19 白雪幻想
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学生 リディ
････そっか。
[クレメンスへの声には最早哀れみすら篭っていたかも知れない。]
これ、薬で治るのかな。
････苦いのは嫌だけど。
[アマンダには服をずらし、肩を示して見せる。蒼い花が開いているようにも見えるか。
眉を寄せるのは、勿論先程ちらりと聞こえたブリジットの言葉を気にしてのことではない。筈。]
傭兵 マテウス
手遊び唄…か。
急に唄いだしたから何か意味があるのかと思ったのだが、それだけか
[エーリッヒの説明に、イレーネやリディの肩を見ていない...は内容については深く関心を抱かなかったがなぜ急に？というのを抱き、意外そうに呟く]
神父 クレメンス
ブリジット君。
大丈夫ですよ、ええ。
ボタン一つ無くたって死にはしませんから。
[くるり]
[力なく彼女を振り仰いだ]
でもそうですね。
ええ。
一応、湿布いただいてもいいですか。
[まだ床にに膝をついている]
[恨めしそうに鼠が通れる小さな穴を見た]
ランプ屋 イレーネ
[朱い花。緋の花弁。
白い肌に咲いていた花]
…私じゃない。
[彼方の記憶と同じ位置。
押さえた手の下で朱の花は咲き誇る]
…あーあ。
[頭痛から逃げようと、意識は小さな金色へ。
灰色が咥えて壁の方へと走ってゆく]
青年 アーベル
……いや、心配というか何と言うか……。
[言いかけた言葉は。
灰色の影の疾走に、途切れた]
……ありゃまあ……。
[思わず上げた声に続くよに、カラスがばさりと羽ばたく。
……もしかしたら、光物を逃した、とか考えているのかもしれない]
学生 リディ
[金色が視界を過ぎった気がして、視線をずらせば灰色が黒い穴の中に消えていくところだった。
そういえばさっき、クレメンスが釦と追いかけっこだの何だの言っていた。]
完敗？
[クレメンスを見た。]
職人見習い ユリアン
[黙って見送ったのは、危うく声があがりかけたからなのだけれど。
手が伸びるはずもなかった。
……幼い頃ならともかく、向こうに越してから、鼠なんて無縁だったから。
足下を過ぎる小さなもの、には、いいイメージがないし]
陶芸家 アマンダ
あーあ……。
[鼠と神父服の男との寸劇を眺めつつ、リディの傍へ]
……これって。
[彼女の示す肩に、視線が吸い込まれる。
それは、どこかでみた刻印。そうだ、彼女の鞄の中の手帖]
……リディ、これはね、お守りみたいなもんだわ。
病気じゃないの。だから大丈夫よ。
[ぽん、と隠すように彼女の服を戻して肩をたたいた]
シスター ナターリエ
…クレメンスさん…気を落とさないでくださいね？
[これくらいで慰めになるかどうか判らないくらい、彼にはいろいろあったのだろうけれど]
神父 クレメンス
あはは
[乾いた笑いだった]
[なんだか痛みも飛んでしまったようだった]
[いつまでも膝をついているわけにもいかず、立ち上がり手で払う]
ええ。
しっかり完敗ですね。
[烏の鳴き声には裏があるような気もしたが、考えたってわかるわけはないのでため息に変えた]
神父 クレメンス
…ありがとうございます、シスター。
あなたのような敬虔なシスターが一緒に願って下さったら、神も願いを叶えてくれるかもしれません。
俺のドジをどうにかして下さいと。
青年 アーベル
勝ち負けの問題じゃない気がするけど……。
クレメンスさん、さっきから数えて、何箇所傷めてんの、身体……。
[ふと気になったのはそちらなので、聞いてみた。
カラスの裏の心情は多分気づいていたけど、解説する気は一切ない]
職人見習い ユリアン
ザフィーア、人のものは盗ったら駄目だよ？
[なんとなく不満げに見える鴉に声をかけ、イレーネとリューディアをちらりと見た。
奥底で、燻るような不安。得体の知れないものへの恐怖めいた感情]
……で、食事してない人、いるんでしたっけー？
パンとスープだけじゃ、今の時間には、足りないかな。
[振り払って、大きめの声で、尋ねた]
小説家 ブリジット
うん。美味しいよ、とっても。
[烏を撫で笑いながら。]
[足にかけられた環の事を聞くも。][アベルの母親の事は、殆ど知らない。]
[彼と交友を持ち始めたのは、彼の母が死に森番に引き取られてからだったから、それは仕方がない事だったが。]
お母さんのお守かぁ…いいなぁ。
[思わずぽつりと呟いて。][はっとしたように手を離す。]
[不意に胸に宿った一抹の寂しさのようなものを覆い隠すように。]
[いつも通りの笑みを浮かべて。]
神父 クレメンス
何箇所…ですかねえ。
さっき階だ……いえなんでもないですからね。
手と足と、今ちょっと変にのばしてしまいましたし、肩ですかねえ。
あと腰は心配ですねえ。
[アーベルを見て、そう言った]
[しかしユリアンの声を聞き、見事に音が鳴った]
…そういうわけなんでまずは食事下さい。ええ。
ランプ屋 イレーネ
あっ。
スープ、欲しいです。
あと先生にも。
[ユリアンの声が聞こえれば、振り返って答える。
リディの方からは微妙に視線を外したまま。
今はまだ、無意識の内に認識することを避けている]
青年 アーベル
[ユリアンの言葉に、カラスはそちらをくるっと振り向き、クワ？ と鳴きつつ首を傾げ]
あー、何か作り足すなら、俺がやる。
[ブリスとも話してたとこだし、と言ってから]
……それよりユリアン、お前も。
腕、診てもらっとけ。
[言う声は、ほんの少し険しさを帯びて]
小説家 ブリジット
[アベルとの会話を切るように。][クレメンスの方を見て。]
[小動物と格闘して見事に負けて。敗北感いっぱいのクレメンスにはいささか声をかけ辛かったが。]
[そのまえに尋ねた問いかけには、肯定の意を返されたので。]
[抱いていた大袋から楊梅皮と卵白を混ぜ置いていたものを出し、四角く切った白い布に浸し油紙に包み渡した。]
巻いた方がいいなら、撒きますけど…どうします？
[包帯片手に尋ねながら。]
学生 リディ
おまもり？
････ほんとに？
[蒼は隠され、見えなくなる。
表情は訝しげだったが、それも肩をたたく優しい感触に少し和らいだ。]
えーと。
ドンマイ？
[完敗、との声には小さく返した。]
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