2 【Fairy Tales】
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貴族 ミハエル
[そもそも彼には、ぬいぐるみの影になっていて、それがよく見えず。
差し出しているのは、一応、解るのだが]
……………
[やっぱり、困った。]
[母がこっそりと、ユーディットに同意するように頷いていたのも、見えない]
未亡人 ノーラ
[深く頷く様子に小さく笑って、紙袋をあけて差し出し]
[ついでに振り返り]
良かったら皆さんも。
[その場の皆にも声を掛けてみた]
少女 ベアトリーチェ
［しばらく硬直していた子供は、
ノーラが何かをすすめている声に気づく。
そうして、はたと気づいた。］
ノーラさんにあげますですっ
［一袋だけはポケットにいれて、子供は両手を空けた。
とっても無理やりに。]
【赤】 職人見習い ユリアン
[ふと感じたのは、結界を調べていた時に感じた気配。
どうやら、『あちら』の眷属か何からしい……などと思いつつ]
さて、どうしたもんか……バカ親父の追手だとしたら、ヘタに接触するとヤベえし……。
『でも、お互いに気づいてるしねぇ……』
ああ。このままにゃしとけない。
[今までは自分だけだったから、多少は無茶もしてきたが。
……今は、それだけと言い切れない状況と感じている訳で。
それを思うと、憂い断つべし、という思いもなくはなく]
……接触、するか。
[割り切ったら、後は早いわけで]
……て、事で。お互い様子見とか、虚しいこと、止めない？
[いつも通りのその口調で、呼びかけてみた]
職人見習い ユリアン
[会釈するノーラにどもー、と手を振りつつ。
差し出された紙袋の中身にわは、と嬉しげな声を]
え、あ、もらってもいい訳？
助かった〜、出店引っ付きで、ロクに物、食べてねーんだよなっ。
[それもそれでどうなのかと]
青年 アーベル
[ノーラからもらった大判焼きを一口
……口の中に広がる甘味にほっと一息つきつつ]
[ふと気づけば、金髪少年とベアトリーチェがオモシロい状況]
未亡人 ノーラ
どうぞ。
[エーリッヒにも同じ様に差し出し。袋の中は例の如くで底が見えない]
[ベアトリーチェに袋を差し出され、半ば反射的に受け取る]
…あ。ありがとう…？
[ミハエルの抱える熊の縫いぐるみをその先に見、此方から渡すのはやめておいた]
少女 ベアトリーチェ
［それから、ミハエルに手をのばす。
ちょっとだけ、子供は躊躇ったけれど］
もう、大丈夫。
もてます。
ええと……
本当に、ありがとうございます
［少し、照れたように言った。］
貴族 ミハエル
……………？
[何があったのかは、理解は出来なかったが]
そうか。
[一つ頷いて、ぬいぐるみを、少女に手渡そうと]
……別段、礼を言われる事ではない。
僕が先に、貰ったのだから。
[借りを返しただけだ、と言いたいらしい]
【赤】 騎士 ダーヴィッド
[確かに単なる我儘だけで逃げている身。
相手が追跡者としても祭りを諦めれば良いだけで。
声をかけようか。
そう決めた途端に飛び込んできた声]
…そうだな。
何時までも様子見では平行線だ。
[くつくつと笑い声を零す。
さて、と前置きひとつ]
ユリアン、君はどちら側だ？
職人見習い ユリアン
わは、感謝、助かるっ！
[幾つでも、と言われて、思わず声が弾んだ。
とはいえ、さすがに限界はあるので、自分と相棒の分と、あわせて三つ、袋からもらって]
……やっぱ、疲れてる時は甘い物が一番いいよなー。
[浸っている。肩の相棒も幸せそうだ]
少女 ベアトリーチェ
［両手いっぱい、ぬいぐるみを受け取る。
とても大きいぬいぐるみ。
ほわほわと幸せの頬笑みが浮かぶ。］
でも、うれしいです……
［それから、そっと一つ、持っていた飴を、
手のひらで滑らせて、渡す。］
【赤】 職人見習い ユリアン
[どちら側、という問いに、わずか、首を傾げる素振りを見せ]
……ふうん？
わざわざそう聞いてくるところ見ると、問答無用で俺をバカ親父のとこに連れ戻そう……ってんじゃないのかな？
どちら側、ってのが、追う側か逃げる側か、ってんなら、俺は逃げる方だけどね。
[さらり、問いに答えて]
んで、そういうあんたはどっち側な訳？
[問いかける声は、どこか、楽しげでもあり]
貴族 ミハエル
……………
[何と返したものか、暫し、迷うように視線を巡らせ]
……君が喜ぶのなら、その縫い包みも、喜ぶだろう。
僕が持っているよりも、ずっと。
[彼らしくもない台詞。途切れがちに、紡いで。
つい、受け取ってしまった飴には、困惑の表情が見えたか]
少女 ベアトリーチェ
大事に、します。
［ふわりと笑って、子供はぎゅっと抱きしめる。
ぬいぐるみは暖かい。
暖かくてしあわせ。
それから、小さくあくびした。］
……今日は、もう、もって、帰ります。
一緒に寝ます
［ありがとうと最後にもう一度、
子供は言って、一生懸命、とことこと*歩いていった*］
【赤】 騎士 ダーヴィッド
バカ親父…？
『あ、やっぱり！そんな気配がすると思った！！』
[どういうことだ？と首を傾げたところに声が割り込む]
……リネット…
[ああもう、と疲れたような声でぼやいて]
…まぁ、とりあえず私は君と同じ側だ。
祭りが終わるまでは捕まりたくない。
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