとは知らずに]
…もし今思い出してしまったら、それこそ傷付くと思うから。
お願いしますね。わたくしも気をつけますから。
[そう言って、運ぶのを手伝うというノーラの申し出をありがたく受けて]
お願いできますか?
[といって自分も残りを運ぼうと]
[確かに今日は唐突なギュンターの説明もあったので疲れているのは間違いない。
...はそれ以上追求せずに、私も同じです。と口にした]
でも、眼鏡は似合うと思いますよ?
ただ、前髪は少し切ったほうがいいかもしれないですけど。
[二人の会話にイレーネの名前が出ているのが気になったが]
[他人の立ち入った話なので、聞かないように努めている]
[シスターにも運ぶのを手伝うよう頼まれた]
ええ、もちろんですわ。
[茶器を運ぼうとする][陶芸家に注意されれば]
はい、気をつけます。
[少し緊張した][落とさないよう力を入れ直した]
…
なんですかその沈黙は。
ええ、いってきますね。
あなたも少し落ち着くんですよ、アーベル君。いくらあの人たちが嫌いでも、あんまり表に出してはみんな驚きますよ?
[アーベルを見送って、一息]
[雪を見てうつむいた口元は見えず]
さて。
自衛団の人にいいますかねえ。
俺が壊したといえば納得するでしょうし?
[小さくわらって、表へと回る]
[話し終わると広間に顔を出しはするものの、*そのまま部屋へと上がった*]
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