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難しいと言うか、面倒そうと言うか。
……まあ、ここで諦めたら、氷破の名が折れる、というものです。
[命竜を見て、一度だけ微笑む。結界に手を当てながら、また虫眼鏡で覗き込ん所で]
『揺らすもの』……とは。久しく聴かなかった言葉ですね。これはまた。
[頭の上に置かれた手。
対なる属の感触に、荒れていた風はやや静まり、ひとまず構えは解いた]
そう、だろっ、けど、さ。
[零れ落ちるのは、小さな呟き。やや伏せた瞳には、微か、不安のかげり]
……「揺らすもの」?
なに、それ?
[それから、覚えのない言葉に一つ、瞬いて。
上げた瞳に、不思議そうな色を宿して、周囲を見た]
翠竜の仔、
――ベアトリーチェ?
[ ざわめきより離れた回廊。
幼児に対する呼びかけとしては相応しくないと、名を紡いだ。
低くも高くもない声は道の先にまで染み渡る。]
智を。意思を持つ剣、ということですか。
「仮初でしかない。だが必要とあれば主の意位は伝えよう」
[淡々とした声が響く]
主とは御君のことですか。
「然り。だが今は主らの意により汝らと共に在る」
―→西殿―
[そのまま、思い当たらずに、本をかかえたままに西殿へ。
そのまわりを囲む結界と、そしてその前の竜たち。]
……矢張り、開きませんか。
「揺らすもの」?
バイパス…
詳しくお聞きしたいですが、誰か詳細をご存知ですか?
[聞きなれない言葉に、一同へと目線を流す。]
無駄とかそんな。俺の精神保養にはなるよ!
[言葉に少しずつ覇気は滲んできていたが。
彼女の願いには、一瞬、沈黙。]
二つに別れたいのか。
[ぽつりと呟く言葉は少しだけ、低い。]
−西殿・廊下−
[じいい、と仔龍は空を見ていた。
空から降ってくる、王の声]
…ヨンのばーかっ。
[ぷりぷりと頬をふくらませて、なんだかやたら楽しそうな声を聞く。
さて、どうしたものかとあたりを見回した。
誰かを探してみようと、ずるずると布の塊は歩き出す]
[物理的に隣に居るのは精神が属の竜だ。感情が揺れないように気を払いつつ、ローブの上から短剣に触れる]
…御師様の預かられた剣も、なのでしょうか。
[届く言葉には、沈黙を。
それは如実な答え。]
[面々を捕らえた目は、確かに一度クレメンスを見たが、そのままに通り過ぎた。]
「揺らすもの」ねぇ。
ってエーリッヒ、あんまそれ口にすんなよ…。
[さも当然の如く話す機竜に肩を竦める。
口を塞ぐには十分すぎるほど、遅かった。
一つ、溜息をつきながら、自分が覚えていた知識を口にする。]
揺らす…天秤を揺らすモノ。
世界を見つめるもの。
揺らすことによる安定を引き起こすもの。
世界の恒久的な安定を嫌い、常に均衡が揺らぐ事を望む存在。
『撹拌者』『促進者』
そんな名前で呼ぶ事もあるな。
[速度が上がると同時によろめいたエルザに手を差し伸べかけ、速やかに立て直された姿勢にその手を下げた]
……えぇ。
[それは無事を願う答えか喧騒の中へと紛れてた声への答えか。
それ以上の説明をする事なく既に集まっている面々へ声を掛ける。
疾風の蹴りと生命の接触と氷破の虫眼鏡あたりを聞き、若焔の炎にはレンズの奥で紫紺の目を眇めた]
/*
つか、あれですね。
中身は全部設定把握してても、外は全然わかってない。
これ、ある意味楽しいけど、ある意味めっさかマゾいwwww
…!
ノーラ、
[廊下へと響く声にか、名を呼ばれた為か。仔の身体が跳ねる。
絡みつく腕からゆるりと視線を向ければ、昨日仔が酷く懐いた者の姿だった。
望む声とは異なったが、幼子に安らぎを与えるには十分ではある様。
ぺたりと床に乾いた音と一寸の翠を残して、影の元へと駆け寄った。
相手の断りも居れず、足元にしがみ付こうとするのは如何な者かと思えど
幼子に声を投げたところで、当人にそれを聞き届ける余裕は無い様だった。]
[何度かぽむぽむとティルの頭を叩き]
気持ちは分かるがの。
しかしそれを繰り返しお主が怪我をしてしまったりしたら、嵐竜王様も心配してしまうじゃろうて。
…クレメンスが居るから直ぐに治せはするじゃろうが。
[視線は一度ちらりとクレメンスへ]
「揺らすもの」は…。
儂も直接その騒動に関わったわけではないから詳細は知らぬのだがな。
古来より度々世界へ干渉を行っておるようじゃ。
[過去に事例があったことは書などにより知を得ているが、それ以上のことは分からず。説明をするクレメンスへと視線が再び向かう]
[口にした『揺らすもの』の説明だけで、各位どれほど理解できるのやら。
場合によっては、ロウやカオスの説明を交えなければならないか。
誰かしてくれるならそれでもいいけどなーとかちらと思ったのは不真面目の極み。]
まあ、過ぎた時間は戻せませんから。
[ため息をつく命竜に、苦笑のような笑みを向けて]
簡単に言ってしまえば、「ふるい」みたいなものでしょうかね。
なんというか、「混ぜることで馴染ませる」というか、ううん。
[そのように呟くが。上手く説明できず、辺りをちらと見回す]
律を守り安定を求める我らとは対極にある者。
[アーベルの答えがどれに対するものかは分からず。
着いたその場でなされる説明を聞きながら、目を細めてクレメンスの後に続けた]
じゃ封印の件、お任せっ。
専門家に任せた方がいいし楽だし。
[さり気無く楽とか言い切りながら。
名折れと微笑むブリジットに、こちらもいい笑顔で親指立てて返した。
実際の所、クレメンスが持つ封印解除の力は無いとは言わないが薄く。
無駄に骨を折るよりは、こうする方が効率はいいはず、だった。]
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