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[近付いてくる竜皇殿。
王たちは恐らく邪魔をするであろうと、そのようなことは当然であった。]
[闇を帯びた翠の目は、建物を、歩きながら見据える。]
[本の背を掴む手に、少し力が入った。
王の目をごまかせる自信はない。
今が会議の最中であることに、安堵を覚えた。]
[続けて細い銀鎖で繋がれた腕輪と指輪を外すと、青年の瞳はもはや青玉と言えない色合いになった。
長い青の前髪の間から注意深く会議場の封鎖の算段を試みる。結果は秘なる書である青年の禁断の知識と密やかに息づく力を持ってしても、十五竜王揃い踏みの会議場を封鎖するには少し足りないという結論だった]
せめて一人、出来れば二人。
心の力を……得られるならば、可能なのに。
[先に眼鏡をかけ、次いで腕輪を嵌めようとした手が止まった。
あふれ出た感情の波は引いても大きな波形を残し、精神の竜の心に響く。そのさやけきもう一つの感情の波の形も。
半ば伏せた瞼の陰で紫紺の瞳が揺れる。
幸か不幸か、その感情の主である月闇の竜を青年は見知っていた]
[人と会いたい気分ではなかった。
竜皇殿の敷地に入ることは無く、西殿を見る。
その中を見透かすことはできない。]
[願いを叶える手段はそこか。
だけれど、王たちの力を越えるなど――]
[――こえは、先の風よりも軽く、届いた。]
ちから、を。
願いを叶えるための……
[西を向いていた目は、探すようにそこを離れる。
仄暗い翠の目は、決意を秘めた心は、ためらいもなく願いをこえにした。]
あなたは―― あなたも、なにかを?
願いを叶えるための、ちから。
[青年の『願い』と月闇の『願い』が一致するとは限らない。逆に互いを潰しあう事さえ考えられる。
けれど返した心の声は優しいまでにオトフリート、否、オティーリエに寄り添うものだった]
あなたの願いが叶うかは、私にはわからない。
けれど力なら、与えられるよ。
あなたがその心を私に預けてくれるなら。
[テラスへと歩み出て手すりにもたれ、手を眼鏡のつるにかけながら暗緑の瞳を見下ろす]
私の『願い』は――…自由になる事。
その為には必要な力を得る為に、心の力が足りないんだ。だから、
―― …
[見上げた先、常とは違う目。
己のそれもまた、常と違う色を纏うことに気付かず。
心の中で、願いが揺れる。揺さぶられる。]
[悩む時は、僅かだけ。]
私の心、決意。それだけで、願いがかなうなら。
わたしの願いは、あなたのものと異なりますが、
この決意が、力となり――手に入れられるのなら。
[彼女の願いは、"もう一人"――本当のオティーリエと、オトフリートの存在。
それは心の内に、優しさと寄り添う精神の竜に、形を持たずに伝わる。]
わたしの願いも、あなたの願いも、叶うというのなら――
確かに、貴女の決意受け取りました。
願いが叶うよう力を添えましょう。貴女が私に預けてくれる心と同じだけの重さを持って。
[確かにオティーリエの心を受け取り、青年は眼鏡を元に戻した。彼女の暗翠の瞳を通し覗き込んだ心の奥、その決意が嘘偽りなく記憶を消す必要もないと知ったから。
長居すれば誰かに見られるかもしれないと移動しながら、心の声――心話を続ける]
今はまだ準備が整っていません。
後ほど整ったなら、心話でお願いします。
その時に私が…私の心が強くあるよう願って下さい。
[会議場を封鎖する為の算段は既に付いていた。それを進める為の心の力をと願う]
[彼女の奥底にある暗い悦びの揺らぎに何も感じなかったとは言えないが、全ての感情を知る精神の竜がそれを咎めはしない。
誰にでも秘めた望みは在る。
そして青年とて決して赦されない事をしようとしているのだから]
[場所を変える彼の居た場所から、目をそらす。
向かう先が西の建物になるのは、仕方のないことであった。]
わかりました。
その時には、わたしの決意も、心も、あなたの必要なだけお使いください。
願いは違えど、目的は――
[言葉を切って、足を踏み出す。
竜皇殿の中にいた方が良いだろうということと、無用な疑いを避けるために。]
目的は、おなじ。
わたしも、あなたの願いが叶うように――ときが訪れましたら、力の限りを尽くします。
[再び仰いだ天はあおい。
暗い心は、禁忌に手をつける悦びに満足を覚えたか、双眸から色を消してゆく。]
[外見には何一つ、変化は見られないけれど。]
――準備に、手は必要ですか?
[問いかけは、願いを巻き込んだ心が、そっと押し出した。]
そう、目的は同じ。
願いを叶える為にはまず――『力』ある剣を手に入れなくては。
[東殿を降りて中庭に向かいながら、青年は応えを返す。彼女が何処で禁断の知識であるそれを知ったのか密かにいぶかしみながらも問う事をしなかったのは何故か*わからないまま*]
――ありがとう。
いえ。
[感謝の言葉に、軽く返して。
何故その力がそこにあると知っているのか――どこで知ったのか。
問われていたら、彼女自身にも答えることなどは出来ないのだ。]
[置いていかれた知識、育てられた願い。
容易く絡めとられた月闇の竜は、己のうちにかなしむ心があるのも、それが歪みの影響を受け、他に害を及ぼすようなものになっているなど、気付ける*筈もないのだ*]
[にこやかに、翠樹の王とその仔と話すエルザ、その後からきたクレメンスを眺める王と、その脇の赤い髪の随行者は深く頭を下げてお辞儀をした。
そしてザムエルの姿が見えれば少しばかり口元を緩め、だがぴしと伸ばした背筋は崩さない。
暫し自己紹介と雑談等しただろうか、それから王はのたりふらりと西殿を進みはじめ]
王、エミーリェはこの度参られた竜達の名簿を見てまいります。
きちんとぴしっとしていてくださいね?
[言葉に、蛇は尾をふらりと揺らして返事をする。
その後姿を見届けると、従者は陽光の仔竜とも別れて別の場所へと向った。
随行者名簿を見せてもらい、ペラリ、捲くると頭の中に入れる。]
流水、疾風…殿が、まだ出会って居ない方。
影輝殿は翠樹の仔と一緒におられた方でしょうか。
[ひとりごち、きゅ、と人差し指で眼鏡の中央を押し上げる。]
[準備の手は断り、代わりに仕掛けが闇に隠れるよう願い青年は動き出した。散策するように建物の外をそぞろ歩きながら、東殿テラスから確かめた位置通りに極小さな印を結んでいく]
――…これでいい。後は…心の力を注ぐだけ。
[けれど最後の印をつけ終えた青年には難しい術式を組み上げた疲労が静かに降り積もり、今すぐは行えないと判断する。
静かな場所に移動して目を閉じ思うのは、微かに感じていた月闇竜のかなしむ心。『混沌』の領域を司る青年にはそれもまた大切な感情の一つではあるのだが。
物憂げに長い前髪を払う指先は、酷く*冷えていた*]
―― 竜皇殿 ――
[次々と顔を揃えた初対面の随行者達に簡単な自己紹介をして、後は主に生命竜と月闇竜のどつき漫才?を楽しそうに眺めたりしていた所へ、目にも鮮やかな炎の色が近付いてきて、わしゃわしゃと頭を掻き混ぜられた]
わわっ!ちょ、ダーヴ!!掻き混ぜるの禁止ーっ!髪が減る髪がっ!
てゆーか、やらかしたって何さ?!ダーヴじゃないんだからっ!
……え?墜落?いや、あれはほらっ失敗は成功の母だしっ!
[じたばたしながら、顔は楽しげな笑顔のまま馴染みの顔とじゃれあっていたのが数刻前、大地竜に促されてその場が解散の雰囲気となると]
ちょっと探検してきまーす!
[元気に宣言して駆け出した。西殿の中の出入りを許されている部屋は勿論、普段入る機会の無い庭園を覗いてみたり、本殿の近くに寄っていって眺め回してみたり(挙げ句に警備兵にやんわり追い払われたり)と忙しい]
[カツリ、廊下に踵の硬質な音が響く。
足が進むのと同時、カチャリカチャリと鎖が音を立てる。
暫く歩くと、立派な中庭へと出た。
空を仰ぎ、目を細める。]
あぁ、良い天気ですね。
[独り言は、空へと消える。
上に広い空間が開けている事自体に、安心感を感じる。]
─竜皇殿─
[背が伸びた、と認めてもらえて嬉しかったのか、浮かんだ笑みは常より幼いもの。
竜としては既に、青年と呼べる年頃ではあるのだが、その様子には違和はなく]
ま、きっと兄貴が折れるけどねぇ。
昔っから、そうだったし。
[兄夫婦の仲を案ずるザムエルに軽く返して。
場にいた竜王たちにも、形式に則った礼をした後は]
ん、しばらく自由時間なんだよね。
ちょっと、羽伸ばしてくるぜいっ!
[言うが早いか、駆けていく速度は文字通りの風の如く]
─竜皇殿・中庭─
[中庭に誰かいるかとか、そう言った事は一切気にした様子もなく。
そこに植えられた木の一本へと駆け寄る]
ん、ちょっと低いけど、これでいっか。
[小さく呟き、軽く、身体を屈めて地を蹴る。
常磐緑のマフラーが風をはらんで流れ、直後、その姿は一番高い枝の上へ。
その場に立って見回せばそれなりに広い視界と、吹き抜ける風との接触が確保でき、青の瞳は満足げに細められた]
しっかし、会議の間ヒマだよなあ。
なぁにやって、時間つぶそ?
[枝に腰掛け、独りごちる。
ピアは肩の上で物珍しげに周囲をきょときょとと]
[そうと、闇に彼の竜の味方をするように願い、彼女はもったままの本に目を落とした。]
[後戻りなどする心算もない。
ここで何もしないほうが、後悔に繋がるのだから。]
[彼女の中にたしかにずっと生きていた、片割れの残滓。
それはもう既に無いに等しいものでもあったけれど。
彼女の願いと、その片割れの願いが、重なることはない。]
[そして、大切な人たちもまた同じ。]
[育った願いに彼女は気付かず、そして今度こそ、竜皇殿の敷地の中へ、足を踏み入れた。]
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