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……それが本当なら。
人狼だけを処すことも可能なんじゃ。
[頷くイレーネを見て、ぽつりと言葉が漏れた]
事を起こされる前に、こちらから起こすことも可能、かも。
ふふふ。
期待させていただきますね、ゲイト。
[表ではまだ聞かない振り。
エウリノの享楽を好む意識は容易に彼のもう一面も呼び起こす]
疑心暗鬼は隙を生む。
我らを利する素晴らしい間を。
実に、楽しみです。
んぎゃあ!?
[ハインリヒにぐりぐりとされて、ミリィが大げさに騒いだ]
痛い痛い痛いってば、おじさん!
あ、あれだわさ!
年寄りをいたわるという言葉と同時に、おじさんには、若いのを可愛がるという言葉を覚えるのが必須よ!
乙女のちょっとした冗談も分からないなんて、それだから、もてないのよ!
[ぎゃーぎゃー言いながら、じたばた]
[ハインリヒの言葉に苦笑を返し、けれど否定はせず]
ん、そうですか。私たちのほうは何もないですよ。大丈夫です。
[聞こえたアーベルの返答に、くるりと向き直る。]
もう。それってまるで、私がヒトに食べられないもの作ってるみたいな言い方じゃない?
[失礼な、と腰に手を当てる。
ユリアンの返事には、頷いて。]
そっか。なら、良かったで……
[言いかけて、イレーネの言葉が耳に入る。]
イレーネ? それって、……凄いじゃない。
[ぱっと表情に光が差した。]
……賑やかだねぇ。
[ハインリヒとミリィの様子にこんな呟きをもらして]
ん、ティルも来たか。
[続けてやって来た少年に、いつもと変わらぬ様子で声をかける]
ミリィの元気さを分けていただきましたから。
[ブリジットの言葉もサラリと流す。
ティルの声に振り向いて]
ああ、ティル。昨日は失礼をしました。
不足などはありませんでしたか?
[ぐりぐりされてる中、ブリジットの言葉が聞こえてきた気がするが、痛みに負けてよく分からない]
ぶ、ブリジットさん!
今、取り込み中!
挨拶は後にして〜!
[いまだに、じたばた]
[ああ、と。エウリノの、ロストの声を聞き。
二人が二人であって違うものなのを知る。
表では、何時もと変わらない人が。
この赤い赤い狂乱の世界ではこんなにも。
心が、冷えて満たされてゆく。
冷たく甘く。世界に満ちる。
それに幸せを感じる自分は、もはや人であって人でないのだから。]
すべては主の心のままに…。
[深く深く、主に拝した。]
ほら、大人気ないですよ。
[最初は手を出さずに、だが自分に声を掛けても続けるのを見ればそう言ってハインリヒの肩を叩き]
ミリィもちゃんと謝りましょう。
故意でないことは良く分かっていますけれどね。
[さすがに煩くなったのか、ティルが来た事もありミリィのコメカミから手を離す]
ったく、口のへらねー嬢ちゃんだな。
その余りまくった言葉の片隅でいいから謝罪の言葉を混ぜやがれってんだ。なあ?
[と、周りに同意を求めた後で。ユーディットの言葉に気がついて]
ん?イレーネの何が凄いって?
世が塔ならば黒き影は怒りである。
塔でなくともそれは同様。
だが黒き影が本質でなく実体なら?
異形が神の遣いなら祈らねばならない。
その怒りを鎮めんがために。
異形が神の遣いでないなら?
――それも同様!
星を仰いで祈らなければ。
早く薪を用意しないと。
[アーベルに頷き、早口に言ってから荷物より筆入れを抜く。ペンを取り出しては、掌に黙々と何か細かい文字を書き始め]
[けれど思う事があるのか、不意に沈黙を落として、口許に手を添える。
喧騒はやや遠くなるも、向き直ったユーディットの視線に顔を上げ]
――ん?
何か、言った?
[イレーネに明るい表情を向ける様を視界に留めつつ、問うた]
こんちはー。
[挨拶をして、中に入る。途中、エーリッヒには手を振って挨拶をして。
オトフリートの傍に行けば]
オト先生、昨日はご馳走さまでした。
先生も大丈夫…みたいだね。今日は顔色悪くないし。
[そして騒いでいるミリィの方をちらりとみて]
なーるほど。
[にやりとした表情で笑った]
俺達は、ゲイトが撒く種を芽吹かせないといけないな。
疑心暗鬼の隙を突いて、更に広めなければ。
──惨劇の宴を楽しむためにも。
…?…?…
[やっとのことで解放されたが、頭がぐわんぐわんする。
目がちかちかとして、星が出ているような気もする]
と、扉の近くでぼーっと、ちてるのが、わ、悪いのさね。
[ふらふらよろめく]
[ユリアンにこくりと頷く。]
うん…あ、でも。
[と、少し間をあけて。]
まだ今、見えるわけじゃないの。
いつ見えるかは、具体的には分からなくて…。
それに、見分けることが出来る人数も限られてて。
一日に、一人だけ。って。
[そう、指を折り、口伝を思い出すようにしながら口にする。]
[平和な騒がしさをあたたかく見守りつつ。
ハインリヒの問いには、簡潔に。]
イレーネさんが、人狼と人間が見分けられるって。
そういう力があるそうなんです。
[しかし、若干興奮気味に答えた。]
[騒がしくなって来た店内をぐるり見回し、人数を数え。
ふと、気にかかった事が一つ。
そしてそれを問えそうなのは、取りあえずここには一人]
……ところで、アーベル君や、一つ聞きたいんだが。
ノーラ、大丈夫なのかね。
[青年に近づき、昨日、大分ショックを受けていた様子の幼馴染の事を問いかけて]
[薪。その意味するところは何か。
掌に文字を書いていく様を、数歩離れた場所で、視界の端に留める]
イコールでなくとも、イコールに繋がる。
辿る道は違えど、向かう先は唯一。
つまりは結局、
僕らが為すべき事は一つという事でしょうかね。
[問いとも言えぬ、淡々とした言葉]
[ユーディットの笑顔に、戸惑うような照れたような、そんな顔をして俯いた。
凄くない、と言いたかったが、この状況下でこれ以上の力は無いように思えたので、何も言えぬまま。
ふとミリィの声が聞こえたので顔をあげると、何やらハインリヒと楽しそうだったので、少しだけ、ほんの少しだけ、笑った。]
なるほど、とは?
[ティルの視線を追ってミリィに辿り着き]
何を期待していますか、君は。
まあ、お邪魔すると約束していましたしね。
[僅かに早口になっていることは本人だけが気付いていない]
…イレーネに見分ける力が?
[興奮した様子のユーディットの声に、イレーネを見た]
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