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あっはっは…。うん、ごめん。
そらのことだった。
[しっかり本を確認する様子に、頭が垂れた。]
誰だっけなって思ってたんだ。
ミハエルが僕を探してくれて助かったよ…。
今度はちゃんと、書いておくようにする。
[しかしこの言葉が何度目か…
ついでに、部屋の中があまり(?)綺麗でないことも、ミハエルは知っていることだろう。]
ちゃんと同じだよ。原本と。
ええと…毎度毎度、本当にごめんね。
[とりあえず食事は、スープをもう一つ運んできてくれるのを待って、
ミハエルの前にも用意されたら、食事を始める*ことだろう*]
[少しの間をおいて本から顔を上げて、探しに来た本の虫をじとりと半眼で見た。]
今ウェンが言った台詞は、もう両手でも
足りない数をボクは聞いている。
目の前にでもメモをぶら下げておかないと
きっとそのメモは本に埋もれる。
ウェンは掃除してくれる誰かを探すべきだと思う。
[ぱたん。と本を閉じて、謝罪に翠の眼を細め、大事そうに本を胸に抱いて──ぺし。と今度は平手でふわふわの金髪を叩く素振り]
──それは疑っていない。
…ありがとう。
嬉しい。
[知識。を、膝の上に置いて、遅ればせに礼を言って、笑った。]
[注文したスープが来るまでの待ち時間。ひょいと身体を斜め身を乗り出し]
ユーディは、あの後、遅れて怒られはしなかったか?
[軽く友人にそう訊ねて、その奥の薬師も見て、そちらには軽く、べ。と舌を出し、赤毛の狩人にも、──にっこり、として手を振った。]
忙しい身のボクは、用件がもうひとつ程、
片付きそうで嬉しい限りだ。
レナーテ。
ベッティからも伝言は聞いたのだろう?
まだ──気は、……。変わらないかねどうしても?
[狩人の青年に繰り返して願い立てるは同じこと。頼みごとをする途中で、表情からか返事の答えを察してか、訊く途中で声音が不満げになり、む。眉間に皺をつくり*口を尖らせた*。]
─ユリアンのキノコ畑─
[ユリアンから貰ったキノコの入った籠と、染め直しのための窓の掛け布を手に、キノコ畑の間を歩く]
うーん、もうちょっと若い方が良いかな…。
[種類ごとに分かれたキノコ畑を一つ一つ巡り、これだと思う物を探して。それを何度か繰り返し、必要な分を集めた時にはかなりの時間が経っていた]
よし、こんなもんか。
どんな結果になるかなー。
[満足げに笑むと、キノコ畑を出てユリアンの家へ。ユリアンが戻って来ているようなら礼を言い、居ないのであれば後日礼を述べることにしてその場を*立ち去った*]
―回想・自宅―
ありがとう。宿題頼んだ。
[微かな笑みを浮かべるのは心からの感謝の印、ゼルがいればそれに気付いただろうがここにはいない。
緑色について語る二人には]
ああ、悪い色じゃないな。
[頷いて同意して、仲がいいことはいいことだとか胸中に。
それからミハエルが出て行くのを見送っった]
―回想・自宅→パン屋―
[キノコ畑の方に向かうときはエーリッヒも一緒に]
じゃあ、いってくる。
[特に見張るとかそういうことはせず、エーリッヒをその場に残して荷車を押していった。
坂道などでは後ろからも押してもらい、道中ゲルダと話をしたりしながら、しばらくすればパン屋の前についた。
袋を小屋に運びいれると]
ああ、別にいいよ。困ったときは、お互い様だし。
[礼の言葉にはそう返して、受け取った包みは、まださっきの親友とのやり取りを覚えてたのか中身を確認し、{4}個の蒸しパンと木苺のジャムのパンが入っているのを確認した]
ありがとう、甘いのは好きだ。
じゃ、また。
[微かな笑みで答えてから、手を振り、
短い言葉でゲルダとはそのまま*分かれた*]
―帰宅途中―
いや、何も言ってなかった、はずなんだが。
[振り返り返したのは普通の声で。
何かを思い出したように]
ああ、そうか、そういうことか。
[一人納得したように頷いてから、次にかけるのはコエで。
こちらが口を動かさずに話しかけたのを見れば向こうも何かを感じるだろうか]
ゲルダ、聞こえるか?
[ゲルダから返答があれば、やっぱりかとその時は呟きを*残すだけに*]
ー帰宅途中ー
[振り返ったユリアンは確かに声を返したけど、唇は閉じられたまま。
届く声は、耳にというよりは心に直接降りてくるような、そんな感じに響いた。]
聞こえる、よ…?なぁに?
………ねえ、ユリアンてって、口を閉じたまま喋れるんだっけ…?
[きょとんと首を傾げながら、普通に声を返したが。その問いかけには、小さな呟きしか返らずに。
不思議そうに目を瞬かせただけだったが、内には小さな疑問と、ざわめきが*残った*]
─自宅─
[様々なキノコの入った籠をテーブルへと置き。窓の掛け布は作業台の上へと運ぶ。染め直しに必要なものを揃えていると、ふとあるものが目に入った]
あ……やっば。
じっさまに頼まれてたやつ…。
[それはだいぶ色褪せた、布に描かれた華の絵。長であるギュンターからの描き直しの依頼だったのだが、どんな色を乗せれば良いのかが分からず、後回しにしていたのだった]
どうしよっかなぁ。
もっかいじっさまに相談してみるか。
[ぽりぽりと後頭部を掻いて、件の布を手に取り、家を出てギュンターの家へと向かった]
─ギュンター宅─
じっさま、ちょっと良い?
例の絵で聞きたいことが。
[扉をノックし中へと入り。依頼を受けた布を見せて、色についてを訊ねる]
……え、じっさまもどんな色か知らないの?
それでどうやって描き直せって言うんだよー。
[不満を漏らすと、返って来たのは好きに塗れば良いとの言葉。元の絵を再現したいわけじゃないと言われ、かっくりと頭を垂れた]
そう言うのは依頼する時に言ってよ…。
[二度手間だった、と呟いてお暇しようと思ったのだが。ふと、何かを思い出したギュンターに呼び止められ、話を聞かされた]
…『『死神』の降る刻』に咲く花?
これが、それだって言われてるのか?
[伝説として伝わる『『死神』の降る刻』。その時に咲いた花を描いたものなのだとギュンターは言う。話を聞いて瞳が布へと落ちた]
へぇ、そうだったのか。
どんな色をしてたんだろうなぁ。
見てみたいものだ。
[絵描きとしての興味がそそられ、そんな言葉を紡いだ。それを聞いたギュンターは、やや表情を翳らせ言葉を続ける]
──…え、今が、その周期だって?
[驚きに濃い翠の瞳を見開いた。何度か瞳が瞬く]
じゃあ、それが終わればまた花が──。
[呟くとギュンターは、おそらくは、と頷きを返して来た]
…でも、誰かの命を使わないと咲かないんだよな?
すごく、花を見てみたいけど……悲しいな、それ。
[村の誰かが命を刈られないと咲かない花。もしかしたら自分かも知れない。そう考えると、酷く悲しかった]
……ん、邪魔したね、じっさま。
絵はもう少し待ってもらって良い?
ちゃんと、描き直すから。
[そう告げて、ギュンターの家から立ち去った]
「──華が、見たいな」
──…え?
[不意に振りかかる声。はたりと、濃い翠が瞬いた]
「見たいと思わないか? 美しい華を」
「年に一度だけ咲く、鮮やかな華を」
お前は、誰、だ?
「吾(わたし)は死神」
「刈らずの死神」
「ただ、華を見ることを望む、死神」
お前が、『死神』…?
「そう、『『死神』の降る刻』に現れる者」
「尤も、吾(わたし)は刈り手とは異なる存在だけれどね」
どう言う意味だ?
「先も言ったように、吾(わたし)は刈らずの死神」
「華を咲かせるための力は持たぬ」
「ただ、咲く華を見ることを望む」
「『死神』であり、またそれとは異なる者」
「故に、刈り手の力は受け付けぬ」
『死神』は命を刈って華を咲かせる、だったか?
「そう、汝らの命を使い、華を咲かせる」
「しかし力を繰るにはヨリシロが必要」
「吾(わたし)もまた、ここに留まるにはヨリシロが要る」
「悪いが、汝に憑かせてもらった」
何故俺なんだ?
「これと言って理由は無い」
「強いて言えば、汝が華を見ること叶えば」
「遺すも可能かと思ってな」
[『死神』を名乗る相手にしばらく問答を続けた。本当に周期が来ているのだと実感する]
お前は、刈り手の力を受け付けないと言ったな。
つまりお前が憑いている間は、俺は『死神』の手にはかからないと言うことか?
「そう言うことになるかな」
「だが、吾(わたし)は誰にも見つかりとう無い」
「ただ静かに、華が咲くのを待ちたいのだ」
「見つかりそうになったら、吾(わたし)は消える」
そうか……。
見れると、良いんだけどな。
「見ることが出来るかは、吾(わたし)にも分からない」
「ただ、『『死神』の降る刻』が過ぎるのを待つのみ」
華を見るにはこの周期を越えるしかないわけだ。
「そう言うことだ」
─道─
華、か…。
見ることが出来たら、これも描き直せるかな。
[自宅へと戻る途中、手にしている色褪せた布を見つめる]
……ま、とりあえずはユリアンの掛け布の染め直ししよっと。
[ここで考えていても仕方が無いと。目下やらなければならないことへと意識を移し。行動に移すために自宅へと戻って*行った*]
─食堂「白雪亭」─
[両手で数え切れない程かぁ、なんて、自分である意味感心してしまった。]
い、一応机の上はきれいだと思うよ!
なにせ仕事場だし。
[文字を書くのに散らばっていてはどうも落ち着かない。
なんて言いながらも、写本の材料を探しているうちにどこかへ行くのもいつもの話。]
依頼人がなにか目印を持つのも手だと思うんだ。
[叩かれるのに避けるつもりもないようだ。
ふわりふわりと金色の髪は揺れる。]
ん、そう言ってもらえるのが何より嬉しい。
また何かあったらいつでも頼んでね。
でもイラスト付きは、ミハエルがエーリッヒに頼むと良いんだ。
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