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[投げやりな声に突っ込むかどうか悩んだものの。
ここで突っ込んでもかわされるのが常、と止めておき]
ん、ああ。
かーさんが、一番好きだったしな。
だから、コイツにも、その名前つけたんだし。
[色鮮やかな鸚鵡の翼を軽く撫でつつ、頷き]
細工の過程なんて、見てて面白いもんでもないと思うけど。
んでも、イメージは浮かんでるから、やるだけはやるよ。
[気も紛れるし、とは。口にはせずに]
[互いに好意を示すクロエとカルメンに、くすくすと笑って]
そうですか。
きっと、それは、何があっても……変わらないんでしょうね。
[口にした言葉には、若干ながら、不穏な響きが混ざってしまった。
誤魔化すように、外にいる、とのクロエの台詞に窓の外に目を向け]
?
自衛団の方、何かあったんでしょうか。
[きょろきょろと辺りを見回しているようで。
それは、釣竿のせいなわけだが。]
もー、みんなして「自分は何もしてない」とか言い出すんだから。
絶対これ誰に言っても同じセリフ返ってくるよ。
いつか「おう。わしが面倒見てやったんじゃい。がはは」と言い出す人が見つかるまで、私めげないで言い続けてやる。
───あ。ゲルダさん、水どもども。
[ゲルダから水を受け取ると、唇を湿らせる程度に、水を含んだ。
……2度目の水は、少しだけ吐き気をもよおしたが、何事も無かったかのように振舞っておく]
じゃあ、ロミちゃんは蓮の花…白いのと紅いの、どっちが好き?
[たわいない問い掛け。
ユリアンから出て来た名前にまた一つ瞬いて]
ハインリヒのにーさんが?
うっわ、お伽話とか、にっあわねー…。
[寒気を表すように、両腕を手で摩る]
手当たり次第ですか、なるほど。
[ブリジットらしいのだろうなと笑う]
ハインたちは召使い?
[また噴き出してしまった]
が、頑張れ、ハイン。
(――嫌われちゃうから)
[「壊される」より、きっと、辛い事。
仮面を被るのは、本当の自分を知られないようにするため。
仮面の自分なら、嫌われたって痛くない。
今までも、これからも、ずっと同じ。]
[クロエとブリジットの会話に笑ったまま]
では、何かご入用でしょうか?奥方様。
[言った後で髪をわしゃりとかき上げる]
…だー、ぜんっぜん様にならねぇ。
ダーヴさん、知ってるですか?
ずっと前、陸のウェンディからもらったです。
[蓮の花から視線を外し、首を傾げて、絵本を手にとった。
本をもらったのは、陸の中でも特に信仰の強い地域だった。
ロミルダがページをめくると、赤い空に、黒い線で縁取られた月もまた赤く。
黒いシルエットで表された人影の、その中のひとつにしっぽが見えた]
『赤い赤い月の夜、
はらぺこおおかみあらわれた。
村人手に手に武器を取り、
やつらを探せとわめきたて…』
[文を読みあげる]
クーリェ、ずっと、いっしょ。
うん、かわんない。
[紡ぐ言葉はやはり笑みと共に。
飲み物を、とクロエが傍を離れるなら、そのまま離れ行くのを止めずに居るだろう。
それよりも先に広間を出たのはゲルダのようだったけれど。
何かがあったらしいことは知れど、何があったのかまでは流石に分からない]
まあ、俺もそれはちょっと考えた。
[似合わない、という言葉をさくっと肯定した。何気に酷い]
ハインさんも、昔聞かされたんだってさ。
『人と、場所と、時、それが揃うと悪いことが起きる』っての。
婆様なら言いそうかな、それ。
[拾われた時、「恩に着ろ」と言われたことを思い出す。
だからといって何かをさせられるとかはなく、自分から進んで仕事を教わり手伝い始めたのだったが]
ああ、自衛団の人達も…そうですね。
じゃあ多めにお茶の用意してきてみます。
台所いってくるね。
[最後はカルメンに向けて言うと、立ち上がる]
――…。
そりゃ初耳。
…そっか、そこから名前来てんのか。
[死んだという母の存在を口に出させてしまったせいか。
喋り出す前に、僅かな沈黙が入った]
細工自体よりは、さっき言ってた成長が見たい、かな。
それに実際楽しいと思うかは、そん時にならんと分からないんじゃないかー?
痛いのは、なー。
まぁ…見つかっちまったらそいつも壊せばいいさ。
[食われる側にも痛みはあるのだけど]
[そんなことは忘れている][気付かない]
――集会所外――
[入り口の傍にいた見張りの自衛団員に一言断りを入れて外に出てみると、先に見かけた人々は、空を仰いでいるようだった]
……?
[遠目では、何を見ているかはさっぱりわからない。
尋ねるのもなんとなく躊躇われ、さて、どうしようかと考えていると、幼い声が「童話」を語る声が聞こえた]
白いのと、あかいの、ですか?
[ダーヴィッドの言葉に、絵本から顔を上げて、考えるように腕を組んだ]
……どっちも、好きですよ。
どっちもきれいです。
[選べなかったようだ]
うむ。
今は特に用命は無いから、自由に待機しておるが良い。
[ハインリヒの言葉に、わざと鷹揚にそんなことを言ってみた]
ま。もう大丈夫だから、どっか行くなら行っても大丈夫だからね。
特に行くところ無いなら、別に無理して移動しなくてもいいけど。
わたしゃ、しばらくここで休んでるよ。うん。
[言葉どおり、休んでおかなければ立ち上がるのも*まだ辛い状態なわけだが*]
[まだこちらをみている自衛団員に軽く手を振ったところで、ゲルダの姿が見えて]
あ。ぜ……ゲルダさん
[間違える前になんとか訂正した。二階だったってことで訂正する前の言葉が届かないことをひそかに祈ろう]
[ロミルダの読み上げる童話に、思い返すのは自衛団長の説明。
同時、感じる微かな痛みを振り払うよに軽く頭を振り]
そりゃ、話してないし。
[僅かな沈黙を挟んだ言葉には、僅か、苦笑して]
何をして、成長と判断されるのかはわかんないけど。
やり掛けの分も持ってきてるし、後で見に来いよ。
[声の方へと目を向けたものの、その場にいる面々を認めると、足は動かず。
名を呼ぶ声に気づいて、顔を上げた。
視線が数秒彷徨ってから、声の主を見つける]
……って、フォーサイスさん。
何、してらっしゃるんですかぁ!
知ってるよ、うん。
[少女の語る本の中身、少しばかり思い返すように視線を伏せた。
ユリアンの同意の声には、口の端に笑みが浮かび。
そして、聞こえた内容に、また視線を伏せる]
紅い月、満月の夜…かね。
[静かな声で呟いて]
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