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改築か…。土台のしっかりした家なら、新しく立てるより良いものができると思う。
安易にそう走らないのは正解、だな。
…古い、と聞くと、どうにも見に行きたくなって参るな。
[ぽり、と頬を掻いた]
[――あ、だれかの、こえが、きこえる。
そう思って、少女は抱きしめた体のあたたかさを、慌てて思い出しました。なんだか、声に気をとられていてはいけないような気がしたのです。
実際、誰にも気付かれなかったようでした。
ちょうどその時、九重利吉という、少女に抱きつかれている人も、何かを感じたようだったから、気付かれなかったのでしょうけれど。]
[はいよ、と史人には片手を上げた。
その際に綾野の姿が見えて、ちらとその背中を見たりもしたけれど。]
若いなァ。
・・・ま、確かにこんな場所で話すコトでもないッしょ。
[拳を突き上げる聡に、苦笑交じりに同意した。]
ボクはもはやちょっと背が伸びたくらいじゃどうにもならないな。
でもあと1cm…あと1cmほしかったな……あと1cmで140だったんだけどね。
[裕樹と玲に笑いかけた]
[そういえば、と、少女は思い出しました。
何か、聞こえたっていうのは、もしかして前にも聞いたことがなかったかしらって。
それは、この村にやってくる前で、
それは、まだなんにもしらない夢の中で、
少女はこれから行く場所、つまり此処に来た時のことを考えていて。
――そう、確か、はっきりと耳の中に、
いいえ、頭の中に、残っています。]
そうそう。
あはは、涼ちゃん煙草吸ってみたいの?
[ものすごく好奇心いっぱいの目でこちらを見る涼に笑って。]
そうそう、ブラックの珈琲を美味しいって思えてくると煙草も美味しく思えるわよ。
ああえっと、真っ当な生活っていうのは…そうね。
自分でお金を稼いで、人に迷惑をかけない…自分のした事に責任持てる生活、かしら。
まぁ涼ちゃんが煙草吸って、誰にも迷惑かけないっていうんなら一本くらいあげてもいいんだけど、ね。
[それは暗にまだ保護者、この場合は利吉含めたそれに迷惑をかける事になると暗に言っていたり。
それに涼が気づいたかどうかは分からないが。]
そうだな、似て非なると言う言葉がしっくりくる。
[両手を胸元に掲げ]
掌を向かい合わせれば寸分なく重なるのに、掌と甲だと思いきりズレるのが近いか、と。
ああ、他の部屋も見たいが…段々時刻も時刻だし、また明日以降にした方が良いかもしれないな。
そう、桜の巫女。
ああ、君は孝博か。
先日は旅籠が珍しくにぎやかだったらしいね。
彼らも不幸なときにきたものだね。
[くすくすと笑い声をもらし]
そう、孝博のよくしる琉璃だよ、ボクは。
んっ、もう一つ意識…が…?
[それは不鮮明にまた遠ざかっていき]
気のせい、かな?
まぁ、いいや。
孝博もこの村の出身者なら桜の巫女の伝説は聞いたことがあるよね?
[ほっぺつねられたまんま、おねーさんを見る。]
うー……
[ぎゅうってしてるりきっちゃんに目をやる。上を向くの疲れるけど。]
うー……
[あきらめることにした。とっても、名残惜しいけど。しゅーん。]
あっはっは。さっちゃん熱いわねー。
まー言ってる事、あながちハズレてはないと思うけど。
[拳を振り上げる聡(生?)暖かい目で見ながら。]
始まる前から熱くなったら、本番でコケるわよ?
[ちょっとは落ち着きなさいとは暗に。]
[声を落とし、また視線もわずかに落とした榛名。だが小説の話となればやはり嬉しげで]
ええ。私はたいした読み手ではありませんで、それほど深くいえることはないの葉申し訳ないことですがね。
[たはは。と誤魔化すように、申し訳ないように笑い頭を軽くかき]
この村に住んでいたというのもあったのかもしれませんが、時を忘れて読んでしまいましたよ
[それは事実だ。ときっぱり。何せその日は寝不足だったのだ
手紙といったのに対して、まさか?という言葉には内心軽く首をかしげるが。それを知る由はないまま、声を落としたりしたのを体調が悪いのかと誤解して]
そろそろ日も暮れてきます。
暖かくなってきたとはいえ夜はまだ肌寒い
屋内に入りませんか?
[旅籠を見てそう誘う。家にというなら送る心算ではあるが]
[りきっちゃんに抱きついてたけど、離れて、自分のほっぺをむにむにする。むにむにむにむに。痛かったんだから!]
さっちゃんの意地悪!
ほんとのこと言っただけなのに!
[りきっちゃんは、頼るなって言ってるけど。]
――りきっちゃんは馬鹿!
[玲との微妙な距離感を、いっそ楽しんでいるかのようで]
ああ、うん。
時間が平気なら、他も頼みたい、が。
[くるり、建物を眺め]
…確かに、規格は……。
兄妹揃って、家で同じ体験をしたのかな。
[悪戯に笑う]
りっチャン、女の子泣かせんのはマズいっしょ。
もっと丁寧に扱わんと。
[利吉を見て、涼を見る。
話の流れはさっぱり分かっていない癖に、そんなことをのたまった。]
・・・さて、と。
んじゃ、オレもそろそろ退散しまッス。
[カメラを鞄の中に突っ込み、桜をちらりと見上げた。
引き止められないならば、そのまま降りて行こうとする。]
人の生き死になど、ままならないもの。
それをどうこう言ったところで益など無し。
そう、死んだ者は帰ってこない。それが絶対。それを乗り越えられないようでは。
[そう言って、チラリと少し離れたところにいる綾野を見やる。
だがすぐに視線を戻すと]
まあ、これ以上は語る舌を持たん。察せよ。
[帰り着いたものの、何となく中に入る気にはならず。
また庭の木に寄りかかり、新しい煙草を出して火を点ける。
視線は、色彩の変わり始める、空へ]
……明日、墓参りがてら、文句の一つも言いに行くか。
[しばし、空を見上げて。
呟いたのは、そんな言葉]
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