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それもある、けれど、
なんだろう、
――……抱える荷が重い。
[比喩の言葉は消え入りそうに。
けれど、続けられた男の台詞と、眼の向く先とに、伏せがちだった瞳をぱちりと開く]
……膝?
[ちょうど...が首を伸ばしたのと、中からラスが顔を見せたのが鉢合わせになり、涙をそのままに、...は目を大きく瞬きした]
……ラスさん?
荷?
何かあるなら抱えるのは手伝うぜ?
膝は冗談だ、本気でしてやってくれとは思ってないよ。
[振り返りつつカルロスの本心など知らず、エリカには真面目な顔で言った後ひらりと手を振る。
外に見つけた人物には、目を細めておや、と声をあげた。]
よう、ってあんた、何かあったのか?
[濡れた頬に、驚いた声を上げた。]
[術に生きずともいい。
そう言ってくれた人達はそれぞれ違う術を持つ様だった。
紫星ゆえか感ゆえか、それを気付いた少年に苦笑してみせた顔は未だ忘れることはない。
生来の無口もあり、問う事も説明される事もなかったが、不思議と交流は続いた。
男が亡くなった後は力仕事を手伝い、女が亡くなった後は療養院へ時折顔を出し、飢える事のないよう食料を差し入れた。]
………今はもう、逆に差し入れられているがな。
[苦笑に漏れた息に、深紫が揺れる。]
[不安定な根の上。均衡を取ろうと無意識に翼が動く。
響いた羽音に、遠くへとさ迷わせていた意識が一瞬で戻る。]
………俺も歳を取ったな。
[口から鋭く息を吐き、羽毛を飛ばす。
深紫は陽光に煌きながら、風に乗り消えていった。]
膝は…うん、気にしない方が良い。
だいたい、痛みも…引いてきた、し。
[…そろりそろりと翼を翼胞に仕舞う。
しかめつら。やはり、まだ動かせば痛む]
…何……リディちゃんもいるの?
[声に入口を向いた]
─自宅─
[戻った後は眠りに沈み。
目覚めた時には、人の気配はないものの、それはそれでいつもの事と言え]
……さて、仕事、片付けちまうか。
[簡単な食事を済ませると、仕事部屋に向かうものの]
あいたあ……こっちが切れちまってたか。
[織るための糸に不足はないが。
糸と共に織り込むもの──衣の形を整えるためのもう一つの糸の残量は心もとなく]
ここんとこ、加工の方はサボってたからねぇ……。
仕方ない、採って来るか……。
[そちらの糸は、森の奥に生える草を加工した繊維を用いて作る。
その草を摂りに行くべく籠を持ち。
肩に相棒を乗せ、ゆっくりと歩き出し]
[眠らぬのではなく「眠れぬ」のだと、告白すれば幼馴染み達やスティーヴにも言い訳が立っただろうか?]
いや、余計に叱られるな。
[むしろアヤメあたりは、問答無用で一服盛るくらいのことはしそうだと、すでにその計画が複数為されていることは知らぬままに嘆息して、寝台の上に身を起こし、窓から外を、空を見上げる]
[何がと問われて、一体何を言っているのだろうと疑問を浮かべたが、すぐにそれが自分の塗れた頬だと気づいた。
途端、反射的に愛想笑いが浮かんだが、それすらも満足になしえず、歪な笑みとなった。
それを仕舞っていない四枚の翠羽が、何処か物悲しそうに一度羽ばたいて見せた]
あ、うん、な、何でもない。そう。本当に……。
― 自宅 ―
[ ベッドから降りて、羽根を出しながら伸びをする。
寝たことで疲れは取れたが、今日は家を出る気にはならず。]
そもそも……私が2日連続で家を出たことが珍しい…。
[ 自分で言うのは何か激しく悲しくもあるが。
その時に母親が部屋へと入ってきた。
浮かぬ顔をしていた母の顔を見て苦笑いで対応する。]
……どうしたの、母様?
[ 珍しく外出する娘に虚が―――――。
とでも考えているのだろう。]
[空の青さは常と変わらず、風の鳴く音は軋みも見せず、けれど薄く広がる不安の影は見えぬ霧のように*島を覆っているようだった*]
何でもないって顔じゃないだろう。
どっか痛いのか?大丈夫か?
[妹にそうするように、リディアの頭を撫でようと立ち上がってその手を伸ばす。]
[奥に向けて、のんびりと歩みを進める。
しばらく進むと、複数の気配の集まりを感じたものの──その中に、青風の力を微かに感じて。
反射的にそちらは避けるよに歩みを進め、結界樹の湖の方へ抜ける道を辿ってゆく]
……別に、気にしちゃいないんだけどね……?
[道を変える事に怪訝そうな面持ちをするラウルには、苦笑しつつこう言って]
ん……
[短い声に籠った感情は窺いがたく。
新たな来訪者に意識を向ける男から
洞窟内へと意識を戻して、傷ついた翼の傍へ]
……気にしなくて、いいの?
[一度、下を見た。
スカートは膝上、短い靴。足は露になっている。
再び視線を持ち上げて首を傾けるも、眉が寄る]
[ 母を安心させるかのように言葉を紡ぐ。]
娘がしんぱ…ああ、いえ、
不安になるのは分かりますが。
それに関しては巫女姫殿が何とかしてくださるでしょう。
[ 声は知らずうちに沈む。
髪を手櫛で軽く整えながら、母へとつとつと。
溜め息をつく母親に、同じ様に溜め息をつく。]
どうされたのですか?
もしかして、鷹の目殿に何か言われたのですか?
[ そうではないと否定する母。
だけど、彼が来たことには間違いないらしい。
とにかくあまり家を出るな、と言って母は階下へと。]
……弱りましたね。
[ そう言って頭を抱えた。]
[カルロスも自分に気づき、そちらにも泣き顔を見られぬようにしようとした時――。
伸びてきたラスの手が。
――――何処か非現実的な光景の中で。
自分の頭を撫でようと。
――――深紅に染まって震えるている両親の手が自分の羽と頭を優しく……]
いやぁ!
[...はその場に蹲りながら、ラスの手を力の限り跳ね除けると、羽で体を包み込んだ]
─結界樹近辺─
[森の小道を抜け、結界樹の湖の辺へと抜ける。
時間によって表情を変える湖は、樹の生み出す護りの波動と共に気を鎮めてくれるもの]
……色々と始まったら、近づかせてはもらえなくなるのかねぇ……?
[呟く肩の上、相棒がぴぃぱた、と声をあげ、羽ばたく]
ああ……行っておいで。
遅くなるんじゃないよ?
[言葉は言葉として通じぬものの、しかし、その意は伝わる。
森の木の実を食べに行きたい、という主張に微かに笑みつつ、飛び立つ真白の翼を見送った]
/中/
在席状況貼ってくれるのは嬉しいけど、ほぼ同時にこられると迷う!
とりあえず、オーフェンにはラウルで絡めるとよいのだけど。
…え?
[リディアに跳ね除けられ、驚いて後ろに尻餅をついた。
ぱちぱちと目を瞬いて、羽根に包み込まれた彼女を見る。]
あ、その…ごめん。
[また、自分が臭かったのか?などと思って手首の匂いを嗅いだ。]
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