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[広間に行くと、外からユリアンと自警団員の声が聞こえてきた。
思わず立ち止まり、そろりと扉へと移動していくと、ユリアンが大きな音を立てて戻ってきた。彼は...に気付かなかったのか、そのままキッチンへと入っていった]
……何かあったのかな?
[あれだけ朗らかで優しい青年が苛立った様子を見せていたのだから、何かあったのだろう。
...は食事の前に一度外へ出てみることにした]
―二階・自室―
ん…寝てたか…ふん
[目覚めは悪くなかったが、昨日のことを思い出せば気分が悪い。
が、そのような気分を抱いたままで何か変わるはずもない]
起きるか。本当に何かあるならば、昨夜の内になにか起きているかもしれないからな
[と、起き上がり、身支度を整え木箱を背負うと広間へと]
[外には逃走防止なのだろう。2人の自警団員の姿が見えた。
それで何となく予想が出来た。何故なら自警団員は...の姿を確認するや、手にした槍を向けて寄って来たからだ。
だが出てきた相手が...だとわかると、さすがに背筋を伸ばして槍を顰めた]
……貴方達が職務に忠実なのはわかっています。ですが、一日中狭い室内に閉じこもっている苦痛を理解していますか?
少々外の空気を吸いに出てくるだけで槍を向けるなど……それでもこの村に住む仲間なのですか!
[...の叱責に、自警団員は顔を見合わせてバツの悪そうな表情を浮かべた]
「しかし、ミハエル様……」
しかしも何もありません。
もし逃走を疑っているのなら、1人ずつ外に出して気分転換させる程度の融通はあって然るべきでしょう。
いいですか? 私、領主が次男ミハエル=エンバーミングの名において命じます。
職務の範囲内で結構です。図れる便宜は図ってください。……大体、まだ容疑が向けられているだけで、犯人だと決まったわけではないのですよ?
[その言葉に、自警団員の苦悩も理解した上で行っている発言だと、自警団員は気付き、大きく頭を下げた]
一応体調を崩してしまった方もいます。無理な時は無理で構いませんので、その際は宜しくお願いします。
[自分も容疑者の一人だ。
それでも集会所の中にいる人々の中に人狼がいるなど信じたくはなかった。
本来ならばギュンターのように非情に徹しなければならない立場であるにも関わらず、こんな命令も出している]
(だからいつもフランに怒られるんだよね)
[そう心の中で呟いて、...は集会所へと戻った]
―キッチン―
[ミハエルが外に向かう後姿をちらりと眺めながら、暖炉にいくつか薪をくべた後、キッチンに向かう]
まだあまり起きてきた人間もいないようだが、誰か作ってくれたのか
[特に誰が作ったかは気に留めずに、勝手に食してもいいのだろうと判断して温めなおし、パンをいくつか皿に盛りながら、気配はあるが静かな集会所の状況から昨夜何かあったわけではないのだろうと察する]
─広間─
[階段をゆっくりと下りてゆく。
やや、足取りが覚束ないのは、自覚していた]
……情けねー……あの程度でへこむとか……。
[ぽつり、と。零れる言葉は自嘲を帯びて。
広間に入ると、暖炉の暖かさに、ほっとしたように息を吐いた]
―部屋―
朝は変わりませんねぇ…
[起き上がった時間は矢張り早くも遅くもなく]
[昨夜を思い出し、口元が緩んだ]
いやぁ。
美味しい珈琲でした。
[満足そうに呟く]
〜自室〜
[浅い眠りから目を覚ます]
[部屋の中を見渡す][現実を実感する]
[窓から外の様子を眺め][雪で顔を洗う]
[鏡に向かう][青白い肌の色][腫れぼったい目元]
・・・酷い顔ね
[櫛を取り出す][髪を梳かす]
[いつもより多めに紅をさす]
本当に色々ありましたけど、少し落ち着くでしょうかね。
ああ、しかし。
ギュンターさんも なもので。
[口元に上らせた笑み]
もうすぐ月も満ちる事になるのでしょうし――
いやはや、本当に
[カーテンを引いた]
[音に紛れて言葉は*消えた*]
[殺人犯といえば現実的ではあっても実感は湧かない。
人狼といえば現実的に感じないが]
人狼などといっているが、なぜそんな容疑がかかったかわからねば晴らしようもない…か
[スープを温めていた火を止めると、パンとスープをもって広間へと]
……なんか、かったる……。
[零れるのは、ため息]
にしても、じじい……いい加減にしろってんだ……。
そうやってまた……父さんの時、みたい……。
[広間に入ってきた者の気配には気づかず──それもまた、常の彼らしくはないのだけれど──ぽつり、こんな呟きを落として]
[外から戻ってくると、ちょうどパンとスープを手にしたマテウスが目に付いた]
あ、おはようございます。
朝食、まだありますか?
[と、忘れていた空腹が自己主張を始めた]
[食事を持って広間に入れば、テーブルに突っ伏している青年。なにやら呟いているからそっとしておくべきかと思うが、テーブルは一つしかなく、無視するのもあまり気分がよくない
共同生活というものの煩わしさを感じながらも席に着くと、先程外にいったミハエルが戻ってきて]
おはよう、ミハエル。食事はまだあるよ。誰が作ったのかしらないが、今温めなおしたばかりだ
…アーベルも食事を取ってないならとったらどうだ?
[突っ伏しているアーベルを無視するのもなんなのでアーベルにも食事をすすめた]
そうですか。それじゃ私も頂くかな……。
[と、キッチンに行こうとして、初めてアーベルに気付いた]
アーベルさんも食べますか? 食べるなら一緒に盛りますけど?
……え……?
[呼びかけられて、は、と我に返る。
いつの間に人が来てたのか、と。
過ぎるのは、惚けた考え]
あ、うん……そうだな、食べとかないと……。
あのじーさんの身勝手につき合わされるなら、体力つけとかねぇとな。
[皮肉を交えつつ言って]
いや、自分の食事は自分で用意する、ってね。
ウチの家訓なもんで。
[ミハエルの申し出には、冗談めかした答えを返す]
[アーベルの言う。爺さん。といってる存在はこの状況では一人しか浮かばずに、それのことだとは思った、がだからといってどういう関係かは知らず]
ああ、食事は取れるうちにとったほうがいい。
いざというとき動けませんなど笑い話にもならないからな
[二人が食事を取るようなのを見てそういいながら、自分は食事を始める]
自分で、ですか……。
ハハ。なら盛るだけ盛るんで運んでもらおうかな。
[そう言ってキッチンへと入ると、2人分の皿にスープとパンを準備し始めた]
確かに、ね……。
どんだけ拘束されるかもわかんない訳だし。
[マテウスの言葉に頷いて]
ああ。
俺の養父さん、そういう所は細かいから。
[くく、と笑いつつ。
運んで、という申し出にはわかった、と頷いてキッチンへと向かい]
ところで、さっき、外でなんか、騒いでた?
[ふと気になった事を、問いかけて]
―二階・私室―
[カーテンが引かれていて、目での確認はできないけれど、
外がどうなっているかなんて、わかっていた。
幼い頃から、散々伝え聞いていた光景だ]
ああ……やだなぁ。
知らないふりしちゃおうかしら。
[荷物を眺める。古い鞄の一番奥に、それは入っている。
荷造りをする際に、真っ先に鞄に押し込んだ。
ぼろぼろの手帳は、静かに使われる時を*待っている*]
[外で騒いでいたと言うアーベルの言葉に、内心どきりとしながら、なるべく表面上は平静を装いつつにこりと笑顔を張り付かせながら手は休めない]
ああ、さっきですか?
ちょっと集会所の警備をしている自警団員の方の態度が横暴だったので、意見を述べてきたんですよ。
[内容は間違っていない。問題は意見を述べたのではなくて命令をしたというのが真実であるが……]
[ミハエルの返事に、一つ、瞬く。
聞かされた内容を特に疑う様子はなく、態度の話に一つ息を吐いて]
あー……ま、その辺りはね。
一番上が化石頭だから、仕方ないってな。
やると決めたら相手がなんだろうが、誰だろうがまず自分の意見曲げやしないし。
[相も変わらず、自衛団長を評する言葉に混ざるのは、鋭い棘。
それを相手がどう思うか、は気にした風もなく。
準備が終わった物から順に、盆の上へと乗せて行く]
ああ、どれだけの期間いることになるかわからんが、今のところここにいる以外にないようだからな。強行突破しても構わんが、指名手配なんてされたらかなわん
[などと物騒なことをいいながら、キッチンに行くのを見送り食事を続ける]
[ギュンターに対して妙に頑なな態度を取るアーベルに少し小首を傾げて]
言い難い事ならいいんですが、昨日からずっと疑問だったんですけど、ギュンター団長と何かあるんですか?
意見を曲げる事なんてない……。
[それ故に、父は犠牲にされて]
だから、このままだと……。
[犠牲が出る。
出てしまう。
否、出してしまう?
最後の部分には、未だ思い至らずに]
何とかして……ここから、離れないと。
……何とかして……。
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