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[書状を託し、また一人になると巫女は小さくため息をつく]
……このような辺境の地では、守護天将の助力も望めませんし……。
私が、確りしなくては。
[呟く瞳に浮かぶのは、揺るがぬ強き*決意の色か*]
−小屋−
[両腕を頭の後ろで組み、固い木のベットに転がり天井を睨む。
昨夜、眠りは浅かった。]
……………幻視か、それとも染め隠すか。
灰ならばまだしも黒は隠せないだろう。翼ごと隠すのでなければ。仲間の術を使うとしても…巫女の目は誤魔化せまい。
だが………
[目を固く閉じる。寄せられた眉の間の皺が深まる。]
………結局はクローディアに負担をかけるか。
[低い声と重い息を吐く。
すべて吐き切ってから勢いをつけて跳ね起きた。]
うだうだ考え込んでも何もならんな。
………何か食うか。
[昨日作った燻製の端とパンと水を腹に収める。
台所に残っていた赤い実を齧っただけ、今日はマシな方だ。
呆れたアヤメが差し入れる以外、調理した菜が並ぶ事はない。]
ホルストに収めて、後は…しばらく寝かせておけばいい。どうせこの騒ぎだ。要るなら言ってくるさ。
[新しい燻製を丁寧に切り取り、包む。
落とした端を集めた袋を貯蔵庫に入れて戸締りし、外へ出た。]
/*
………ダメな大人だな。
こんなんだからアヤメやラスに野菜や果物を差し入れられるんだろう。
だがな、この顔は肉食だとしか思えん。
[翼広げ、大空を滑る。
地上から見れば淡い青に濃い影が落ちたかのようだろう。
風に目を細め、高度を上げる。遠くに反対側の海が見えた。]
…………。
[昨夜、見失ったましろの翼を思い出し、眉間に皺が寄る。]
あれは……誰だ。
向けられたのは確かに敵意だったが、ケイジではなかろう。
………あのように判りやすくはないだろうからな。
[不快な狐面に眉間の皺が深まる。
だがあの男があからさまな敵意を見せるとは考えられない。]
[《鷹の目》と呼ばれても夜目が利く訳ではない。
ましろとは言え自身より小さな少年の翼は、旋回する間に遠ざかり見失った。
気にはなったが、追うには夜空は広すぎた。]
……昼であれば追ったものを。
[向けられた敵意を放置はしないと、舌打ちする。
やがて鋭い目がベランダ立派な屋敷を捉え、*高度を下げた*。]
― 聖殿 ―
[聖殿内で嘆願していると、近寄ってきた警護に捕まった]
……放して……放せよっ
巫女……に……いっ
[聖殿内で暴れていると、一言、入れと促される]
[部屋の中には巫女の姿。彼女と目が合えば、表情には現れずとも射すくめられる。ごく、と喉を鳴らして口を開く]
ねえ、巫女……
……堕天尸……見つけたら、どうするの?
捕まって、浄化……されたら、その人は……その人のまま……いられるの……かな……それに、痛くて、苦しくて、死んじゃうかも……しれない……のに
[その後に展開される子供の論理。準拠は身近な人の辿った数奇な運命と、非社会的な偏った価値観。やがて巫女から何らかの答えを紡がれれば、警護に連れられて聖殿を後にする]
― →広場 ―
[聖殿前の広場に降り立ち、聖殿へ歩みよろうとする。そこに、入れ違いに出てきたのは、昨日、広場でうずくまっていた少年が護衛とともに聖殿から出てくるのを目撃した]
おや、オーフェン、だったか。
−森−
[蒼天には太陽が輝く。
木々の合間、開けた場所。
懐から取り出したのは、一枚の羽根。
広げた手のひらの上に乗せて、包むように。
陽のひかりを写し取ったかのような淡い金。
されど、その根元の色は失われて闇に染まる]
―― AIRANAC, etemazem.
[羽根はひかりになり、ふわり、舞う。
薄ぼんやりと、鳥のかたちをつくった。
精霊にも妖精にも幻獣にも似て、異なる気配]
― 広場 ―
[俯いたまま護衛に連れられ聖殿を出ると、カレンの姿を見つけて近づき、お辞儀をする]
えっと……カレン、さん?
……この前は、ありがとう
[護衛は聖殿へと戻っていく。カレンに名を呼ばれれば、覚えられたことに、戸惑いと共に嬉しそうな表情を浮かべるか]
[聖殿から出てきたことを、少しいぶかりながら、名を呼ぶ声にはうなずいて]
ああ。あれから、具合はどうだ。吐くことは、もうないか?
どうした、こんなところで。
うん……だいぶ、良くなったよ
えっと、おかげさま……で?
[ぎこちなく笑顔を作り、自分の言葉に首をかしげる]
巫女に……会ってきたんだ
[カレンに答えると、聖殿の入り口を振り返る]
[周囲をゆるりと巡る、ひかりの鳥。
伸ばされた手は撫ぜるように動くも、温かみはない]
虚、堕天尸、結界樹……
[ぽつり、零す呟き。
見つめる先は島の中央]
...ete sarhis abera'k inan.
[小さく呟かれる言の葉は、
祈りめいて、呪めいて、唄めいて。
ふわり、ふわりと、漂う淡い金。
川の源流へと向かうのを見送り、*眼を伏せた*]
何もしていないな、私は。深呼吸の音頭を取っただけ。
ああ、そうだ、会ったら、渡そうと思っていた。
[腰のポーチをまさぐれば、取り出したのはいくらかの薬の包み。]
飲めば、腹痛に効くかも知れない。先生が分けて来いといったから、遠慮なく持っていって。
巫女に?オーフェンも、堕天尸が気になるのか。
[つられて聖殿を見やりながら、昨日の広場の騒ぎを思い出し、話を聞いてあのようになったのならば、さぞ不安なのだろう、と考えて]
僕に……?
……あ、ありがとう
[驚いて深紅の双眸を見開いた。先生?と首をかしげ、誰かから物を貰った経験がないため躊躇いながら、渡された薬の包みを大事そうに服にしまう]
うん、堕天尸……
気になるっていうか……なってるのかな……?
……あ、なってるみたい。うん
[逡巡しながら、最後には頷いた]
……カレンさんも、巫女に会いに来たの?
[結局、クローディアに会えなかった……いやあわせてもらえなかった。最終的に聖殿を追い出された...は、頬を膨らませつつ、聖殿前の広場の隅で座りながら空を見上げていた]
っとに、酷いよね! クロちゃんが大変だから私が気分転換を! って思ったのに追い出すんだもんね!
[折角良くできたスケッチが悲しんでみるのは、心がそういう感情を持ち合わせているからだろう。
知り合いの画家が、絵は見る時の感情によって表情を変える言っていたが、それは本当なんだと初めて知った。
そうして足をぶらぶらとさせているから、...はオーフェンとカレンには気づいていなかった]
[先生、という言葉に首を傾げるのを見て、]
ああ、先生は私の祖母で、施療院……病気の人を治療するところの主をしている。心配性のその人に頼まれたんだ。村のため、巫女に少しでも役に立つように、必要そうな人に薬を差し入れてくれ、と。……傷に効く薬が多かったか。護衛に渡そうかと思っていたけれど。
[戸惑いながら返してくる答えの様子は、ただじっと見つめていたが、ん、とうなずくと、さらにポーチからリンゴをだし、オーフェンの手のひらにぽんと置いた]
/*
かくていーorz
描写不足で気づかれにくいかもしれませんが、基本あまり表情が変わらない上に、こちらもなつかない子なので和めないー。中の人はちょっとなでくりしてみたいです。オーフェン。
……施療……院?
村の……巫女のため……なんだね……
[一瞬眉を顰め、すぐに表情をなくす]
きっと、偉い人、なんだ……ね
[林檎がカレンのポーチから自分の掌に置かれるまでを目で追って、カレンの顔に視線を戻し]
……あり、がとう。
[困ったような顔をして、ぽつりとお礼を言うと、林檎をじっと見つめている]
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