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─広場・噴水傍─
昔話ね。
あいつのことを思うなら言わない方が良いだろうよ。
[己が聞いてしまえばからかいの対象にしかならない]
[何より、今は術の展開もあって正直なところあまり聞く余裕は無かった]
[同じように段差に腰を下ろす相手を見やり]
行かなくて良いんか?
探してると言うことは、大方また逃げ出したんだろう。
……そう、だな。
早いとこ見つかれば楽なんだが。
[どうかな、とぽつり呟いた]
へえー、面白そう。
あたしたちにもあると、連絡事項のやりとりに便利かも。
[師匠の顔をちらりと見やる]
うん、美味だったよー。
一度泊まると、他の宿屋に泊まれなくなっちゃう。
[カヤの最後の言葉に全力で同意した]
カヤって、ブンタさんのご飯も作ってるんだっけ?
睡眠薬を仕込んだ「針」を持ってるから。
路地入って左曲がったとこに木箱が積まれたとこがあるからさ。
そこに、寝かせておくよ。
…3時間くらいしか効かないから、気をつけてくれよ?
[言って、さっと左手首に巻いた小さな時計を見下ろした。]
隠れ蓑、かぁ。なるほどね。
ところでさァ、捕まえるのって生け捕りだろ?
その後どうすんの?
売るのか?
[マフラーに口元を隠しながら、ふと思った疑問を口にした。
そもそも二人は、同じ目的なのだろうか?など。]
―広場:露店近く―
[ベッティの言葉に、うん、と頷いて]
雑貨屋で買ったらしいぜ。
ん、飯?
うーん…作る事もあるけどあんまりかな。
どっちかってと爺っちゃんが作ってくれるよ。
俺が作ると煤の匂いがして嫌なんだってさ。
[へっへっへ、と悪戯っぽく笑いながら
帽子のつばを、人差し指と親指で引き下げた。]
―――裏通り―――
んなわきゃねえって。
[重ねて美人と言われれば、小さく手を振り、ローザと別れた]
さーて。
とりあえず、特に当ては無いが、裏通りとやらに行ってみるかね。
[露店ででかめのべっ甲飴を一つ買って、それを口に含みながら、裏通りへと足を踏み入れる]
『……』
[途端、さらされる好奇の目]
はっ!
なるほど、こりゃ柄悪い。
そうですね。
私、喋りすぎてしまうきらいがあるようですから。
[前屈みになり、立てた膝の上に頬杖を突く。
会話より、指された方向へと意識を向けていた]
たまには、放って置くほうが良いこともあるかなって。
いつまでも構ってばっかりじゃ、いけないでしょうし。
……あ、お邪魔でしたら、行きますけど。
[そこで、視線をちらりと横に流す。
はきとしない呟きの先を追うようだった]
……というか、お前ら何が言いたい。
[サボるのも仕方ないとかなんとか。
好き放題言われてる気がして、ぽつり、と呟く。
強く反論できないのが痛いといえば痛いが]
いや、だから、問題が違うだろ。
[縛るのは得意、というベッティの言葉に突っ込みを入れ。
続いた疑問の声には、んー、と言いつつ、首を傾げる]
……音って、そん時の気持ちが『映る』んだぜ?
下心ありなら、それなりの音にしかならない……と、俺は思うけど。
[知っていたかとの問いにはこくりと頷き]
うん、昨日弟くんから聞いて
彼もそのことに興味があるみたいでね
[報酬は直接交渉で、と言われると]
あー、分かった
さて…………となると人形の流用は何処まで利くかだなぁ
とりあえずは、曲目と向こうのイメージ図、かな
[ぶつぶつとそう呟いていたが、ライヒアルトを見上げると]
もし、責任者に会うことになったら、それと報酬の見積出しとくように言っといてほしいな
あるいは、直接交渉先を紹介してくれるか
─広場・噴水傍─
賢明だな。
[昔話に関して口を閉ざした相手にくつりと笑う]
放っておくのは良いが、目は光らせておいた方が良いと思うぜ。
あの手のは時に何をしでかすか分からん。
[そう言い切るのは先日の青年と自衛団長のやり取りから]
[去り際に聞こえた言葉もその要因]
ん、ああ。
特に邪魔と言うことは無いが。
美人が傍に居ると言うだけでもありがたいところだしな。
[返すのはやはり軽口]
[咥えた手巻きタバコの長さはまだ半分]
[吸い切るまではまだ時間があった]
あはは、煤の匂いのご飯はアタシも嫌かも。
[悪戯っぽく笑うカヤの姿に、幸せそうで良かったと目を細めた]
[首を傾げたアーベルに、困ったような表情]
……そっかー。
なら、良い商品を売ってるんだよーって気持ちを込めないといけないのかしら。
音に負けない商品と、商品に負けない音とで、お客さんを満足させるのね。
[何か盛り上がっている]
『……おい、あれ』
『うむ。怪奇!大食い女だ』
『もしくは、恐怖のスプーン娘だ』
『そして、珍妙なる噴水クィーンだ』
……。
[好奇の目、というか、ただ珍獣が現れたというような感覚だったらしい]
おらぁ!
言いたいことあるなら、目の前で言えや、コラァ!!
『怒ったぞ!逃げろ!』
『でかいのがうつされるぞ!』
『スプーンでかき混ぜられるぞ!』
[大声で叫ぶと、そんなことを言いながら散り散りに逃げていった]
弟君?
[それだけでは誰のことか分からず、少し首を傾げた。
考え込む様子にまた暫し黙って]
ああ、責任者についてはぼくもよく知らないが…
探していたのはエリザベートさんだから、彼女に聞くといいかも知れない。
[頼みを受けた楽師の名前を出した]
[何が言いたい、というアーベルの言葉には肩を竦めて]
別に?
[なんて言っておいてから
ベッティの言葉には、うん、とひとつ頷いて。
口元のマフラーを鼻の上まで引き上げ帽子のつばを少し下ろした。]
─広場・露店近辺─
……俺は商売人じゃないから、そこらはわからんけど。
楽器が応えるかどうかは、奏者次第、ってのはあるんじゃね?
[盛り上がっているベッティに、ひょい、と肩を竦めて]
あと、楽器との相性、ってのも、やっぱり、あるし。
殺さず、上へ引き渡す。
それ以上のことは知らない。
[彼もまた下の者に過ぎない。
だいたい予想はつくが、とは口にはせず]
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