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─自宅─
……史さん?
[どこか、いつもと違う様子に瞬き一つ]
……大丈夫、なのか?
[しばしの間を置いて、投げかけたのは、こんな問いかけ]
[途中、ばいばいと手を振る千恵ちゃんが可愛くて、
足を止め手を振りかえした。
公園からしばらく歩いた所で携帯を確認するが、やはり圏外。
胸の中をざわついて、私は吐き気を堪え歩き続けた]
― 回想・繁華街の境界 ―
何があったの?
[店の前には、人々の怒声と車のクラクションが響いている。
道路の何もない空間に張り付いている人に、首を傾げた]
何遊んでるのよ。
……いったぁい!
[店に入ろうと進み出たが、見えない壁に阻まれた。
周囲のパニックに納得がいくと、穴がないか壁を触る。
けれど、穴なんてなかった]
うん、急ごう。
[まだ日が落ちる前に千恵に案内された道、今は日も落ちて路地は薄暗かった]
伽矢くん、千恵ちゃんいるかな…。
[大丈夫と言ってほしかった。
千恵に案内された時は苦労して通った道、今は息切れを起こすことなくすんなりと通れていた。自分でも気づかないままに]
『……』
[傍目には、それはまさに魂を食らったかのように見えるだろうか。
それとも、彼女の体を依り代にしたかのように見えるだろうか]
……っ。
[ただ一つ言えることは、これだけ大規模な浄化は彼女の体に大きな負担を掛けることになったということに違いない]
……黄泉への餞になったかな。
[玉のような汗をびっしりと浮かべて、神楽は舞い終えた。
その場には、先程まで見るも無残だった死体の数々は見当たらなくなっている]
だー。流石にきっつーい。
[そんな愚痴を零しながらも、その顔にはやり遂げた笑みが浮かぶ]
/*
あんまりにも「きれい」な『司』というのは、原作者視点ではものっそ突っ込みたいけれど、言わないw
[だって一番黒い存在が『司』ですもん。
『憑魔』は越えた状態で人を喰うけど。
『司』は人のままで喰いますからね。
まあ、某疾風の司とか地鳴の司みたいに、喰わない(喰わんと浄化できないのに遭遇しない)子もいてるけどねw]
― 回想 ―
[稲田さんちが壁の手前にあるのを確認すると、その場を離れ違う道に向かう。
少し待っていれば、子供達と合流できたのだけど。
とにかく穴を探さなくてはいけないと、私の考えは縛られていた]
こっちもだめ? なら、このお宅の庭の中は?
[大騒ぎの中、同じように道を探す者もいて、情報を交換する。
耳に入る話を総合すると、巨大な見えない壁が発生しているらしい]
なら、空は? 空はどうなの?
[尋ねてみるも、答えられる者はいなかった]
[──雪夜が踏み抜いた水溜り。その上を『なりそこない』の先頭が通り過ぎようとした瞬間。]
ビキビキビキビキッ!!
「「「!? ギャアアアアアアアアアッ!!」」」
[突如、その水面が凍結・隆起し、先頭の3体を串刺しにする。]
はっ、ド低脳が。簡単に罠に掛かってくれる。
[ビルの側面。そこに生えた氷柱の上で、そいつらを見下ろす。
さらに、パチンと指を鳴らすと、後方の水溜りからも氷槍が隆起し、『なりそこない』を閉じ込める。
狼狽するそいつらを、ニタリとした笑みで見下ろすと、]
さて、じゃあ俺の『糧』になってもらおうか。
[その後は、一方的な虐殺ショー。]
/*
まあ、なんだかんだというても。
某狂焔と某水牙、あと某旋風の黒度が高すぎるだけというのは否定できん。
[希望通ってたら、こいつもしっかり加わってました。
後天性にするつもりだったからねぇ……]
あ?
[不機嫌な声で振り返った]
……えーえ。
お蔭様で、目ぇ覚めましたよ。
気分は最悪だがな。
よりによって、コイツの代で遭遇する羽目になるとはね。
[乱暴な口振りで、傍から聞けば意味の取り辛いことを言う。
右手はタイを解き、一番上の釦を開けた]
[数分後、そこは既に血の海と化していた。
その中心、恍惚と切り取られた空を見上げる。
屠殺の際、少なからざる返り血が彼に降り掛かったが、それらはすべて服に染み込む前にパキパキと凝固し剥がれ落ちる。
そうして、残った破片をぱっぱと払うと、]
さて、と。メインデッシュは何処に行ったかねぇ。
[上機嫌にそう呟き、路地裏をあとにした。]
……居ると良いけど。
[幼馴染の望む言葉は出て来ない。
不安を覚えても、希望を抱いていても、今は大丈夫と言い切ることは出来なかった]
……お前、何ともないのか?
[不思議そうに問うたのは、息切れをしていない幼馴染を見て。
記憶に新しい道、なかなか苦労して通った道。
その素振りを全く見せない様子に、言葉不足ながら疑問の声が出た]
― 現在・住宅街 ―
はぁ、はぁ、はぁ……
[駆けに駆け、しゃがみこんだのは住宅街の地蔵堂。
祠の影に身を隠し、上がった息を整える]
なんなの。 なんなのよ。
[道を探し回るうちに、常連の男を見つけた。
声をかけるとニタニタ笑い、彼はこちらに襲い掛かってきたのだ]
『マーマ。俺にもくれよ。 ……ずっと欲しかったんだ』
[私はすぐに逃げ出した。駆けて、駆けた。
その最中、他にも逃げる者と追う者を見た気がする。
この街に一体、何が起きているのだろう]
[それから、体の調子が戻るまでその場に佇み、やがて、それも戻ってくると神楽が口を開いた]
さ、て。あやのっち。何処に行こうか?ああ。流石に、これ以上の浄化は勘弁ね。しばらくは同じこと出来ないと思うし。
『……』
[綾野は何と言っていいのか分からないという表情でしばらく神楽の顔を見つめていたが、ややして口を開いた]
『桜の元へ』
あ。やっぱそこがいいんだ。
まあ、同じようにあの場所に憑魔達が大群で襲ってくることも無さそうだしね。危害さえ与えなければ、何もしてこない感じ?うん。多分、せったん自業自得。
『……ところで、先程から気になっていたのですが、その「あやのっち」というのは?』
あなたのあだ名。私、そのままの名前で呼ぶのなんか苦手なんだ。そして、あだ名で呼ぶ人は漏れなく私の家の縁側でお茶を飲むのに誘っているから、今度良かったら一緒にお茶でも飲もうよ。
[あっけらかんと言い放つ神楽に、綾野が少しだけ微笑んだ]
『フ、フ……変な人』
……はい?
一体、何の話……?
[史人の言う言葉、その意が掴めず、一つ瞬き]
話が見えんのだが。
と、言うか。
……誰、というべきか、それとも、何、というべきか。
どっちだ。
[その聞き方もどうなのか]
─ビジネス街・表通り─
[──そうして、十数分後。路地裏から、表通りまで出てくる。
ちらり後ろを振り返るが、『何か』が追って来る気配はなし。
ふぅと、ひとつ大きく息を吐くと、]
さて、神楽たちは何処にいったのやら。
[そう呟くと、左右をきょろきょろと見渡し、ひとまず中央方向へ歩き出した。]
まあ、常日頃から色んなモノ見てるから。
とはいえ、一応これでも精神的にはきっついんですよ?
ここまで大規模な現象なんてのは、産まれてから見たことないし。
こっから先のことを考えると憂鬱だしね。
これはまだ序章なんでしょ?これから始まる物語の。
『……はい』
本を斜め読みした感じでもあんまり明るい未来は待って無さそうだしなあ。
少しでも関わっている人が少なければいいんだけどね。
[そんなこんな。
微妙に盛り上がっているのか、そうでないのか図りしねる会話を続けて、桜の元へと戻ってきた]
───桜の根元───
えっ?
[幼馴染の不意の質問、はじめ意味がわからなかった]
大丈夫って?千恵ちゃんのことは心配だよ。
[走りながら普通に返答を返して、改めて気づく]
私…普通に走れてる?
[千恵のことで夢中で気づいていなかったこと、幼馴染の疑問に答えられる答えはなく。]
火事場の馬鹿力ってやつかな?千恵ちゃん守らなきゃって夢中で。
―礼斗宅―
……物分かりの悪い奴だな、ったく。
[軽く舌打ちし、呆れたような目を向けた。
無理もないと思うが]
お前さっき自分で言ってただろうが。
『司』って。
伝承からすれば、少々特殊なケースじゃあるが。
[あっさりと口にする]
―礼斗宅―
『司』
目覚める。
桜花が呼ばれたように。
[小さく呟いたのは独り言のよに]
…でも、変。
[らしくないという意味で。
今度は首元を寛げる史人にむけて呟いた]
─自宅─
…………。
[告げられた言葉は、先の呟きから、意識の隅では考慮していた事。
では、あったが]
『司』。
史さんが、ねぇ……。
[あっさりと言われ、思わず棒読みに近い物言いになったのは、ご愛嬌。かも知れない]
特殊ケース……龍先輩とは、違うのか?
[写真立ての中で笑う、アッシュグレイの髪の厳つい男にちらりと目をやり。
それから、改めて昔馴染みを見て、問う]
そうじゃなくて。
[最初の言葉には否定を。
続く疑問に肯定の頷きをする]
前までは少し走っただけでも息切らしてただろ。
[訊ねても幼馴染も分からないらしく、返る言葉も精神論的なもの]
……でも火事場の馬鹿力って長続きしねぇんじゃねぇ?
ともかく、きつくなったら言えよ。
[疑問がまたついて出るが、気遣う言葉も向けておいた]
/中/
さて、2日目の吊りのために、簡単な役職者推理。
ひふみん:桜の子。あるいは司?
ふーみん:司。あるいは憑魔?
みずちー:司。どっちか。
ちーちゃん:憑魔っぽい。
かやりん:多分村人
姉御:憑魔っぽい。
せったん:多分村人
くろっぺ:多分村人
自分:他人から見ても確定霊能者w
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