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[ブリジットの説明に、一度口を開きかけ、結局また閉ざした。続いたミハエルへの言葉にも同じく。一瞬だけ顔を僅かに下へと向けて]
見習うように努めます。
[顔を上げればブリジットの微笑みにようやく笑みのようなものを見せ。つぶやきにはコクリと頷いた]
ふふふ。
気を張らなくても、大丈夫、大丈夫。
[ぽふりと、天竜の柔らかな髪を一度だけ撫でた。
笑みを見せてくれれば、もう一度微笑みを向けただろう]
…中は派手だねぇ。
[飛んでいく椅子を見送りながら。
影竜の変わらぬ物言いにはへらりと笑う。こちらも常。]
わーぉそれ全部実行したら死ぬ死ぬ。
やだぷー。
[返す言葉は適当だ。
もっとも傍に影竜王がいればまた違うのだが。
ノーラ単体相手だとこんな感じ。]
十五竜王とその随行者の力を合わせたのなら、
崩すも叶わぬ事ではなかろうな。
[ 崩すのみに留まるかが問題ではあれど、幼き竜の提案を褒める氷破の竜の姿に、それ以上言葉を次ぐことはせずに置いた。
問いかけには仔竜に影響を与えぬ程度の、僅かな頷きを返す。]
嗚呼。雲すら払うに至らぬとは不甲斐無い話。
風の助力を願った方が良かったか。
何処かへ駆けて行ってしまった後のようだが。
案ずるな。
仮にも司りしは「輪転」、直ぐに復活するであろう。
椅子に縛り付けて真綿でも口に詰めて置けば良いか。
[ 飛び行く椅子を見ながら思案する。
しかし、直ぐ様脱出しそうだ。]
……崩れすぎが心配ではありますね。その他色々も。
[陽光の幼竜へと聞こえないように、影輝竜へと呟いた]
普段ならばその御力も、存分に振るわれたでしょうけれど。
今は、この有様ですから……
あ。
[西殿の、先程椅子が吹っ飛んでいった穴から、
今度は高そうな花瓶が吹っ飛んでいった。割れた。]
……風、大荒れですね。
輪転か。
…俺には縁遠い言葉なんだがな、それは。
[微か笑いながら告げる。
口調は軽いのだが、視線は一瞬、遠く違う所を映す。]
さて真面目な話。
そっちの竜王の様子はどうだ?
多分うちの王も傍にいるんだろうが。
[戻す視線と同時、ノーラに改まったように、王の様子を尋ねた。
少なくとも、影竜王が無事ならうちの王も無事だろう、そんな事を漠然と思いながら。]
[ 思っていた事は矢張り同じであったらしい。氷竜の言葉に、黙して頷く。]
……あれだけ周囲に及ぼす力があってしても、
結界とやらは破れぬということか。
[ 誰が弁償するのであろう。
科白とは別に、そんなことを思考していた。]
…はい。
[髪に触れてくるブリジットへ柔らかく答えるものの、緊張感が全て消えることはなく]
干渉された者は何処に。
[視線を巡らせながら零れた小さな小さな呟きは、ブリジットにのみ聞こえたかどうか]
……竜都を壊されるのは勘弁していただきたいです。
[同じく陽光竜には聞こえないように付け足した声は、ノーラにも届きうるもの*だったが*]
そうだな。
暫く前に嚔らしき声が聞えたきり、途切れた。
[ 変わらず、今は静かな仔竜を撫でながら、クレメンスに端的に述べる。
闇竜王の随行者や、飛び行く物品やらを見れば、原因は厭という程分かったが。]
[思考の海に沈んだオティーリエを残し、心話からは自身も一旦抜ける。
アーベルは去ったが。
あの世界では、何時心の内を知られるか分からない故。
アーベル、オティーリエ、どちらか気づいているか、あるいはどちらとも気づいているか。
まだ、自分は協力するとははっきり告げていない。]
ああ、いえ。
ノーラ様もクレメンス様とお親しいのですね。
[容赦の無い言葉に呆然としていたのがどこか残っていたか。
掛けられた言葉にはゆるりと首を振って*会話を交わす*]
[影輝竜にこくりと頷き返して]
結界自体、複雑というか……変な作りをしているから。
中から氷竜王も試してみたようだけど、駄目だった見たい。
[ほぅと息を零した。
天竜に見向きなおして。微かに緊張感の残った表情から紡がれた言葉には]
……それも、何かしら対応していかねば行けないわね。
落ち着いて、対処して行きましょう。
[微かに首を傾げ、安心させるように微笑みを*向けた*]
無事ならいいんだが。
ところであの短時間で風邪でも引いたのか。
[いや原因は自分だが。自覚は皆無。
大荒れと、言うブリジットの視線を追い、飛び行くモノを見ながらぽつりと。]
竜王15人もいれば、結界の中の方が安全だと。
思った事もあったなぁ。
[今はそれが間違いかもと、思い*始めてきている。*]
王同士の関係故に、知っているに過ぎぬよ。
[ 親しいとの言葉を言外に否定しつつ、天竜の、氷竜へと向ける言葉を聞く。届いたのは竜都を案じる科白のみではあったが。]
せめて竜都以外ならな。
[ 恐らくそういう問題でも無いのであろうが。
十五竜王の力が混ぜ合わさり、外へ漏れるような事態となれば、何処の地よりであろうと、ドラゴンズランド全域にまで被害が及ぶのは必死だ。]
……イズマルームに苦労して貰うか。
過労死しかねないが。
竜王が風邪をひいたとなれば、
ある意味、前代未聞だ。
氷に焔となれば、気温変化は烈しかろうがな。
[ 続いた言葉は明らかに間違いだろう。
幼児の手前、はっきりと口にする事は無かれど。]
……異なる属が一堂に会すというのは、そういう事だな。
[ 会議の時から酷かったのではなかろうか。集合前から、あの有様であったのだから。そんな思いすら、過ぎった。
微か光の零れる外、安定せぬ天気の下の方が平和に思えてくる。]
…願い、か。
そういやアーベルの願いは聞きそびれたな。
[オティーリエの願いは、少し予測していたものだったが。
この会議でほぼ初めて交友を持ったアーベルの願いまでは予測出来ない。]
にしても。
エーリッヒが嘘でもついてなければ、この力は十中八九、揺らぐものの仕業か。
何で俺らに白羽の矢が立った…。それに、奴の目的は何だ?
俺らの願いを叶えさせる為とか、そんな生易しいモノじゃないのは先刻承知なんだが。
[まさか願いにまで干渉されたとは気づいておらず。
揺らぐものの不透明な意図に、途切れた内側は軽く首を捻る。]
[ 連れて来はしたものの、幼児には度し難いであろう言葉の行き交いは、仔を夢路に至らせたらしい。舟を漕ぐ頭を己の胸に寄せて、落ちぬよう抱え直す。
不意に訪れた沈黙に、人の界では天使が通るなどと言うのだったかと思う。生命の竜の軽い口調と、裏腹な視線が思考を掠めた。輪転、その意味は。]
側近殿の見解も御聞きしたいところだな。
[ 思考を払うと同時、此処には居ない者を思い浮かべる。恐らくは、王の不在の間の処理を担って動き回っているのであろうか。
ともあれ仔を休ませる為、そして解れた覆いを編み直す為、*踵を返した*]
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