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―食堂「白雪亭」―
[視線を外すとユーディットの姿が見えた。
話掛けはせずに、再度の怪我がないかを目視する。
どうやら心配なさそうなのを確認したところで、イレーネから話しかけられ]
そりゃ構わねぇが。
……またアレか?
[“アレ”の言葉で示すのは、共に入って来た彼女の兄]
交渉に出るってことはまたやる気だなお前。
なら3倍。
[ウェンデルを横目で見てさらりと言い放つ。
交渉は逆効果だったらしい]
わかった。
では大事な宿題を頂いて戻ろう。
[ユリアンから、宿題の許可を得て、こく、と頷く。
先に帰ってよい。と兄へも同じにこくりと]
エーリ兄。きのこから、色ができたらまた見せてほしい。
[道中、生まれる色について話してくれた兄へはそう頼み、
ゲルダの指摘に、それより濃い翠の瞳を瞬いた。]
うん。エーリ兄の瞳も。同じだ。
ふ、ふ、ふ。
好きな色を共有できるのは、……しあわせだ。
[笑って、では行ってくる。と、三人と別れた。]
─食堂「白雪亭」─
[君ならわかってくれると思ってた!
と言わんばかりの顔である。
ぽむぽむされては、ちょっと元気が出たようで。]
そうそう、今から食べればいいよn
ってえええ。
ちょっとゼルギウス、それは酷いよ…!
[3倍には思わず言い返した。
が、イレーネの様子に漸くレナーテを見て。]
うん。
今は僕よりも、イレーネのことを聞くと良いと思うんだよ。
[事実上の敗走宣言。レナーテには、ちょっとがんばれというような視線を向けておいた。]
─食堂「白雪亭」─
ありがとうベッティ!
[スープとパン。聞いて腹の虫がまた鳴いた。
感動した、といわんばかりの様子で彼女を見送る。
言われるままに近くにあった席についた。
持っていた袋は、背と椅子の間に挟む。]
─食堂「白雪亭」─
ユーディの言う通り。
ちゃんと食べなきゃダメだよ、ウェン。
[相変わらず呆れたような視線だが、先程よりは少し優しげな表情でそう言って。
ゼルから、またアレか?と聞かれると、目を伏せため息をつきながら頷いた]
そう、うちの兄さん。
どうせまた傷薬だけでいいとか言うから、強制的に連れてって手当てしてもらいたいんだ。
[おそらく何度もあったやり取りだろう、兄の行動を予測した上でのお願いだった。]
─食堂「白雪亭」─
う、わ、わかってる。
食べるよ、ちゃんと。
ありがとう。
[イレーネの言葉に、しっかりと頷いた。]
ちゃんと、パンだけでも、その。常備しておくようにする…。
→ ウェンデルの家 ─
[洞窟内を、た、た、た。と走る足取りは軽快に、行き先を迷わず、その道を語り部見習いが通ってゆくのはありふれた光景。]
ウェン。……ウェンー?
本をとりに来……、うん?
入るぞ?
[洞窟の一角にある筆記者の家。声は投げるも入り口の戸にかける手はそれと同時で前置きの意味を為してはいない。ひょこりと顔を出して暗い家の中で耳を澄ませ本の匂いを吸い込んでゆっくりと吐く、間。]
──…、…巣穴にあなぐまがいない。
[…珍しい。と、呟いて戸を閉める。いない。らしい。と、納得して家の入り口の前で腕組みし]
……腹が空いて抜け出た。
というあたりが……妥当だろうか。
[とん。と地面を足裏で叩き、組んだ腕を解き、踵を返す。]
―食堂「白雪亭」―
嫌なら普段から食え。バカ。
[ウェンデルには素っ気無い返事。
イレーネに向き直り、肯定を受ければ同じく溜息]
ったく、どいつもこいつも。
仕事柄怪我すんのは仕方ねぇが、手当てはしっかりやれと言ってるだろうに。
[眉間を押さえた。
文句を言いつつ断ることはないのだが]
……なぁ。
何回も何回も足運ばせて説教すんのと、うちで一番染みる薬をつけてやるの、どっちがいい?
[体勢はそのままで、究極の選択をイレーネに*委ねた*]
─食堂「白雪亭」─
…あんまり目にあまるようなら、毎日ご飯食べさせるために外連れ出しに行くよ?
[しっかり頷きはしたものの、語尾がふにゃふにゃしたもので。
呆れた視線のまま、実力行使の宣告を。]
―きのこ畑の小屋→パン屋―
…そうだね。
[幸せだと言うミハエルに、ふわりと柔らかな笑みを向けて。
いつもの調子で出て行く彼女に手を振り見送った。
それからユリアンに荷車を引いてもらい、こちらは後ろを時折押し手伝いながら、自宅までの道のりを歩く。
道中、顔を上げて声をかけたり話をしたりしながら。
たどり着くと一緒になって袋を小屋まで運びいれた。]
ありがとユリアン、すごく助かった。
…あ、そうだ。
[そう言って、一旦小屋へと戻り包みを持ってきてユリアンへと渡す。]
蒸しパンと、木苺のジャムのパンが入ってるから持ってって。
甘いの、嫌いじゃなかったよね?
[あまり数がないので、配達はしないパンを礼にと差し出して。
ユリアンが帰っていくのを手を振って見送った。]
→食堂「白雪亭」─
[からんと入り口の扉が談話の途中で開く。]
すまない、ベッティ。
こっちに本の虫が来て──、
[ひょこりと顔を覗かせて、白雪亭の看板ウェイトレスに声をかけ]
… いるようだ。ウェン。珍しい。
[先ず見つけた姿に、ひらり、と手を振った。]
―帰宅する途中―
?
ユリアン、何か言った?
[前を歩くユリアンが何かを呟いた気がしたので、少し首を傾げながら尋ね返した。]
─食堂「白雪亭」─
本当だよね。
ケガするなって言ってるわけじゃないのに。
[ゼルの文句はまるっと同意で。
二者択一の選択を出されると、ぱち、と瞬き一つして考えてから口を開いた。]
沁みる薬。
…って言いたいとこだけど、兄さんがそんなので懲りると思えないし。
ゼルには面倒かけて悪いけど、何回もお説教の方がよっぽど堪えると思うな。
[毎度のことでさすがに怒りもたまっているのか、そんなことを*言った。*]
─食堂「白雪亭」─
[行動はしっかり読まれる、行動範囲の少ない筆記者であった。
ゼルギウスには、しおしおと頷いた。]
善処するから、せめて1.5倍に…!
[自分で自信が持てないようだ。
しかしイレーネの言葉に目を丸くする。]
いやいや、その。仕事中は多分気付かないから…。
手間ばかりかけさせることになるし…。
[うろたえている。
仕事中に人の気配に気付かないのは、既にミハエルが何度か部屋にいたことで自覚していた。]
その……ありがとうイレーネ。
なるべく、食事には気をつけるよ…。ええと、心配かけないように。
─食堂「白雪亭」─
はーい、おまたせー。
[そう言って4人分の料理を持って席へ。
心持ちそれら全部増し増しだったとか。
そうして、皿を配りつつ、]
……ああ、そういえばレナーテさん。
ミハエルさんから伝言頼まれてたんですが。
えーっと、狩りに連れて行って欲しい、って。
[とりあえず、聞いたままにレナーテに*伝えた*。]
─食堂「白雪亭」─
[ドアの鳴る音に振り返る。
と、ミハエルの姿。
おお、と手を振り返して。]
うん。おなかがすいたんだ。
それにええと、本を渡さないとと……。
ミハエルは僕を探していた?
家の鍵は閉めていなかったはずだけれど。
[心底不思議そうに首を捻る。]
とか言ってたら本人が来たー。
いらっしゃい、虫野郎ならここで飯を食ってるよー。
ミハエルねーちゃんも何か食べる?
あ、ちょうど今伝言伝えたので、あとは直接交渉してねー。
[そう言って、ひらと*手を振った*。]
探した。探していた。
[とことこと店の中に入り目当てのウェンデルの疑問に重ねるように繰り返していい>>60]
……、ウェン。
一度おまえはゼルギウスに、
物忘れを治す薬を作ってもらうといいのだよ。
その本、誰の依頼だった?
[直ぐの自分と違い淡い色でふわふわの金髪のウェンデルの頭をぐり。と、拳でつついた。]
─食堂「白雪亭」─
ありがとう!美味しそうだ。
もちろんベッティの料理が美味しいのは知ってるけどね!
[運んできてくれた料理に、腹の虫も盛大に主張していた。
大喜びで食事を始めようとしていたのだが、ミハエルが近づいてくるのを待ち。]
うん? や、それはもう無理だと思うんだ。
[極真剣に答えた。ゼルギウスへと、できる?なんて視線をちょっと向けたけれども。]
えっと。
誰のだっけ……って痛いから痛いから!
あれってミハエルのだった?
ごめん。ちゃんと出来てるよ、ここに。
[痛いといいつつも、ちょっと避けようとする程度。
それから至極真剣に言って、身体を少しずらして、本の入った袋を取り、差し出す。]
―パン屋―
[置いておいたパンは良い感じに膨らんでいて。それを釜に入れ焼いてゆくと、見る間にパンは焼きあがる。
その間、貰った緑きのこを棚に置き、残った材料を確認すると、この前レナーテから貰った小蜥蜴はまだ少し残っていた。]
…刻んで、辛味…。
[と呟きながら赤い粉を手前に出しておく。
パンの焼きあがる良い匂いがした頃釜の方へと戻り、取り出したパンを冷ましてから、袋に分け入れ、それらを今度は篭に入れた。]
ええと後は、ベッティの所と、レナーテの所と…だから、台車はいらないよね。
[随分遅くなったが、レナーテの方は遅くなるとは言っていたし、平気だろうかと思いながら。
とりあえず篭を持って、白雪亭へと*向かっていった。*]
…どうにもボクは一手遅れて間の悪い行動が多いな。
すまない。ありがとう。ベッティ。
[赤毛のすらりとした姿も相性の悪い薬師の姿も視界に入れながら
伝言を伝えてくれたらしきベッティに礼を言った。]
そうだな、手ごろなスープがあればひとつ。
[注文を伝えて>>61]
"そら"の事を書いてあるヤツならボクの依頼だ。
おまえのことだからそろそろ終わった頃かと
見計らって取りたてにきた。
[ウェンデルの隣に座って、渡される本を受け取り>>63、表面を撫ぜて、中を開きさらりと確認に視線を落とす。]
────、うん。
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