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エルザ姉。
ちょっと、出かけて来る。
一日中篭ってても、仕方ないしさ。
[大きめの声を投げかけ、扉を押し開く。
付き従う影のように、白猫も隙間から滑り出た。
まだ日の落ち切らぬ時分、風は生温く、空気は何処か、*澱みを持っていた*]
[村の雰囲気は正直言って悪い。
だから人の居なさそうな場所を選んだつもりだった]
…のですけれど。
[気付いたのが墓地に踏み入ってからだったのは、それだけ疲れていたということだろうか。
止めた足の下でパキリと小枝が折れた]
[耳に届く、パキリ、という軽い音。
誰か来たのかと振り返った先には、思わぬ人物の姿があり]
……あれ、先生。
どーかしましたか、こんなとこで?
[緩く、首を傾げつつ、問う。
吹き抜ける風が、先ほど備えたばかりの花を揺らした]
/*
>ゲイト
心臓喰って終わるつもりだった!
全部喰ってCOに変えても良いかぁ。
ゲイト吊り=俺完全CO って流れになりそうだw
/*
全部がいいな(ぎゅ
うんまぁ、あんまし吊られないようにも頑張りたいけど。
一族に執着してるから、できれば血を残したいって思ってるだろうし。
その辺は全体の流れ次第なんだけどねー。
と、一旦退席。またあとで。
なるほど。
確かに、引き篭もりたくはないけど、出辛い状況ですからね。
[ため息混じりの笑みに返すのは、こちらも苦笑]
ああ……ちょっと、墓参りに。
父の、命日なんで。
皆さんの気持ちを分からないとは言いませんが。
患者さん本人にも怯えられてはやりにくくてかないませんよ。
…これは、失礼を致しました。
[エーリッヒの近くへと歩き、手向けられたばかりの花が揺れる墓標に暫し黙祷を捧げる]
とんだ日になってしまいましたね。
本来ならば他にも参られる方がいらっしゃったのでしょうに。
ま、あんな話聞かされたら、仕方ないとは思うけどね。
……とはいえ、患者に脅えられるのは、やり切れなさそうだ。
[冗談めかして言いつつ、くすり、と笑って。
黙祷の後、投げかけられた言葉には軽く、首を振る]
いや、いつもこんなもんだよ?
俺以外に、血縁はいないしね。
ええ、分かっていても切ないものです。
治療で一番大切なのは信頼関係だと言うのにね。
[冗談めかされた言い方には小さく笑って返し。
否定の仕草にスッと眼を伏せた]
…どうも失礼なことばかり言ってしまうようで。ユーディットと二人で暮らしていらっしゃるのは存じていたのですが。
こういう村でも、そんなものですか。
人と人が絡む仕事には、信頼が必須、か。
[呟くような言葉は、どことなく独り言めいて]
ああ、気になさらずに。
[目を伏せる様子に、刹那、浮かぶのは苦笑]
ま、親父殿も仕事以外ではあんまり周りと関わらん人だったしねぇ……。
俺は俺で、18の時からしばらく村にいなかったから、余計に人付き合いは狭い方だし、ね。
――…あれま。
エーリ兄に、ゼーナッシェさん。
[呟くような声も、静けさに満ちたこの場所ではよく通る。
無機質な石の立ち並ぶ間に揺れる花を視界に留めつつ、対照的にも見える色彩の二人へと、ゆっくりと歩みを向けた]
[独り言めいた言葉には寂しげな笑みを浮かべるのみ]
音楽の勉強をされていらっしゃったのですよね。
それならば。
[僅か言いよどむ]
伝承や昔語りの類にもお詳しいのでしょうか。
[問いを発したまま、ゆるりと振り返る。
現れた姿に一瞬目を細める]
どうも、アーベル。
ここは思ったよりも人の集まってしまう場所だったようですね。
[挨拶を送った時には普段と変わらぬ柔和な笑みを浮かべる]
ああ、母さんが音楽好きでね。
その影響で、俺も商売よりそっちに興味が強かったんだ。
[ここまでは、何気ない口調でいい。
空白を経て、向けられた問いに、緑の瞳は一つ、瞬く]
……ん、まあ。
それなりには。
[それが何か、といわんばかりの態度は、果たして本気かそれとも見せ掛けか。
いずれにしろ、やって来たアーベルに向けて、よ、と言いつつ手を振る様は常と変わった様子もなく]
いや、僕は……
敢えて言うなら、ノーラ姉の代わりですかね。
そろそろだったと思って。
[正解だったみたいだけれど。
オトフリートに答える台詞は、相変わらず何処か足りていないが、手を振るエーリッヒを見やりながら言う様は、示す物を明白にするか]
[キッチンでアーベルと話した、翌日。
教会へ行くというエーリッヒを送り出して、家の用を片付け、更に手持ち無沙汰になったので食器でも磨くことにする。
今日がエーリッヒの父親の命日だということは――先日までは頭の片隅にあったものの――エーリッヒが告げるまで慌しさの中ですっかり忘れていた。そのことを申し訳なく思うと同時に、果たして教会に行ったところで入らせて貰えるだろうかと考える。
昨日の村人たちの様子ではそれは、かなり難しそうだった。]
まあ、人狼かもしれない人物を普通に受け入れる、なんて、無理な話ね。
……あんな生き物を許しちゃいけない。
[冷たい憎しみの眼差し。その奥に浮かぶのは、過去の記憶。
人を服従させ屈服させるのが何より楽しいとあの男は言った。
……あの、人狼は。]
[一度頭を振って、思考をクリアにする。]
でも、一体、この村で誰が。
[呟きに返る答えはなかった。]
…なるほど。
[言われただけでは理解できなかったが、視線の先を見れば大体の想像はつく。ノーラが動きにくいであろう理由は言わずもがなで]
このような事態ですから。
あやふやな知識だけで判断するのは避けたいと思うのですよ。
[エーリッヒに返した言葉は、肝心の単語が出てこない]
別に、気使わんでもいいのに。
[代わり、というアーベルの言葉に、掠めるのは苦笑]
ま、その気持ちはわからなくはないけれど。
役に立てるかどうかは、わかりませんよ?
[肝心の部分はぼやけていても、オトフリートの言わんとする所は理解でき。
ひょい、と軽く肩を竦めつつ、さらりとこう返した]
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