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…暑いし。意味分かんないし。面倒。
『暑い?お前、暑いのが嫌なのか』
そもそも、お前が嫌だ。
[それを言ってしまっては身も蓋もない。
だいたい、何のためにこの部屋で扇風機を回しているのだとこのひよ子は思っているのだろうか。
ところが、ひよ子は何かを思いついたように画面の中で!とマークを飛ばした。
変なところまでこだわるひよ子だ]
『暑い。暑いとな?それならば、私がどうにかしてやろう!』
……は?
[胡散臭いといったらありはしない。
けれど、ひよ子は相変わらず腹を突き出すようにふんぞり返って何やら自信ありげにピヨピヨ騒ぎ出す]
……そも、魔が助けを求める事に驚いたぞ。
俺は。
[ 己に憑いていたモノの印象の所為だろうか。
撫でるさまを見やりつつ、ねーわー、と思っていたりなんなり。
指摘を受け、視線を滑らせる先は、宙。
とは言え視えぬのではなく、正真正銘、其処には何も“無い” ]
隠れてる、っつか。
俺と同化したようなもん、つか……
まあ、それ以前も、しょっちゅう姿変わって解らん奴だったが。
恥ずかしがりっつー、可愛いもんじゃないな。
[ 上手く説明する言葉が見つからず、曖昧に濁した ]
[使い魔の主は上でうとうとしてたり、別所で優雅にティータイムしてたりする訳だが。
当の使い魔たちは、のんびりと遊んでいたりしたのだが。
……真白と翠、来訪者に動きをぴた、と止めて。
じいいい、とそちらを観察]
なーるほどねえ。
が、あるかどうか解んないから却下。
[ さらり。実も蓋もない言い様だった ]
その間に相手側に力つけられて、
見つけられて一挙に攻められる恐れもある。
やるんなら、恐らく結束の取れていない今のうちだと思うね、むしろ。
[ 何より、詰まらない。
その理由は内に秘めておくとして、]
……そーいや、旅行とかなんとか言ってなかったか?
下手すると、行けずに終わるぞ?
[ もう一つの問題点もあったが、まだ其方は口にせず ]
[音がしたほうを見る。
真っ白だが羽根の先だけ赤い鳥と。淡い翠色の毛玉がいる。見たことないだけで知らない生物だろうか。少なくとも腕のほうの空想上の生き物よりは受け入れやすいが。
人を見ても逃げようとしないのは]
飼われてんのかね。
[物珍しさで驚かせない程度にゆっくりと近づいてみた]
[たん、たん、たん。
長めの石段を軽快に駆け上がる。一段飛ばしで石段を登りきると、一度辺りを見回してから、境内へと足を踏み入れた]
…まだ、集まっては無いかな。
っと…?
[境内に見慣れた人影。にま、と笑うと、こそーっとその背後へ近付こうとする]
[真白と翠、近づかれても動かずに。
翠の方は、腕に巻きついているものに視線が行ってるかも知れない。
触られたなら、それらが似たような力を宿しているのは容易く知れるだろう]
[噴出す気配は、多分気づいていたものの。
それに突っ込む余力はなかった。
そこで突っ込んだら更に説教増える可能性もあったし、何より休息が必要だったのは、事実な訳で]
[普段なら背後の幸貴に気づきそうなものを暑さと意図的に気配を消してるのと
目の前の見慣れない動物に気を取られてるため気づかずに]
…逃げんのだな。警戒心を持て。いや俺はなんもしないけど
[素行の悪いのに見つかったらどうするんだという態で。
翠の毛玉の視線に見えてるのか?と思って己の腕に巻きついてる蒼龍を見れば、そいつも何か毛玉と鳥を見ていたが、すぐにそれが関係があると頭に回らず…というかそんな事態ではない。蒼龍のうろこが反射して写し見えた存在を認識して
戦闘態勢…というか逃亡態勢で距離をとろうと]
[こちらに気付いていないらしい恭也にゆっくりと近付いて行って]
なーにしてんだよっ!
[と言いながら、己の腕を相手の首の後ろへと回し、がしっと一方的に肩を組むような形で捕獲しようとする]
『だから、どうにかしてやろうと言ってるのだ!
ありがたく思え』
絶対いやだ。
『何をー!!』
[アイスを食べ終え、皿にスプーンを置いて片付けようと立ち上がりかけたところで、携帯の画面が目に入り思わず動きが止まる。
画面からひよ子の姿が消え、ひよ子はベッドの上に、もすん、と埋まっていた。
デジタルからぬいぐるみになった、ぐらいしか思わなかったのだが、そうも言ってられない事態になる]
『───南天老陽火之気 火和火 火即木成』
[さっきまでデジタル音声で聞こえてきたのとは全く違う声が、頭の中で、わあん、と梵鐘のように響く。
まるで沸騰した鍋の中身のように膨れ上がった赤い炎が体を包み込んだような、赤い光がちかりと煌くのをどこかに見たような気がしたのだが。
は、と気がついたときにはひよ子はデジタル画面の中ですっかりへばっていた]
『…ど、どーだ。涼しくなった、だろう』
[言われてみれば、確かに先ほどまでのむっとした暑さを感じない。
感じないどころか、まるで春先のような快適さ。
思わず、扇風機のスイッチを足で止めてしまうほど]
『さー、神社に、行け』
…結局それかよ。
[しかし、かくして30分後───。
携帯をカーゴパンツのポケットに突っこんで、石段の下に少年はいた。
非常に不機嫌そうな顔をして]
−自宅→瑞雲神社・石段下−
[結局気づくのは遅すぎた。ついでにいえば暑さと道のりまでので動きも鈍くなっていりであっさり捕獲され]
だーー。暑苦しいはーユキタカー
神社で何か聞けるとか璃佳から連絡あったから来たんだよ。
[しっかり捕獲されてるためじたばたしても逃げれないと既に知ってる…というか下手に暴れたら更に痛みが追加されるので口調とは裏腹に大人しくしている]
……なるほど。同質なのにまるで正反対の印象を受けたのはそこか。
[彼に助けをもとめたソレは、己の力で自宅以外に外出している場合は本体の周辺に電子層を作り上げ光の歪曲と電子の組み換えによって別の生き物のように見せているだけだ。
それに対してアズマのソレは、幽霊的なイメージのものなのだろう。どうりでアズマの後ろに影がダブったような印象を受けるものだと理解した。
だからこそ、その後に続いた言葉に、眉根を顰めるしかなかった]
……できれば積極的な闘いは避けたいものだが……仕方ない部分もあるだろうな。
[ソレを助けると決めた時に、何となく闘いも視野に入れていた。もちろん、タイムアウトなど一番甘い考えなのはわかっていたが、縋りたいと思う気持ちが大きかった。
...は大きく溜息をつくと、仕方なさそうに呟いた]
……旅行のために、早期解決が一番、か。
正反対、てのがよくわからんが。
まあ。
北欧産だし、その辺りも関係あるんじゃね。
[ ねぇよ。
というツッコミを受けそうな事を平然と言った。
実際、言ってしまえば古典的な存在であるから、
ヒサタカの推測は当たっていると言えるのだろう ]
……てぇかさ。お前。そもそも。
[ 返って来た答えに、
溜息交じりにもう一つの問いを投げかける ]
――桂と戦えんの?
なんなら、一緒に旅行したいからって、
結界張った奴どうにかさせんのも手だぞ。
ああ、あの電話か。
ってそうじゃなく。
下見て何してんの、ってこと。
[ユキタカ呼ばわりはいつものこと。元来そう呼ばれても気にしない性質であるために、恭也を捕獲したままからからと笑う。腕はしっかり首をホールド出来る位置に持ってきているため、暴れないのは正解。
恭也が見ていたであろう場所に視線を移すと、ふわもこが2つこちらを見上げていた]
おろ、こいつら……。
―女子寮―
「けーちゃーん、でんごーん」
[ちびっこい三年生(これでも前寮長様なのだが)に呼ばれ、転寝モード解除。生欠伸を殺しながら部屋から出て]
はいな、なんでしょ。
「りかちゃんがね、瑞雲神社にきて欲しいって」
リカ?ああ、あの一年生ですか。
ふぅん。瑞雲神社にね。
[二人の顔を思い浮かべ、ちょっと物騒な笑みが唇に浮かびかけたりして]
っと――
[ 闇の内から光の在る方向へと視線を転じてみれば、
日は幾分傾いて、若干涼しいと言える時刻になって来ていた ]
あそこにいたメンバーから、
何か解ったから神社に来いって連絡受けたんだ。
お前は行くか?
下手すりゃ、敵陣の真ん中に飛び込むことになるが。
[こういうときだけユキタカと呼ぶのはいつものことであったりとかで]
下見てって。なんか見慣れないのがいたから見てただけで何もしてない。
[まあまだ捕獲されてなかったら触れるぐらいしたかもしれないが]
なんだ?見たことあるの?まあ飼われてるみたいだけど。
というかそろそろ離してくんない
[石段を見上げれば、ポケットから携帯を取り出せば、ゴロゴロ全力でくつろぐひよ子の姿。
軽く殺意を覚えたが]
…本当にここでいいんだろうな。
[これ以上喋られても困るので声ではなく文字でリアクションさせる。
携帯には知らないうちに飾り紐状のストラップがついていて、おそらくそれはひよ子の自己主張だと思われた]
『ここだ。さあ、行け!』
…行け、じゃねえよ。
この福岡銘菓。
『東京銘菓だ』
[くだらない押し問答が面倒になり、これ以上自分の機嫌が悪くならないうちにと携帯を閉じて石段を登り始める]
[恭也が見ていたのは鳳凰と麒麟の使い魔。こんなところで遊ばせて良いのかな、と思いながら見つめていると]
………?
[ハーフパンツのポケットの中で何かが動いたような気がした。不思議に思ったが、それ以上は何も起きなかったために、首を傾げるに留まったのだが。
2匹のふわもこはしっかりと気付いて、ポケットに視線を向けていたかもしれない]
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