19 白雪幻想
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未亡人 ノーラ
[ボタンがなくなったと騒動になっている]
[肩を押さえている二人に目を送る]
･･･肩凝りかしら？
そういえばエリ君も肩が痛いって言ってたわね。
ブリジットさんならいいお薬調合できるのかしら。
[クレメンスの言葉が耳に入る]
[落ちるときにかばう場所･･･][その発想は初めて聞いた]
[エーリッヒが伝承詩をつぶやくのを聞いている]
研究生 エーリッヒ
…あー、うん。
ボタンって、これ？
［妙齢の女性の声に、つまみあげた金ボタンをちらり。
どこかの名家のもののような、精緻な紋章がみえたような…］
…あ！
［包帯を巻いた手でつまんだせいか、ボタンはつるんと滑ってどこかへ。］
職人見習い ユリアン
……や。
勘違いなら、いいんだけれど。
[詠まれた詩は、聴こえなかった。
眼差しは、リューディアへと向けたまま。
彼女の表情の変化を、捉える]
陶芸家 アマンダ
きれいだけど、いやな詩ね。
童謡かしらね。
[エーリッヒの呟いたその言葉に、少し眉をひそめる。
本来、それは彼女らしくなかったけれど]
ごらんになってはいないけれど、
あの大きな音と、階段の下に落ちていたボタンと、
当人とを見ると、うん。
謎は全て解けたわ。
[したり顔で、クレメンスに頷いた]
ボタン、みつかったのね。よかったわ。
【赤】 青年 アーベル
俺の、内が……欲するもの……。
[銀の意識が取り巻く感覚。
捕えられたような息苦しさ]
知らない……わかんない……そんなの、言われてもっ……。
[震えるコエは、怯えを強く滲ませる。
藍玉の煌めきと、鈍い痛み。
ズレたままの感覚の軋み。
直視すればラクになれると、どこかが囁く、けれど。
それに重ねて、直視してはいけない、と何かが囁く矛盾]
神父 クレメンス
[アマンダに目を向けるよりも先に手を伸ばしていたせいで返答も出来ずに]
[彼女にはしっかりと光景が浮かんだに違いないと思った]
[何のって]
[階段から落ちた時の状況がきっとしっかりと]
傭兵 マテウス
[リディとイレーネが肩を押えているのを注視した。とはいっても理由などわからぬから単なる疑問としてであったが、そこで、エーリッヒの呟く意味深な歌を耳にした
そうはいっても見当もつかない。こちらの伝承といった類にはとんと詳しくないからだが]
相変わらずそういうのに詳しいようだが、なんの唄だ？
学生 リディ
･････なにこれ。
こんなの、知らないよ？
[明らかな困惑。思わず襟元をくい、と引っ張る。
角度が合えば、見えたかも知れない。
蒼色。]
研究生 エーリッヒ
いや、ごめん。
…うん、ほんとマジでごめん。
［そそっかしい人のその姿に、すっかりといろいろ頭から飛んだらしく、
呆然と眺める。］
ランプ屋 イレーネ
リディちゃん…
[服の中を覗き込む姿に、不安を感じる。
自分も再び右肩に手をやったところで、鈍い音がした]
…大丈夫、ですか？
[クレメンスが潰れている。
無意識のまま半ば無理矢理そちらに意識を向けて、問いかける]
神父 クレメンス
…いえ。
[取りこぼしたボタンに妙に執念を燃やしてしまったが、上から（そりゃこけたのだから誰のもそうなる）の声にエーリッヒを見上げた]
大丈夫です。
学生 リディ
[しかし背後の音はしっかり聞こえたらしい。]
･･････
なにしてんの、おじさん。
[それまでの経緯を見ていない少女は別の意味でも困惑した。]
青年 アーベル
……っていうか……。
一応、聞くけど、無事？
[リディとイレーネの様子は気にかかるものの。
ずべっと行ったクレメンスもやっぱり気にはなるので。
一応、そーっと声をかけてみた]
シスター ナターリエ
えっと、皆さん色々と…大丈夫でしょうか？
[あちこちで色々起きるのをそれぞれ見遣って]
怪我、じゃないと良いのですけど。
神父 クレメンス
[イレーネの声を聞いて、しっかりと頷いた]
大丈夫です。ええ。
慣れてますから
[しかし、あまりに呆れたというか妙な声音のリディの声に]
…いえね。
ちょっと、ボタンが俺の手から逃げてしまったわけなんですよ。
鬼ごっこは俺の負けでして。
小説家 ブリジット
[後から入ってきたマテウスにはぺこり、お辞儀と挨拶を。]
[アベルの声にほっとした表情を向けて。]
よかった。
うん、そうしてもらえると嬉しい。アベルの料理、好きだから。
[微笑んで近づけば。][傍に居たザフィーアに指を近づけ撫でた。]
[そうして色んな所を擽ってじゃれていると、足に付けられた輪に目が行く。]
そういえば随分昔から付けていたけれど、これアベルがつけたんだっけ？
綺麗だよね。ザフィーア、お洒落。
[そういいながら、足にかかる環にそっと触れてみたり。]
神父 クレメンス
アーベル君にもまた心配かけましたねえ。
すみません。
[ちゃんと身を起こす]
[ついた手はさっきよりも痛く]
まあ捻ったくらいですしねえ。
[しかし今度はちゃんと金の行方は追っていた]
[目をそちらに向けた]
職人見習い ユリアン
[リューディアより、背は高い。
はっきりとは見えなかったものの、やはり、僅かに覗いたその色彩だけは、まるで焼きやくように視界に残った。
鮮やかな蒼。
――あかと、あおと。
誰が言っていたのだっけ。……ああ、お婆だ。
そんなの、僕らには、関係ないと思っていたのに]
[思考は奇妙な音に遮られる]
……何してんですか。
[呆れの感情すら篭っていない呟きが、リューディアと被った]
小説家 ブリジット
[片やボタンが無くなっていたり。][片や気分が悪かったり。]
[二人の少女に浮かぶ不思議な文様。][イレーネの朱のそれは確か昨日見たことのあるもので。]
[エーリッヒの伝承歌には、不思議そうに耳に入れる。]
[勿論、その意味など知るよしもないが。]
陶芸家 アマンダ
あーあ……大丈夫？
[あきれたようにクレメンスをを眺めるけれど、
彼が無事立ち上がるのを確認すると、リディのほうへ]
どうかした？
なんだか今日は、小さな事件がたくさんね。
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