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[唐突に出て行ったエリカに、やっぱり邪魔していsまったかなぁ? と小首を傾げながらその行く先を視線で追っていて、ふと人影を見たような気がして、洞窟から出てそちらに目を凝らし――]
あ、ジョエルんだ。
お〜い!
こんにちはぁ〜!
[どうやらフラッシュバックは本当に収まり、普段の調子が出てきたらしい]
[泣かしていないと語尾が弱くなるラスに、にこりと満面の笑みを浮かべて]
ラスさんとカルロスさんに無理やり……。
[と、よよよ〜としなだれるように地面に座り込んでみた]
[お辞儀をする少年に、ラウルはぴぃ、と一声鳴いて。
桶を拾う邪魔にならぬようにとふわり、舞い上がると、くるるるる、と鳴きながら、相棒の所へと戻っていく]
……まったく……何してんの、アンタは。
食事に出たんじゃなかったのかい?
[そんなラウルの様子に呆れた声を上げつつ、身を隠していた木立の陰からゆっくりと踏み出して。
飛来する真白を、腕に止まらせる]
[リン。と球体から...微かな音が鳴る。
それに対して...は首を横に振ると、球体は桃色に色を変えて、また。リンと鳴る。
それには頷いて]
あは、それも楽しいよね。
[というと。くるくると球体が...の周囲を舞って、膨らんで、ぱっと弾けて球体ごと...は山から消えた]
え。ちょ、俺何も…!?
[リディアの声に、あわあわと慌てて。
両手をばたばたと振り、汗を飛び散らせ、冷ややかな目のジョエルに、情けなく眉を下げた。]
俺が、誰かに無体な事するわけないだろう…?
カルロス、居るよ。
なんか辛そうだったからさ、見てた。
[ジョエルの言葉には、眉を下げたまま握った手の親指で背後の洞窟を指し示す。]
[鳴き声を残し飛び去るサエーナ鳥を見送ると、木立から現れる人影が見え]
……っ!
[思わず手にした水桶を取り落とす。転がる桶から流れた水は、その場から逃げるように地面へと吸い込まれていく。
現れた相手の顔を警戒色に満ちた瞳で睨むように見つめていると、視界の内、サエーナ鳥がその相手の腕に泊まるのを確認する]
[ラスの言葉には表情を変えないまま]
ああ、お前はな。
だがカルロスは、女性に対して見境がない。
[リディアの傍に膝をつき、覗き込むように顔を見る]
怪我はなさそうだが…泣いていたのか?
……おっと。
ごめんねぇ、脅かすつもりはなかったんだけどさ。
[水桶を取り落とした少年の様子に、苦笑する。
警戒している様子には気づいていたものの、特に気にした風もなく]
ラウルが、世話かけちまったかね?
邪魔してなかったんなら、いいんだけど。
─聖殿内部にて─
[訥々と訴える少年の言葉。
巫女はその一つ一つを、静かに受け止めて]
……あなた、お名前は?
[名を問い、答えを得られたなら、その名を小さく口の中で繰り返す]
……『その人のまま』が、どういったものを示すのか、にもよるとは思うのですが……。
『堕天尸』に転じたとて、人は人のまま、本質は変わりはしない、と私は聞いています。
ただ……ほんの少し、冥い部分に捕らわれてしまっただけで。
痛み、苦しみ……それは、あるかも知れません。
けれど。
『虚』に捕らわれるという事は、本来、耐えなくてはならない痛みから逃げてしまったから……。
ですから、その分の痛みを感じる事はあるかも知れません……けれど。
死なせはしません……例え、私の命を削る事となろうとも。
[最後の言葉には、毅然とした決意の響き]
何を正しいと思うか、何が誤りと思うかは、人によって違います……。
私がこれからなそうとしている事も、もしかしたら誤りなのかも知れません。
あなたのお話くださった方にとっては、清めは辛い事だったのかも知れない……いえ、お辛かったのでしょうね。
清めを行う事で、私も、同じように誰かを傷つけてしまうかも知れません。
……けれど。
何もせずに、大切な人たちが苦しんだり、傷つくのを見るのは……辛いのです。
[静かに思いを語り。
それが、少年にどんな影響を及ぼしたのかを確かめる事無く、支度があるから、と退出を促した]
[ジョエルの言葉に、なんとなく納得してもらっているのか微妙で情けない表情のまま、それでもリディアがジョエルには安心しているのなら良いか、と思いつつリディアの横に膝をつくのを見ていた。
突き飛ばされるわ、俺のせいにされるわ、リディアは俺に恨みでもあるのか?俺なんかしたっけ?等と思いながら、ぽりぽりと後ろ頭を掻く。
指で指した後、カルロスの様子をひょいと見たが、薄く上下する胸に息を確認するとふ、と少し息を吐いた。]
ほっとけ、ってもなぁ。
[続くジョエルの言葉には、苦笑しながらもう一度後ろ頭を掻いた。]
……ラウル?
[現れた人物の腕に泊まるサエーナ鳥を見やると、紫のリボンが目に止まった。僅かに警戒色を弱めて]
……ううん、邪魔なんて、してない。その子の……友達?
―――――…。
そうですか。
[ そう言った後、僅か頭が痛む。]
ぐっ…、思った以上に真っ黒ですわね、貴方。
期待していますわ、グレイ殿。
こう見えてもか弱い女子ですので。
[ 返す声もまた他人事のように。]
[そして山のふもと。]
あは、速い速い〜あったかあったか〜♪
[陽気に笑う。既に球体はそこにはいない。]
今日は何しようかな〜、あはは
[手前の木に素早い動きで登って、眺める。
やはり目を引くのは島の中央の結果樹]
あれで清めるのか〜あははは〜。じゅぷじゅぷごしごし〜♪
……あは
清めるって何をだろうね
真っ黒、か――
黒くなければ虚に捕らわれることも無い、だろう?
お互い様、だね。
[くくくと咽を鳴らす音。
どこか楽しげな。]
[ラスの表情の変化に楽しげに笑みを浮かべながら、最後に小さく冗談だよ。と口にした。
しかし、ジョエルのカルロスに対する言葉には、少しだけ眉を潜めた]
ジョエルん、人を見かけとかで判断したらダメだよ? カルロスさんだって、女好きで、何人泣かしてきたかわからないけれど、いい人なんだから!
[そう、自分だって……と一瞬だけ表情を暗くしながら、すぐさま笑顔で泣いてたのは自分のせいだから大丈夫。と、訂正した]
そう、ラウル。この子の名前。
[にこり、と笑いつつ、ラウルの小さな頭を撫で]
邪魔じゃないなら、良かったよぅ。
ラウルはすぐにはしゃいじまうからね。
ああ……友達……ってぇいうか、まあ、相棒、かねぇ。
独りになってから、ずっと一緒にいるから。
アタシは、アヤメ。機織をしてる。
アンタは?
だーれもだーれも逃げられな〜い〜♪
笑えばそこについてくる〜♪
負〜はふふふの負〜♪
[陽気に出鱈目に歌いながら、結界樹のほうへと歩く。]
なんのために、なんのために……?
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