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[こっけいだ、と言っては面の下で笑う気配。揺れる面。しばらく、じっと見ていたが]
そうか。私は特に、面白く感じない。
[珍しく、あからさまにむくれた顔になった。ぷう、と軽く頬が膨らむ]
気付いた事か。
さすがに無かったな。
ここでエリカ嬢に会ったくらいだ。
[彼女と言葉を交わしたロザリーを見る。]
まァ、巫女殿がなんとかするんじゃないか
…………裂いて引きずり出す訳にもいくまい。
[睥睨するカルロスへ、口を歪めて吐き捨てる。
手負いの獣を見る目は、その生業のままに哀れみなどない。]
判って欲しいなら言ってみろ。言えるのならばな。
だがお前の好悪に関わらず、巫女の命には逆らえん。
そのよく動く口の言う通り善良な人間な人間なら、巫女の心を痛めるようなことはするまいな。
[釘刺し一睨みして翼を動かす。大きく風が巻き起こる。]
翼の色は隠せるか。
…………忠告は覚えておこう。
[後へと岩を蹴り、風を孕んだ二対の翼で*夜の空へと*。]
いや、誰も待ってないとかじゃなくてだな…。
獣とかいるかもしれないし、危ないだろう?
夜も遅いぞ、って事だよ。
[言って、その頭をなで繰り回そうと、ゆらりと羽を揺らしながら長い手を伸ばした。]
[ ケイジから言葉が返ってくれば、少し残念そうに。]
そうですか。
私も特に気付いたことはありませんね。
エリカ殿…余所から来た者がそうだとは限らないでしょうけど。
[ どちらにせよ、とぼんやり考える。]
無作為に人を疑いたくはありませんね。
こういう状況にした巫女姫殿には頑張って頂かないと。
[ 少し言葉に棘があるのは無意識である。]
[撫でる手からは逃れるわけでもなく、ただちらちらと揺れる羽を見つつ]
夜は遅くないよ〜。いつも同じようにやってくるもの〜。じゃないとみんな寝れなくて困っちゃうからね〜
[にこにこと陽気に、見当外れなことを返事する。
危険といった類の忠告はやっぱりあまり聞いていない。]
ローディちゃんの命令ね…。
[その名前を呼べば、それでも普段の通りの態度に近付き]
ははッ。可愛い女の子の頼みなら、そうそう断りはしないさ。
ご生憎、女の子の心を痛める理由なんてのは、俺が男前すぎるって理由一つで十分間に合っててね。
[飛び立つその紫紺を、見上げる眼差しは、常よりも細く鋭い]
さてはて、一体誰が虚の影響を受けた者――なのか。
[口調は決して、深刻そうにはきこえない。
楽観しているとも取れるだろうが。]
ロザリンド。そんなことを言うと、過保護な付き人殿に怒られてしまうだろうよ
[くすくすと哂って、おかしな忠告。]
ん?…んんん?
まぁ、そうだな。
間違ったことは言ってないが…危ないぞ。
帰る家は、どこだ?
[わしゃわしゃと頭を撫でくりまわしつつ、あぐらを掻いて顔を覗き込む。]
……同じ生き物であれど、心の共有は叶わない。
叶わないがゆえに、人は、言葉を尽くそうとする。
[訥々と呟かれる独り言は場違いな響きを帯びた。
男の巻き起こす風の余波に、常にはない翼の影響もあって、バランスを崩す。ぺたりと地に座り込んだ。
雲の海が、近い]
ちゃんと拾い主のところで生活しているものだと思っていたが。
[カレンがエリカのことを語るのに、狐はおもしろそうに言った。]
そうでもなさそうだな。
趣味が悪いか。それは、今更だな
[クツクツ、低くわらう。]
って、あー…。ごめん、エリカちゃん。
[姿が見えなくなった瞬間、唐突に脱力し、謝罪。
言い訳染みたことを幾つか口にする]
変な所、見せちゃったね。あんまり仲が良くないもんだから。
怖がられて無いと良いんだけどな。
…って、そこ危ないよ?ほら、手え出して、こっちおいで。
[手を差し出して、雲海から離れさせようと]
[ 笑うケイジに視線を向ける。]
確かにジョエル殿に叱られそうですね。
お小言は勘弁ですよ。
[ カレンの言葉には。]
カレン殿…、異常事態とは…何というか。
まぁ、否定はしませんが。
[ そう言って少し項垂れる。
それから、頭を上げて。]
ではカレン殿も笑えるお話を。
ケイジ様、カレン殿。
私がもし虚に影響された者であったなら、どうします?
[ 問いかけてみる。]
[ネロの言葉に、ぱちぱちと目を瞬いて頭をくしゃくしゃする手を止める。
きょとりとその目を覗きこみ、同じ方向に首を傾けた。]
家、無いのか?
寒いだろう、外で寝てたら。
うちくるか?狭いし汚いけどまぁ雨風くらいは凌げるぞ。
[緩い笑みを作った。]
[動かぬエリカにきょとんとした眼差しを向け、]
どーした?向こう側に、何かがあるのかい?
行きたい場所だとか。帰りたい場所だとか。…さすがに今は、結界があるから無理だと思うけどさ。
[話しかけつつ、何かの弾みに落ちたりしない様、そっとその手を取ろうとするだろう]
とつぜん、何を? ロザリンド。
[くすり、わらいがこぼれた。]
そうだな。巫女殿に引き渡されたいならばそうしよう。
そうでないなら、――かくまってやろうか。
[愉快げな調子はかわらずに。]
お嬢様のお望み通りに。
[口上はなめらか、劇のようにすらりと言葉になった。]
うん。無い。
待ってる人いない、だからネロは遅くならないんだよ〜、いいでしょ〜
[首を同じ方向に傾けたのを見ながら陽気にきっぱり言った後
誘う言葉には首をゆるゆると横に振って]
あは、大丈夫。なんでかな〜?でも大丈夫〜。外で寝るのは楽しいもの〜
[理由も当人だってわからないのに自信満々に言ってから]
ねえねえ、この川は、どこから流れているのかな?
あの山かな。あっちの湖かな?
[ 愉快そうなケイジに満足そうに返事をする。]
あら、匿って頂けますか?
基本的には、巫女姫殿に封じられてしまうのですね。
そうなると、誰がそうであってもやはり悲しいものです。
[ 瞳を少し伏せて、そう呟く。]
カレン殿は如何でしょうか?
……笑えるお話ではなかったですか?
[ 首を捻りながら返答を待つ。]
――……ぁあ、
想像以上に、心というのは、影響を与えるものらしい。
[何処までも、他人事のような言いよう]
もしかするととは思っていたのだけれど、
脳からの命令を身体が受け付けない――動けない。
命令を受け付けないのではなく、命令が送れていないのかな。
動かなければ危険と解っているのに、動けないというのは難儀な話……
[取られる手に、声が止まる]
無作為に人を疑いたくない、というのは同意する。
けれど、今の状態じゃ、誰もが怪しくて誰もが怪しくない。誰がどれだけ負の心を抱えているかなど、きちんとはかれるものさしなどないだろうから。自分の疑いたい人を、疑ってしまうだろうさ。
まあ、会う人会う人いちいち疑ってられない、というのが私の正直な実感なんだけど。
[>>440に、眉を上げた]
ロザリーが堕天、ね。それは確かに、笑えるな。
[言うが、笑顔にはならず]
虚なら、私はクローディアに引き渡すだろうね。面倒ごとは、別に好きではないから。
けれどもそれ以前に何故、ロザリーみたいな人にとりついたのかがとっても不思議だ。
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