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[返る言葉が聞こえたなら、頼むよ! と返し。
先を飛ぶ、萌黄の翼、その動きにやれやれ、とため息一つ]
……なんでかんで、篭っててイライラしてたんじゃないのさ……。
[呆れたような呟きは、それでも、穏やかで。
しばし好きなよに飛ばせた後は、荷運びを頼むのだろうけれど。
その後、さてどうやって眠らせようか、と*巡らせるのはある種の悪巧み*]
[少女がカルロスに名乗る響きには、聞き覚えがあった。
淡々と話す言葉も、アヤメから零れ聞いた様子と符合する。]
……アヤメの所の居候か。なるほどな。
だが、その言葉を素直に信じるには今は不穏すぎる。
[カルロスから帰ってきた言葉も似たような物だった。
互いに好意など欠片もない響きだが。]
運命か。便利な言葉だ。
俺の望みか否かはともかく、違うと言うならその証を見せて欲しいがな。
[ぽつりと呟かれた問いに、しばし考えて]
……うん……うん、きっと、楽しい
水に足を浸すのよりも、気持ちいいから、楽しい
ネロは……そうじゃ、ない?楽しく、ないの?
[どうしてそんなことを聞くのだろう、と不思議そうな顔]
[エリカの名を聞けば、確認の意を込めて、小さく頷く。
普段であれば、名前を褒めちぎって口説こうとする所。
けれど、ここで彼女と仲良くするのは、流石に気が引けた。
スティーブはおそらく自分を疑っているだろうからと、エリカに近付くことすらせず]
証…ねえ。……ああ、確かに虚に堕ちれば、羽根の色が変わるとか、あったっけ?
でもねえ、残念ながら、俺は人に羽根を見せるの嫌いなんだよ。
それ以外の証明方法なんかあったかな?
当然の反応かな。
[感情は見えない]
余所者だから、奇形の翼だから、このような場所にいるから、
疑う要素は幾らでもあり、悪――堕天尸とする理由ともなる。
正義と悪の基準など、曖昧で不確かだけれど。
[腕を組み、顎に手を添える。
翼を見られた事自体は、気に留めた風はなく]
堕天尸は色彩を失うのは事実、
同時に、往々にして、それを隠す術をも有している。
色彩のみで見分けられれば僥倖だれども、
それのみにとらわれすぎないようにすべきかとは思う。
あは。一緒一緒〜♪
[返ったオーフェンの言葉に満足そうに笑みを浮かべながら]
水に浸かるよりも、草むらをかけるよりも、木に登るよりも
ずっと…ずっと……楽しいよ。
あは、オーフェンも楽しい。ってわかってるね〜
もっと他にもあるよ〜きっと、いっぱい、いっぱい…そうじゃないと……あは、あはははははは
[最初と変わらぬ陽気に笑いながら、飛び立つのなら、手を振りながら見送るだろう]
ラクな生き方ですか――――――。
彼がそう仰るなら、きっとそうなのでしょうね。
[ 抗うことを諦めたとも取れるが。]
そういえばカレン殿。
貴女は昨日、巫女姫殿が言われたことはどうお考えですか?
[ 少し話題を逸らそうかと思い、言葉を出す。]
[わからないと言って肩をすくめる狐の面には、厭うを通り越し、あきれた顔になって]
無関心だな。ずっとそのままでいるつもりなのか。
・・・それは、楽しいのか?
一緒……
うん。いっぱい楽しい、探して、見つける。
ネロとのお話も、楽しい……だから、また……ね
[ネロの満足そうな笑顔に、目を細め自然な笑顔を返す。陽気に笑うネロの表情の一瞬の機微には気づかず、両手で水桶を持ったまま大きく翼を振って応え、自宅へと飛び立った]
[カレンの言葉に、面のしたで哂う。]
さァ、愉しいか愉しくないか、――愉しいさ。
あんまりにこっけいで。
[ぺろりと、舌でくちびるをなめる。
狐の面が少し揺れた。]
[ふ、と小さく息を吐く]
エリカちゃんの冷静さは…心地良いけれど、なあんか他人事を聞いているようにも聞こえるね。
不確かと言う割には、何か自分の中で確信してるものを持っているみたいだ。
[ちらりと視線を移した後、大げさに眼を円くする]
俺は詳しくないけれど、どうやら隠せるものらしいよ?
青風の俺には、んな術は使えないだろうけど、もし仲間が居れば、そっちに協力を頼んでいるかもしれないしねえ。
…で、まだ羽根を見せる必要はあるのかな?
[見せる気はさらさら無いのだけれど]
……好きか嫌いかで選り好み出来るとも思えんが。
翼を見せたくないから隷属したとも考えられる。……少なくとも俺にはまだその方が納得できるがな。
[翼を捨てるにはそれ相応の理由があるはずだと、目で言う。]
[ロザリーに言われて、首をかくり、とかしげて考え込んだ]
冗談だと思っている?私はそうとは思えない。
けれど、できることも思いつかない。
村の様子を、見てきたけれど、普通どおりに生活している人が多かったと思う。クローディアの力もあって、騒ぎにはなっていない。
かといって、虚を見つけるために何かをしようとしている人もいなかった。
ロザリーは。何か、気がついた事はある?
僕も楽しいよ〜またね〜
[と、オーフェンが飛び立っていくのが見えなくなるまで手を振り続ける
見送った後、翼を触れた手をじっと見て、飛び立ったオーフェンの姿を思い出すようにまた空を眺めて]
あは
………あはは
あは……
あは…あははははははははははははは!!
楽しそうだね……気持ちよさそうだね……愉快だね……綺麗だね……あは… あはははははは!!
[普段の陽気なものではなく、壊れたように哄笑する。
思わず、近くに咲いている花を引き抜いて、手の中で無残に散らして、川に流した。でも足りずに、もう一輪。もう一輪。ぐしゃぐしゃにして、川に流す]
[もう何も誰もいないようなので、地を蹴って空へと飛び立つ。
空をゆるり飛べば、遠く小さくジョエルとアヤメの姿は見えるだろうか?]
…冷たい、風だな。
[頬を撫で髪の束を揺らし羽根を擦るように過ぎ去る夜風は、少し冷たく感じられた。]
[エリカの淡々とした物言いにも、眼差しは揺らがない。]
…………余所者か否かは関係ない。
堕天尸が出るのはどの島でも同じと聞く。
それに捕らえると言っても命を奪う訳でもない。堕天尸でなくば結界樹で清められるのに何の問題もないのだから抵抗の必要もないだろう。
[正義と悪という問答には鼻を鳴らす。]
確実に堕天尸を探す術のない者には、可能性が高い者を追求していくしかない。不快なら疑われないようにしてもらうしかないな。
そう?
確信か――…… 私の中には、ひとつの真実がある。
それに従って行動しているがゆえ、そう見えるだけかと思う。
[手は己の胸元へと動く]
[ふと、先程の小さな影を気にして、眼下を見ながら飛行を続けると、まだ、ひとつ見えて。
つい先日カルロスから投げ渡された少年が。
くい、と羽根をナナメにすると、滑るように高度を下げてネロの傍まで降り、]
おい、もう遅いぞ?
[言いながら、小さく砂埃を上げて着地する。]
[ざらりと、心臓を鑢にかけたような不快感。
自然、放つ声は低くなる]
アンタに、何が分かる…。
…フザけんじゃねェよ。あァ!?
[普段の態度を消し去って。まるで、手負いの獣が威嚇をする様な]
別段、不快でもない。
疑うのなら好きにすればいいと思う。
[ふ、と息を吐く。
手を下ろして、己の身体を抱えるようにした]
……捕えられたいわけではないけれど。
[その部分だけには、僅かに、感情の色が窺えた]
[ 考え込むカレンにまたも笑いかける。]
そんなに真剣に考えこまなくても。
冗談…ではないでしょうね。
そもそも私を部屋から引き摺り出しといて冗談では困ります。
……本当は冗談がいいのでしょうけども。
村の様子も他の方の様子も私は存じませんが。
気付いたこと…ですか…。
[ 答えを求めるように、ケイジへと視線を移す。]
[ひとしきり哄笑したら、何事もなかったようにぴたりと止まる]
うん、楽しいよ。楽しい。
でも 足りない
[ぼそりと呟きながら、流れていった花を見送って、どこにいこうか。となった時、降り立った人が来て、人よりも翼を見ながら]
あは、遅くないよ〜、誰も待ってないもの
楽しい……
うん、空を飛ぶの……楽しい
受ける風の冷たさも、眼下に見える風景も……
[少しだけ温かい気持ちになり、穏やかな表情を浮かべ島外れの自宅へと戻った]
追求は時には、負の感情を深めさせる。
[吼えるような声に、眼を眇めた]
そのままでは、たとえ無実の者だとしても、
新たに堕天尸を生むのではないかな。
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