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[裕樹に微笑みかけながら]
ああ、でもうちは洋式の建物だよ?
明治時代のモダン調のお屋敷って言えば伝わるかな?
お眼鏡にかなうかはわからないけど、
見たいなら今度案内するよ。
[時刻のことを言われ窓の外を見ればだいぶ時間もすぎており]
ああ、そうだね。
それじゃあそろそろ解散しようかな?
そういえば孝博もこっちに戻ってきてるんだっけ?
彼とも久しぶりに会っておきたいな。
…ええまぁ。
兄さんに注意した直後、とか。
[モゴモゴ。少し赤くなりながら、でも素直に答える]
まだ兄さんも帰っていませんし。
私はどちらでもいいですけれど。
[父親もあの様子では食事を忘れかけたりするだろう。
少しぐらい遅くても、などと普段ならしない思考]
[求めてくれた声を、少女が忘れるわけはありませんでした。
そして求めてくれたその存在の感覚をも、忘れられるわけがありませんでした。
大切にしてくれているのも、愛されているのも、自分がとても満ち足りているのも知っていたけれど、
少女を求める、その声が、ほんとうにあったら良いのにと、夢の中でも思っていました。]
ッ、あァ。
親父も、喜んで・・・・
[目の前にいないヒトとの世間話に、違和を覚えながらも。]
その話なら、ガキの頃からよく。
[直ぐ傍にある桜を、ちらりと見上げた。]
琉璃兄の家の方が大きいかな。
うちみたいな平屋じゃないし。
[どちらにともなく言って]
うん、昨日会った。
何だか、変わってた…。
[フッと声が沈んだ]
あはは、私は吸う方だしねー。
[わざわざ(利吉の当てつけであったとしても)言う涼に、ありがと、と言って。
涼が利吉を馬鹿というのをあららといった様子で見ながら。]
さっちゃんも利吉も、駄目でしょー。
女の子にはもうちょっと優しくしてあげないと。
[二人に注意。]
―― なんだか、へんなかんじ?
[少し、眉を寄せて、少女は考えました。
それが自分だけではなく、他の誰かにも届く音になっているなんて、考えられませんでした。]
あと1cmの気持ちはよく分かる。
[力強く頷いた。
掌を重ねる玲の様子に少し和んで]
化学の先生が、何かの説明の時に言ってたんだ。
ちょうど今、思い出した。
…お祭り、明日なんだ。
本当にすまなかったな。そんな時に押しかけて。
今日はこの辺りでおいとまさせていただくよ。
口癖で悪かったね。
[ぷぅと頬を膨らませてすねてみせるそぶりを見せてから、
両の手を二人をまねるようにあわせて]
似て…、非なる…。
決して重なることのない…。
なんだか歌の文句みたいだね。
[くすりと笑み、ゆっくりとした声色で即興の歌を口ずさむ]
一人一人は皆同じ人、
皆似、異なる違う人、
心は重なり、交わり、
それぞれのを刻み。
[くすりと二人に笑いかけて]
新曲の案に使えるかな?
読んでもらえるだけでも、嬉しいよ。
私の作品を、論じて欲しいわけじゃ、無いから。
楽しんでもらえたなら、それで、良い。
[申し訳無さそうな蓮実にゆるりと首を横に振り、微笑みかけた。中に入らないか、と言われると]
ああ、そう、だね。
ちょっと、用事があるから、旅籠に、入ろうか。
人を、待ってるんだ。
[頷いて、旅籠の中へと入る。旅籠の主人が榛名の姿を見ると、『まだ来てないよ』と言ったが、ここで待たせて欲しいとの旨を伝えると、快く承諾してくれた]
そう言えば、蓮実君が今回、戻ってきたのって、祭りの、ため?
ここを出た人が、何人か、戻って、来てるんだよ、ね。
[「もう、会ったかな?」と訊ねかけながら、適当な場所へと座る]
いやいや、よくねーよ。
なァ?
[頭を掻く利吉には、矢張り事情やら何やらを理解しないまま。
同意を求めるように、涼に視線を向けた。]
優しくしてほしいけど!
[主にりきっちゃんに!でもりきっちゃんは優しいかなーって思って、さっちゃんを見る。]
いいじゃん、呼び方可愛いほうがいいよ!
それにからかってないよ!
[あっちこっち動いた視線は最終的に、こっくり、頷くために孝博に向いた。]
うん!
……何が?
[うなずこうって思ったけど、内容理解してなかったなんていわない。]
[ ざわり ]
[涼からの視線に妙なモノを感じて、其方に目を向ける。]
へ?
・・・・今、何か、
[響くコエに、小さく目を見開いた。]
モダン調か…それはそれで面白そうだな。
祭が終わった後に、機会があれば是非。
…ふむ。此処より大きいなら見応えがありそうだ。
[楽しそうに、にこりと笑う]
正確には明日はまだ祭祀の中には入らないのですけれど。
明日からは準備が本格化するから。
ウチより奥にあるの、祭祀を取り仕切る宮司の家なんです。
だから色々お手伝いとかもあったりして。
父さんは今回の祭具も手がけてるし。
[いいえ、と首を振りながら、裕樹に簡単に説明して]
父さんも、認めたみたいだし。
こちらこそちゃんとできなくてごめんなさい。
[ぺこ、と軽く頭を下げた]
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