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[番人の口は開かない]
[蝋燭が揺らめき、影が揺れた]
[窓の外で風が鳴る]
[男の口は、暫し閉ざされ、シャーロットの声に彼女の方へ向いた]
同意だな
とんだ茶番だ
だいたい誰が終焉なぞ望むというんだ、お前は――
[ぷつりと言葉は途切れた]
[男は息を落ち着ける]
[窓の外、月は明るい]
[木の葉の触れ合うざわめき、華がぶつかり合う悲鳴が、古い窓の隙間から風となって*入り込んでくるようであった*]
[案内されたのは、見知らぬ者が居る、広間。
既にそこに居たという人間の様子を見つめ、小さく眉根を寄せる。薄汚れた革製の眼帯が、小さく掠れた音を立てた。]
これはこれは、どうも。ご機嫌麗しゅう。
この私めも、この城に招かれた客のようです。
願わくば、末席にでも加えていただけますよう、お願い申し上げます。
[刹那、警戒の色を薄め、おどけたような表情でレヴェランスの仕草を見せた。]
……ところで、何故俺達はここに居るのだろうか。
番人さん。お前は何か知っているのか?
[落とした片膝の位置を元に戻し、彼は番人の方を振り返った。「番人」と名乗る男の口から「終焉」を告げられると、彼の表情から笑みが消え、琥珀色の右目は怪訝の色を浮かべる。]
「終焉」……?
これが何の終焉で、何故ここが終焉の地なのか。
まして、何故人間を殺さねばならぬのか。
「処女の精霊が、恋を裏切った男を死ぬまで踊らせる」…という物語でもあるまい。そこには何か理由が無ければならぬはずだ。
それが見えぬ限りは、「戯れ言」とやらいう言葉の他に、お前に掛けることばが見つからない。どうだろうか、「番人」の御方。
[蝋燭片手にナサニエルの膝を抱えて運ぶ。赤毛の男や青毛の女の名乗りにも気のない生返事だけで立ち去り、最後の客人を連れた番人と廊下をすれ違い声をかけられても無視。狭い地下室にたどり着くなり床に座り込んで酒瓶の蓋をこじ開ける]
ったく面倒かけやがって。
[薄暗い地下室には月光も届かない。埃と黴と酒の入り混じった空気を揺らして折れたコルクを投げ、残りを瓶に押し込んで濃厚な赤を流し込む]
…ぷはー、うめえ!
働いた後の酒は格別だぜ。
なーんの話か知らねえが、あんな陰気な顔と顔突き合わせてだーれが飲むかってんだ。
酒さえ貰えばさっさとおさらばさ。
[口に残ったコルクの欠片を冷たい石の床に吐き出す。無精髭に伝う葡萄酒を拭いもせず一瓶を空にし、また次に伸ばす手を蝋燭一本の弱い光が照らす]
[横合いから覗き込んでくる赤い色に、わたしはまた瞬きました。]
不思議…ですか?
[首を傾げて、ただ赤を見つめ返します。
暫くして、赤色は離れて行きましたが、わたしは暫くその色を見つめていました。]
ええ。
そんな感じ、です。多分。
[青い色の少女の言葉には、もう一度頷きました。
それから扉が開く音と閉まる音が、幾度繰り返した頃でしょう。
『番人』の声が、語り出しました。]
…終、焉?
[何処か物語のような話、わたしは鸚鵡返しにその言葉を繰り返します。
すぐに理解はできませんでした。]
茶番、か。
[聞こえた言葉に小さく呟く]
まったく、とんだ与太話だな。
とはいえ。
[如何なる言葉を紡がれ、向けられても『番人』は口を噤んだまま。
これ以上は何も話す事はない、と言う所か]
……これ以上は何も話す気はないようだし。
馬鹿らしい、と切り捨てるにせよ、戻るべき場所も手段もわからない、か。
……厄介な。
[吐き捨てるよに呟いて、視線を窓の向こうに浮かぶ月へと向けた]
ああ。
[与太話。茶番。戯れ言。
重なり聞える単語に詰めていた息を吐く]
こわいおはなし。
[翠を半ば隠すように瞼を伏せた。
膝へと下ろされた手はしかし握り合わされたまま]
戻るべき場所。
…戻るべきなのでしょうか。
[吐き捨てるような言葉に、不安を滲ませた問いを投げる]
[戻るべきなのか、という問いに蒼氷は月から常磐へと向かう]
……さて、ね。
それこそ人それぞれ、という所じゃないのか。
思い出せない以上、考えても無駄なのかも知れんが。
戻る場所……
しかしいったい、戻る場所とは何処なのだろうな。俺にはわからない…。
[ちいさな溜息をひとつ吐き出し、誰に聞かせるでもなく独り言を呟いた。]
……少なくとも「舞台」の上でないことは確かだ、ということ以外は……
[ナサニエルの額に乗せた濡れタオルをひっくり返しながら]
戻るべき場所も分からず、ここに居てやるべきことは茶番染みたもの。
茶番に乗る道理もない。
為す術なしとはこの事かしら。
[言いながら、ふいと紅紫の瞳を眼帯の青年へと向ける]
「舞台」って?
そう言えば、入って来た時もなんだか仰々しい振る舞いだったわね。
むしろ、わかってる奴がいない気がするが。
[微か、聞こえた呟きに答えるともなく呟いて]
俺は……そも、そういうものがあるのかも怪しいもんだが、ね。
[蒼氷は刹那、滲む紅に落ちる]
戻る場所、ですか。
[思い出せないそんな場所が、わたしにもあるのでしょうか。]
舞台?
[眼が見えない分、耳はそれなりに利くのです。
男のひとの声に、小さく首を傾けて、眼をその方向へ向けました。
相変わらずその表情までは捉えられませんが。]
[向けられた蒼氷はその色のままの温度を感じさせて。
一瞬だけ絡んだ翠は、怯えるように逸れてゆく]
そう、私も知らない。分からない。
けれど…。
[もどりたくない。
空気を揺らさず、薄桃だけがそう動いた。
追って常盤の房が小さく揺らされ、舞台という言葉を問う人々の視線を辿り、翠もまた舞人たる青年へと流れる]
まったく。迷惑な話ですよ、ほんとうに…。
[さらさらとペンを走らせる手に力が入る。]
終焉がどうのという話。そこを否定したら、
話が進みませんね。わかりました。受け入れましょう。
[びびぃ、とページの破ける音。]
嫌なんです。舞台に立たされるのが嫌なんです。
傍観者の位置ならともかく、演者にまわるのが。
[左眼がぐるんと動いた後、右眼に揃って
ついに、同じところに視線を集め出す。]
さぁ………
[眼帯の奥の疼きを、指でそっと抑える。]
分からない……。ただ、「舞台には立てない」ということだけが、俺の脳裏に刻まれているだけだ……。
そして……
[眼帯を抑えていた指を顔から離し、緩慢な動きで腕を正面に伸ばす。腕の筋肉が微かに軋む感触を覚え、彼は右目をゆっくり細めた。]
どういうわけか、自分の身体が――筋肉が疼くのが抑え切れないことがあるんだ……。
俺の身体には「舞踏」を求めて止まらなくなる「何か」だけが、在る。それだけが確かな「記憶」さ。
[逸れる翠の怯えは気に止めた風もなく。
蒼氷は、あっさりと受け入れを宣言したイザベラに、呆れたような感心したような、何とも評しがたい感情を込めた視線を向けた]
……シンプルだな。
[演者の立場を厭うという言葉に、こんな呟きが零れた]
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